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舗装された過ぎた道路は西に伸びる
隠された向日葵の種は
次はいつ芽吹けばよいのかと
首をかしげ
夏は立ち尽くしている
都会育ちの猫は
酷い体臭を払い除けながら
夜を寝床として
彼の恋人 ....
読み違えた時刻表と
溶けるような蒼さ
誰にも触れられないまま
街を逃げる
此処は誰にとっても何処でもない
気が付けば
喋らない受話器を静かに置いていた
ミシンで縫い付けた ....
日記帳に日々を組み込む
折れた紫陽花の花々が朝露に香る
雄弁に人々の虚ろな影を語る気がして
気が付けば真夜中
退屈が織り成す誰にも見えない戦闘服で
エアガンを撃ち鳴らす少年
飛び立つ鳥 ....
かたく閉じた両耳が震えた
ぐらつくほど景色は紅く燃え
わたし舟、かすかに揺れた気がして
しばらくこのままでありたいと
きえゆく視界に願った
なまえには最初から意味なんてないんだろう
つ ....