君は脱ぐ
同時に着る
どんなに脱いでも
君は君の核心から遠ざかっていく
まばゆい光の中
生まれたての姿になり
男たちの暗い瞳でできたプールを泳ぐ
淵に腰掛けていた男たちは
 ....
「ノストラダムスでーす」

玄関を開けると

郵便配達の恰好をした
ノストラダムスが
照れながら立っていた

ああ
今さらだなー
ああ
予言がはずれて恥ずかしいんだろうなー
 ....
ゲリラ兵に捕らえられた僕は
若きリーダーの男に
カラシニコフ銃を渡され
「お前の最も憎い者を打て」と
命ぜられ

超高層ビルの展望台に昇り
望遠鏡にコインを投じ
小さな人達を鳥瞰
タ ....
ヒロシマを忘れるな、と
私はうたわない

ナガサキを思い出せ、と
私はうたわない

アウシュビッツに吹いた風を
私はうたわない

東京のくらい空の波を
私はうたわない

私がう ....
駅のホーム隅のいつも同じ場所に
仙人のような老人が

生きているのか死んでいるのか
疑問に思わせるくらい微動だにせず眠っている

ニュースで流れている
数字だけで表される悲しみは

 ....
 


海に近い砂の丘から
無数の骨が突き出している
かつてここで倒れた巨大な生き物の上に
浪に運ばれたものが積み重なり
石でできた枯れ木のような
蒼白い骨の森を造った
海からの風に ....
洗い立てのシーツに
月のない夜が
鈍く
熱く横たわる

そして
不満だらけの呼吸は
じっとりと洩れる

砂の乾く温度に
少しづつ溶けた
汗は
ひどく絡みつく

そして
 ....
私の葬式がささやかに執り行われ
友人らが久しぶりに集まった
青空には透明な道が果てしなく続き
新緑に人々の喪服が映えて美しかった
一滴の涙も流されず むしろ
想い出を懐かしむ声で
小さな式 ....
太陽は ハルシオンになり
満月の 夜 墓標は
デパスとなる

太陽を つかめ
「酩酊感、王冠を 被れるよ ピカピカの 脳 睡眠障害の 王者
逃れられなくなる 昔は 一杯いたのにね 

 ....
それを少女は 
みなに内緒にして
草むらのなかを
さがしていたんだ

川につらなる
あたらしい蜘蛛たちは
糸に針とえさをつけて
釣りをしていたり

雲のなかでは 
ニンジンをぶら ....
ムイテモ
ムイテモ
薄皮の内に私が笑う

ステテモ
ステテモ
捨てているのはやはり私だ

美しく
咲くやもしれぬ蕾を千切り
残酷な子供がするように
一枚 一枚
私を剥いて捨てた ....
気がつけばいつも
君はそこに立っている
君は待つ
遠くに地鳴りを聞きながら
まだ秋には早い日
目の前をつうっと
赤とんぼが通り過ぎていく
同じ高さにある地平線を目指し
旅立っていっ ....
刈り入れ、葉、枯れ

わたしたち。   

貧窮は カタカタ  呼ばわる
明るさについて。

茎が折れ、そのあたりを、
嗅ぐ。     鼻孔、ひらき、
足も萎え、
何度もなぐられた ....
老人の 頭を 抱いて
ヒッチハイクに 行こう

躁鬱の 女の かつらを
すすりながら
漢字検定を 受けよう

海辺の 見える
「なすがすべき」道へと

糖尿の 男の 服を着て
降 ....
時として君は守り
時として君は攻める
けれどどんなに敵陣深く切り込んだとしても
君は君以外のものに成ることはできない
時として捕虜となった君は
先程までつかえていた君主に刃をむける
 ....
土壌は 成り立っている
侍の 黒人が
割腹すれば
唖の 女たちが
膿を 持って

現れる

残酷は 紙片であろう
粉々に 引き裂かれた
丸い  新聞紙
球体に したのは
黒人の ....
僕はきっと虫なのだと思うありふれた夜。

その理由はいくつかあるのだけど、つまりそれは虫であるはずもない僕の外見からは想像もつかない。たとえば横断歩道をわたろうとするとき、わき腹のあたりがむずむず ....
白くふちどられた白の中で

僕は病身だった



看護婦の中の

とびきりのセクシーは

ボタン一つで僕のベッドにやって来る


赤い口紅

赤いマニキュア

 ....
腕から生える腕
腕から生え他の腕に潜る腕
すべて腕
てのひらの無い腕
てのひらだらけの腕
今日の天気は腕ときどき腕
ところによりにわか腕
という天気図を指し示す腕
腕そば一丁、腕大 ....
何を忘れたかったのだろう
街に一つしかない小さな駅で
男は窓の外に向かって手を振った
無人のホームでは鉢植えに植えられた
カモミールの花がゆれるばかり
やがて男を乗せた列車が発車すると
駅 ....
「かえして、ねえかえしてよ、あたしの世界。」
ばらばらになったのは、
あの日、
窓から自分の身体を放り投げたのは、
わたしたちという、世界そのものである。

あなたは、
蓬髪をさかだてて ....
ある日
自動ドアの前に立ったら

開かなかった

押しても引いても
やっぱり開かなかったので

慌てて君を呼んだ

ちっとも開いてくれないんだよと言いながら
二人並んで立ってみた ....
時を刻むより他に
自分にはすべきことがあるんじゃないか
時計は思った
けれど何をしようにも
手も足も出るわけがない
ただ柱にぶらさがって
そこはそれ時計の悲しい性なのだろう
正確 ....
雨晴れの街路を背広姿の男が歩いていた
身体の半分だけが墨汁を被ったように色濃い
彼は傘を持っていない
横脇に並ぶデパートのショーウインドー
アーチ型の小さな雨除けは
全身を雨滴から守るには不 ....
ムーニールーがありんこを相手取って
裁判をしているころ
お日様は林檎を
真っ赤に染めて
林檎はムーニールーに食べられるのを待っている

カタツムリが雨の中
小さくくしゃみしたけれど
ム ....
The Boys On The Rockさんのおすすめリスト(358)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ストリッパー- たもつ自由詩2305-7-21
照れるノストラダムス- jei自由詩805-7-20
機械人間膺懲せよ- kw自由詩4*05-7-20
メロディ- umineko自由詩8*05-7-19
肥溜の中から産声を- みもる自由詩4*05-7-19
調音- 木立 悟自由詩1105-7-19
- ゆり自由詩105-7-18
昇天日和_(2005.7.18)- 和泉 輪自由詩3105-7-18
太陽と月の中毒者- 奥津強自由詩305-7-18
「トレードマーク」- プテラノ ...自由詩9*05-7-18
ツバキ- スプート ...自由詩4*05-7-18
ゴールキーパー- たもつ自由詩1705-7-18
麦畑- るか自由詩27+05-7-18
なすがすべき_海辺の_町- 奥津強自由詩305-7-17
金将- たもつ自由詩805-7-17
世界- 奥津強自由詩205-7-17
僕はきっと虫なのだと思うありふれた夜。- ベンジャ ...自由詩23*05-7-16
時の神はセクシーなり- jei自由詩505-7-15
すべて腕- たもつ自由詩1905-7-14
七人の男(手を振る男)- たもつ自由詩41*05-7-12
こころみ- るか自由詩16*05-7-6
自動ドアのこと- ベンジャ ...自由詩9*05-7-6
時計- たもつ自由詩3205-7-4
横断- kw自由詩3*05-7-4
ムーニールー- ふるる自由詩35*05-6-17

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