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8センチ隣でただしく眠ってる、きみに呟く「死のうか」なんて。
どうしても受話器ごしでは無理なのね いっしょに歌う、そんなことすら
この夜のふかいとこにきみがいて ....
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ただただ白い部屋で
打ち寄せる雨を聞いている
恋人は壁に向かって立ち、
このキューブに広がる柔らかな影だけがわたしの在りかで。
降り続く水分を
冷えきったグラスに ....
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せかいを美しくみるために
そっとプラグを挿す
あなたが指を動かすたびに
さざなみのように細やかな電流、
わたしの両腕を駆けていく
好きな言葉の感触は
「かん」から始まる ....
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縦にいっぽん白い線のはいったおなかが
すこしずつふくらんでいく春です
わたしの下着が汚れずにいたから
とてもとても不安でした
赤いものを疎ましく思っていたはずが
今はほん ....
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見上げたらいつでも多角形の空がある
やらかくなっている陽に俯き
切り揃えた前髪の、ちょうどその先端に
昨日の憂鬱を集めている
いつでも後悔は白い波のようで
自分を傷付ける ....
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海の
低く濡れた海の
あなたの声より低く濡れた海の
さよならなんて言い出したあなたの声より低く濡れた海の
掠れた海の波の
途方もないたくさんの囁きたちが
あした、砂浜に降っ ....
わたしが今まで付き合ってきた人、ひと
みんなやさしい人だった
だからわたしはいつも
好きなタイプを訊かれると
「優しい人」と答える
きみはとても意地悪です
わたしの手が冷たいと ....
{引用=
健全に降り注ぐ真白な陽差しの中
(それは、きらきら きらきら)
色をすくいだそうとしているわたしの手は
とっくに諦めを知っているのです
ハレーション起こした空色みたいに
....
{引用=
飲まなかった眠剤を
ひとつぶ ひとつぶ
湿った土に埋めて
紫がかった芽が見えてきた朝から
八年間くびをそのままに待ち続けたら
柿がなる
たわわに実る柿の実は
わた ....
{引用=
そんな言葉には
騙されないよという彼がいて
だから私は
ああ
こんな言葉では
信じてもらえないのだなと笑って
求められているのは
私の本質だろうか
生き方だろう ....
{引用=
波に揺られているのがあたりまえでした
足が地に着いていたことなど稀で
たくさんのしあわせに濡れては
なんて、寒いんだろうって思っていた
あなたがとてもかなしそうで
....
いままでありがとう
と
おとうさんに言った真昼に
わたしの咽を埋めていた錠剤の苦さは
冬の海のように痛かった
泣かないで、いこうって
そう決めて勝手に決めて自分で決めて
眼を閉じて大 ....
屋上で風をみていた君とわたしの背中には羽が生えない
望んでいないところに種は蒔かれない
潤いなどない足の付け根にいつも息を吐き出す他人には
顔がないものだから頭のなかで君の眉間のしわを貼り付けて ....