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引っ掻き傷のような雨に
ふやけていく街の輪郭を
見ているようで見ていない
雨のまにまに
彼女の打算

蒸留水のような嘘が
グラスのふちを伝うのを
見ていないようで見てしまう
雨の ....
なんでもない休日の
中間点からおよそ50歩ほど
家に近づいたあたりで
やっぱり雨は降り出した

ありきたりの舗道を
無邪気に塗り潰していく雨粒
いつだって間が悪い僕は
もちろん傘な ....
なぜ詩なのか



面倒臭くて つい
手軽な言葉を投擲してしまった
口淋しくて つい
甘ったるい言葉を咀嚼してしまった

<優しさ>の優しくないアクや
& ....
喜びが
駆け出していった方向を
振り返る

用心深く植えつけた
日々の暮らしが
そよいでいる

怒りが
駆け出していった方向を
振り返る

自分の窪みに貼りつけた
絆創膏 ....
まどろみの風下で
アミメキリンの夢を見た

縁側の木漏れ日の
網目をかいくぐって
鯨偶蹄目キリン科の
枝先に腰掛けていた

うたたねの岸辺で
アミメキリンの夢を見た

首を長 ....
それでも君は
真正面に瞳を据えて
行く手を遮るものに
立ち向かうのだろう

恨みもせずに
拗ねもせずに
飽きもせずに
前へ進むことだけを
考えるのだろう

降り注ぐ光のままに ....
待ちぼうけのカフェで
冷めかけた紅茶をもてあそぶ
スプーンのあてどなさ

間延びしたリビングで
戴き物のゼリーをふるわせる
スプーンの退屈

行きつけのファミレスで
カツとカレー ....
軽やかに街を吹き抜ける風が
まことしやかな君の噂を
僕の耳元で囁いていく

騙し絵もどきの日常の水路を
予定通り流されながらも
まだ僕はなくした鍵を探している

散り終えた季節に
 ....
頑張ろうと
肩にばかり力を入れても
腰はひけている

仕方がないと
諦め顔で薄笑いを浮かべても
目は出口を探している

雨のような運命を
受け止めるのは
傘ではなくて腹の真ん中 ....
少し前から
気づいてはいたけれど
僕のナイフは錆びている

もうリンゴの皮すら剥けないし
エンピツを尖らすこともできない
誰かの心を抉るどころか
靴の踵にこびりついた昨日を
こそげ ....
ふるら

ふるり

舞い落ちる
薄紅色の憂鬱に似たもの

らるら

るるり

鼻先で笑う
どちらの岸にも辿りつけないもの

うるら

うるり

降り注ぐ
乳白 ....
いろいろなものを
誰よりも多く掴もうとして
硬くなってしまった
てのひらの
欲張りな力を
少しずつ緩めてみよう

うっかり掴み損ねたものは
そのまま放っておけばいい
本当に必要な ....
ウマウアカの谷に
春が来たよ お嬢さん
ウマウアカの谷が
歌っているよ お嬢さん

聞きかじったフォルクローレが
頭の中でループする

空を突き刺す白い山脈の彼方から
響いてくる ....
君は
ひとつぶ

哀しみを
螺旋構造に宿したまま
この世に零れ落ちてしまった
ひとつぶ

君は
ひとつぶ

喜びの
光にくすぐられて発芽し
言の葉の二葉を広げてしまった
ひ ....
再び歩き始めるんだ
膝を抱えてうずくまった場所から
行き先なんて確かめなくていい
立ち止まった自分を責めなくていい

pauseを解除するんだ
内なる声が途切れた位置で
イン ....
どこまでも続こうとする坂道
喘ぎながら

繰り返される独り言のような呪文
聞きながら

やみくもにしがみついたあなたの背中
眠ったふりしながら

安いおしろいに混じった汗の匂い
嗅 ....
ギザギザの
気温の折れ線グラフの
端がほつれて
光の縦糸が
眠たそうな家並に
垂れ下がる

カチカチに
凝り固まった表情筋の
端がほつれて
微笑の横糸が
路地裏の野良猫を
追い ....
ゾロリ
色のない
貧血の頬を
滑るカミソリ

ピリリ
痛みのような
微弱電流

プクリ
鼻の左下
盛り上がる
赤い液体

チッ!
煩わしいだけの
日常茶飯

ゾ ....
いくつめかの丘の上で
目から流れ落ちる汗を拭った
いったい誰のための汗なのか
そんなもので救われようと思ってる
自分がちゃんちゃら可笑しいよ

勾配の緩やかな所を
選んで登ってきたは ....
しっかりと背筋の伸びた
背中を想い出す

負けず嫌いで前のめりな
背中を想い出す

スーツの ジャンパーの
似合わないポロシャツの
背中を想い出す

ブレない 振り向かない
 ....
るん

光が
さえずってる

北風に耐える
常緑樹の
尖った指先の上で

るん

光が
うわずってる

北風を壊す
自転車の
忙しないスポークの間で

るん
 ....
北東の隅にある茶色いシミは
無鉄砲で幼いエネルギーが
やるせなくせり上げた僕の山脈

山肌に滲んだ汗と涙は
入り組んだ等高線に弄ばれながら
諦めに良く似た水色の帯となり
 ....
浜町で地下鉄を降りたら
明治座を背にして
とっぷりと暮れた
甘酒横丁をまっつぐ歩く

人通りも疎らな通りを
吹き抜けていく北風が
飼い馴らしたはずのひとりぼっちを
カ ....
だきょう
だせい
どんづまり

1366×768ドットの檻の中で
ゆうゆうと座り込んだままの
気障な行分け文章

だみん
だつりょく
できそこない

TFTカラー液晶の眩い ....
低いほうへ
もっと低いほうへ

流れていこうとする本音を
どうしたものかと
眺めるばかりの今日この頃

後ろ向きは
好きじゃありません

斜め上45度に向けた建前を
たまに誤 ....
青空に顔を向けて
無邪気に咲いた早朝
陽射しが眩しすぎて
不甲斐なく萎んだ午後

無力を思い知って
力なく項垂れた黄昏
もう夢なんか見ないと
突っ伏して泣いた真夜中

花が落ち ....
吹きすさぶ風に
みがかれて
凍てつく水に
すすがれて
透き通ってしまった
哀しみは真冬の
背骨に宿った

遠ざかる空に
みはなされて
優しすぎる光は
とどかなくて
行先すら ....
とにかく
兎に角
せっかく真っ新なのに
相変わらず後ろ向きだけど
お粗末な背面跳びで
何かを飛び越えていこう

とにかく
兎に角
せっかく明けたのに
相変わらず手探りだけど
 ....
草食系だと
もてはやされたり
馬鹿にされたり

その度に
膨らんで青空を目指したり
萎んで地面に貼りついたり

そんな僕は
サヨナラも言わずに
強制終了された恋を
いつまでも ....
吹き荒ぶ呼吸と
高鳴る鼓動を
つなぐ

乱れ打つ靴音と
待ち焦がれる指先を
つなぐ

縋りつく汗と
呼び寄せる声を
つなぐ

欠け落ちそうな意識と
託された背中を
つな ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
まにまに- nonya自由詩16*11-6-4
雨_雨_フレフレ- nonya自由詩13*11-5-29
詩なのか- nonya自由詩19*11-5-22
喜怒哀楽- nonya自由詩17*11-5-8
キリンの夢- nonya自由詩20*11-4-30
涼風- nonya自由詩13*11-4-27
スプーン- nonya自由詩15*11-4-23
葉桜- nonya自由詩19*11-4-20
覚悟- nonya自由詩11*11-4-16
ナイフ- nonya自由詩16*11-4-12
ふるら- nonya自由詩15*11-4-9
てのひら- nonya自由詩17*11-3-29
ソング_・_オブ_・_インディオ- nonya自由詩15*11-3-26
ひとつぶ- nonya自由詩14*11-3-21
再出発進行- nonya自由詩8*11-3-19
柔らかな化石- nonya自由詩15*11-3-5
ほつれる- nonya自由詩22+*11-2-27
- nonya自由詩14*11-2-22
丘を越えて- nonya自由詩10*11-2-16
背中- nonya自由詩16*11-2-11
るん- nonya自由詩14*11-2-8
ボンヌ図法としての僕- nonya自由詩16+*11-2-5
- nonya自由詩17*11-1-29
3D- nonya自由詩12*11-1-22
ぬらりくらり- nonya自由詩11*11-1-18
落花生- nonya自由詩20*11-1-13
- nonya自由詩19*11-1-8
とにかく- nonya自由詩8*11-1-5
ピーターはラビットにはなれない- nonya自由詩19*11-1-3
つなぐ_〜箱根駅伝によせて〜- nonya自由詩6*11-1-2

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