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ぬくもりだけを信じると
深呼吸できない、抱擁
信じて強くなれる
糸電話の決意
遠くでも近くでもない場所から
わざと小声でささやく
から、やさしい距離
保ち続けて
メールのない夜 ....
写真では思い出せる
ものがたりは忘れてしまった
楽しかったことの記憶だけ
振り返ることもなく
通過電車のあとを追う
錆びた風であれば
印画紙を風の色に染めて
完成する思い出
岩 ....
ひとりぼっちに
ならないように
鳴くことをおぼえた
あの日
どこまでも届けと
生まれてくる、こえ
書き付けられた
記憶ではなく
いま、あふれだす、こえ
ことばは、忘れないため ....
ときめかせて
はなびらを解き放ち
冬別れの樹、予感
北風までもが人肌の温度
その飛ばす先の青空
気まぐれな季節は
いつも、ふいに帰ってくる
季節のない海の深みに
還っていくその前に ....
なにげなく息苦しくなる
自由に生きるとわがままで
いい人でいると酬われない
狭苦しい海だね、まるで
しおからいもので満たされて
泳ぐためにも浮くためにも
そして沈むためにも
抵抗や圧力が ....
風が吹き抜けるたびに
路地から空を見上げる
鳥の影、あの鳥がまた
飛び越えていくのかと
見上げた先の色は様々で
いつも、すぐ忘れてしまうから
黒い影だけは憶え続けるのか
鳥のかたちに ....
灯台の積層レンズから
ここにいる、と叫ぶ声は
遠くからは星
近くからは秒針
海霧に照らし出す
港という駅
造船所の大きなクレーンを
右手にみながら
故郷はいつも
思い出せない何か ....
色の名前を忘れていく
最初に忘れたのは
花の色を真昼の
それにする太陽
そして、ものまねの月
雨の色を忘れていく
濡れるものとそうでないもの
雲の内側では透明の
感傷にも似た
匂 ....
{注GEKKO=白黒写真印画紙「月光」}に浮かび上がる
曖昧な輝度信号
ほしおり はすぐそこに迫っていた
切り取られた夜空を
暗室の赤い光に積もらせ
あまりにも遠すぎて
おぼえきれない思い ....
走ることは
ほんのすこし
歩くより早いだけで
大地に触れる回数は
結局少なくなってしまう
走るということは
触れないということか
月はやっぱり見えなくなる
世界から消えようとす ....
闇の中で抱きしめる
体温だけを信じられるように
つまり、それはそう
あなたを想うだけで
私はどんな場所でも
世界の果てにすることができる
孤独は誰かを欲しいと感じる気圧
星だっていつ ....
お茶缶が気になる
どうしてこれはお茶缶なのだろう
素材や意匠は自由だ
そう、自由なんだ、自由すぎるぐらいに
ひとつだけ重要な事は
茶葉が入っている、と言うことだ
....
道の先をいつしか
岬と呼ぶのでしょうと
白い幾万もの手が
砕けては戻っていく
届かない場所に
北端という称号を与えて
みんな満足して
羅針盤の声を人は夢に見るのです
根無 ....
名前を呼ぼうとして
ことばに拒絶される
あなたのくちびるなのです
だきしめたいのは
いえ、むしろ
ことばでは居られないから
そばにいて感じたい
あなたのおこす幽かな風まで
....
カップ酒飲みながら描かれる似顔絵を横目に
不忍池にむかって階段を下りる
もう大阪焼きの屋台はなくて
飛べなくなったオオワシが
うずくまって水面を見つめている
上野には
飛ぶ空がないのだ ....
呆然としているだけで流れていくものを時と呼ぶな。わたしたちの
いちばん大きな乗り物は、生まれてきたときの速度を保とうとして
いるだけで、あなたの生き方とは関係がない。冒険せよ勇気を持っ
て自らの ....
水平線が夕日を融かすというので
その仕組みを知りたいと
渡し船を探しに海岸づたいを
西に向かう、それが私たち
綺麗なものばかりを
追いかけてはいけないと
釣り人が忠告したが、僕たちは
綺 ....
世界が希薄になっていく
高い高い、高い場所で
不純な核にとらわれて連れ戻された
綺麗なだけの名前で呼ばれるもの
海は無限のやさしさでとかして
吹き抜ける音や打ち寄せる色だけが ....
暦と呼ぶ刃物で
区切られていく時間
人はやはり
階段でなければ上れない
翼にあこがれるのは
ないものねだり
僕たちはこの与えられた
二本の足で歩かなければならない
登り方は ....
ためらい傷
みたいな三日月
彼方で雲の風紋
ついやされる言葉
私という
熱を届けるため
無数の
海に降る雪
水平線をかき消し
どこにもつもることもなく
....
終わる、と
ただ巡っていくだけのものに
あきらめにも似た終止符を
打ち続けて僕の数直線は
みっともない
姿をさらして
次の巡りを待てないほど急いで
どこに辿り着けた
....
針を含んだ
夜更けのくうきがはこぶ
とおい稲妻の裂ける音
面影のように遠雷
かすかに
(雪を呼んだのかい、それとも)
コートのポケット
握った手は汗ばんでいるか
遙かな遠吠 ....
洋光台から各駅停車の二両目に乗って
寝不足な頭は
昨夜の反省をする朝、七時十六分
このまま終着まで眠りたい
飲みなれない酒を勧めたせいか
君はとっても不機嫌で
なのに君のほんとうを見た ....
自分の名前を
忘れてしまいそうになる
遠いとおい旅路なのです
だけれども
決して忘れない
名前もあるのです
あの月と星をいただく塔の上で
そらに吸い込まれる
ただひとつの呼び名のよ ....
憎しみの中に愛があると
都合のいい性格占いのような
内在する、という{ルビ幻想法=パラダイム}で
あなたの半身を
私は求めてしまった
こうして高原に陣取り
遠めがね ....
ビジネスホテルの一階の
回転寿司屋で黒人さんの握った
トロのしゃりがあまりにも真っ白くて
私は奥歯で笑いながら
虎を溶かして作ったバターを思い出す
たしか、色素の抜けた太めのコックが
伝統 ....
旅程、 それは
気体としての体の呼び名
約束は山嶺のむこうで
鼓動が、 「遠く」と嘆く
あなたの住む町に
なごりを凍らせて
肌の温度で流れ出す
液体としての心
はるか、 はるか ....
眠りに落ちると
いつもそこは凍夜
誰にもじゃまされず
暗闇を独り占めする
外ではひどく激しい気流
雲で空に恨み言を描き付けて
あのころって、いつだ?
わたしたちって、 ....
私が眠っている 界の隙間で
空がどんなあくびをしているか
そんなことが知りたくて
目を覚ますと、忘れてしまう
後頭部に焼き付くような
落日のあの色を
惰眠のみやげにしようと
まぶたに ....
今日は丸い椅子には
座りたくなかった
道を失いそうなときには
肘掛けはついてなくて
それ以上はないというくらい
角張った椅子がいい
座るという緊張感が
癒されてはいけない
立っ ....
かおるさんのたりぽん(大理 奔)さんおすすめリスト
(156)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
月への糸電話
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たりぽん ...
自由詩
11
07-4-19
錆びた風を紡ぐときの浜辺で
-
たりぽん ...
自由詩
17*
07-4-13
ひとりぼっちに、ならないように
-
たりぽん ...
自由詩
16*
07-4-4
季節にとかして
-
たりぽん ...
自由詩
18*
07-3-30
月のように生まれることもなく
-
たりぽん ...
自由詩
12*
07-3-26
地下鉄十六番出口から
-
たりぽん ...
自由詩
13*
07-3-21
駅・函館
-
たりぽん ...
自由詩
10*
07-3-11
桜、わすれていく
-
たりぽん ...
自由詩
25*
07-3-3
ほしおりの、そのときに
-
たりぽん ...
自由詩
12*
07-2-28
それとも指輪の刻印で
-
たりぽん ...
自由詩
17*
07-2-21
握りしめる闇、ねじれた雨
-
たりぽん ...
自由詩
14*
07-2-17
お茶缶についてのひと巡り
-
たりぽん ...
未詩・独白
8*
07-2-12
羅針盤は故郷を知らない
-
たりぽん ...
自由詩
9*
07-2-12
旋回、なにかの輪郭のように
-
たりぽん ...
自由詩
14*
07-2-7
駅・上野__(79/07)
-
たりぽん ...
自由詩
12*
07-2-5
踊るとすれば輪舞、できれば砂漠の真ん中で
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たりぽん ...
自由詩
15*
07-1-22
野良犬は果実の名など知ることもなく
-
たりぽん ...
自由詩
12*
07-1-15
結晶核、とらわれて
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たりぽん ...
自由詩
15*
07-1-7
切り取られる、暦という名で
-
たりぽん ...
自由詩
11*
07-1-1
三日月、波の背中に
-
たりぽん ...
自由詩
9*
06-12-29
巡礼、あなたの髪の
-
たりぽん ...
自由詩
13*
06-12-26
遠雷の口笛
-
たりぽん ...
自由詩
15*
06-12-25
駅・新橋
-
たりぽん ...
自由詩
12*
06-12-19
誓い
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たりぽん ...
自由詩
18*
06-12-17
【フラクタル・パンドラ】
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たりぽん ...
未詩・独白
10*
06-12-12
駅・五反田
-
たりぽん ...
未詩・独白
13*
06-12-10
旅程、もしくは別の呼び名で
-
たりぽん ...
自由詩
15*
06-12-10
凍夜
-
たりぽん ...
自由詩
15*
06-12-8
目覚まし時計を止めたまま
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たりぽん ...
自由詩
16*
06-12-4
丸い椅子に座りたくなかった
-
たりぽん ...
自由詩
15*
06-11-24
1
2
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4
5
6
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