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悲しくなって遠吠えすると
風に乗って
色んな場所から返事を貰った

風が生まれるならそれは掌からだ
水面に翳すと波紋が囁き 
耳を澄ませばラピスラズリが唄う
冷たい指先で声を拾って
廃 ....
うにゃーとか
ごろにゃんとかで生きてみたい
そう云うあなたはナマケモノ



ハイエナが
悪者だなんて酷すぎます
一生懸命生きてるんです



ラブレター食べさせられても困りま ....
風邪をこじらせて肺が重くなった

冷たいシーツの端を
そっと爪先で手繰りながら
冬眠するみたいにとぐろを巻いた
暗い明日の叫びを
遠い意識で聴きながら

目が覚めたらシマウマだったので ....
答えの見つからない黄昏は
何も語らず海に呑まれた
わたしはハルシオンを含んだまま
冷たい駐車場で{ルビ瞼=メ}を閉じる
柔らかな夜風が
アルコホォルの香りを運び
弛緩したピアノ線が
わた ....
夜、
左の肩甲骨に
小さな傷が生まれた
羽根でも生えてくるのなら
わたしはきっと毟り取ろう

朝、
柔らかい霧雨が降ってきて
わたしは傘を捨てた
強く責めるなら抵抗もしたけれど

 ....
あと二回満月に逢えば
わたし、ひとりと眠る

僅かに欠けた月を眺め
煩雑な世界に目を瞑り
生きて死ぬことだけを考えた
それからカァテンレェスを畳んで
大洋に堕ちる一滴の雨粒のように
短 ....
{引用=よだか、かあいそうよう
かわうそうよう}

四歳のわたしは協会で泣いた
よだかを想って泣いた
かあさまが牧師様に頂いた絵本を
わたしは涙でくしゃくしゃにしてしまった

十八歳は ....
兄の背中を見ながら
考えた

大きな体を丸めて
窓際の席でひとり頷きながら
形のいい耳に
壊れかけたヘッドフォン
六法全書をいちページ捲る毎に
くるっとマーカーを回す

デスクトッ ....
{引用=僕がチャーくんに出会った頃は
魚が飛んでいました
鳥が泳いでいました
月が溺れていました
太陽は寝ていました
僕の世界は笑うことを知りました


初詣に行く前に
チャーくん ....
暗闇を優しいジンベイザメが支配する
捉らえた僕の手首には
哀しいくらい初々しい、空色の首輪
この手首には大きめで
あの首には小さめで
幼い僕らに少し硬めなレザーは
拙く祈る永遠を拒絶する
僕らが飲む薬 ....
老いた驢馬はゆくりゆくりと歩む
赤茶けた泥濘に蹄は重く
驢馬の道程に気紛れな心が曲線上に見える


{引用=黄昏時に直線は 物悲しいと私は思うのだ}
老いた犬が老いた驢馬に並び
二つの足 ....
アリクイが逆転サヨナラ満塁ホームランを打つ
そんな夢を見た
飛び起きて冬の早朝に町へと繰り出す
目覚めた僕は豚になった気分で震えていたのだ

廃れ逝く町で
々、ような毎日で
退屈な僕は小 ....
その昔
まだ名前も与えられなかった頃
僕に
綺麗なモノの綺麗さは届かなかった


1

深い山の奥底で
熊の子供が眠っていた時
その兄は僕が殺したのだった
子供の寝顔に銃声は似合 ....
戦後まもなくだろう、
捨てられたガスマスクが
赤黒い錆を纏って
川の中で佇んでいる
傍らに
まだ新しい
マイルドセブンが沈む
ささくれのある人差し指で
水面に
彼の鼻先に
つぃ、と ....
俺らは
先生がもうすぐパパになるなんて知らなかった
九日は先生休みで
生物の時間潰れちゃって
そしたら代理の先生が教えてくれて
どうしようもなく慌てちゃってさ
どうするどうするって
別に ....
僕には
愛の密度が足りていない
あの日
深海に落とした欠片が
隙間風を招き
iは
破れた質量を繕いながら
失った体積を埋めるため
きぃきぃと泣いている
錆びた窓が
風に揺らいで開い ....
{引用=357番の札をお持ちのお客様ー}


はい、睡眠口座の開設ですね
定期預かりにしますか
普通預かりにしますか

はい、普通預かりですね
いつでも定期に変えられますから
定期の ....
走れるさ
雪の重みに挫いても
蕗の塔の芽を食べて

君の影は
今宵も
心の奥深くに染みを創る

けれど

足元に絡む挫折や
喉元で唸る鳴咽も
蹴散らして、いける

あぁ
 ....
猫の眼を通って
新しい時空を覗き見る
混沌と静寂のメゾピアノ
僕の着地点が
其処に、在った


色々、ありました

とてつもなく
大きな罪を犯しました
あるいは
一番星みたく
 ....
美しき祈りを閉じ込めた
真っ赤なラズベリイケーキ
香り高きダージリンと
華麗なマリアージュでおもてなし

閉じられた心の隙間から
届けましょう
甘酸っぱい愛と鮮やかな赤、
そして祝福に満ちたカノンの調 ....
僕は犬です、わんわん
しがない犬です
一度主人を失いました
僕はもう仔犬ではなかったから

僕は犬です、わんわん
しがない犬です
先日野良の一員になり
金属に怯えるようになりました
 ....
掌で
容易に潰せる
小さく脆い
夢ですが

いつか
大きく強く
羽ばたく日を信じ
輝きだけは
失くしません

千羽揃えば
きっと

きっと
{ルビ御月様=おんつきさま}が
どれほど 偉大か、
気が付いたのは
絶望の重みに
耐えられなく
なった 夜道 
十字路にある
自動販売機の
灯 だけが
ユメを見せてくれた

そ ....
「太陽は暴力だ。
冷房の効き過ぎた教室で
あたしはカーディガンの袖を食みながら
前方伸身2回宙半ひねり
を、決めた燕の
誇らしげな嘴を 遠く眺めていた

あの、三つ子の巣立ちは
母の墜 ....
僕らはまだ幼かったので
瞼を閉じれば それで良かった

やたら暑かった夏に 背中で別れを告げ
昨日と明日の狭間で 浅い夢をみるまで

蚊取り線香が目に染みて
瞼を閉じれば 全てが無だった
孤独と
孤立、の構造って
多分
光学異性体 みたいなものね』

台詞を、
あっさりと置き去りにした彼女は
いーちゃんって 鏡ね』
と、評して
孤独を携帯に写し取った

最 ....
《お気に入り》
っていうのは、
一体どういう位置関係なのだろうか」と
一昨日の三限目から
ずぅっと、
悩んでいます

曖昧さが愛しくて
不完全さが憂鬱で
もどかしさは
白鷺の歩みの ....
冷凍室に閉じ込めて
そっと 耳を寄せたりはしない

腹を裂き眼球を抉り
死なない形を創り上げて
寂しさを 裏側に貼り付ける

夜中の静けさが
硝子玉した眼に暗い光を燈すと
怯えた幼児 ....
1
光の棲む場所に立てた、
煉瓦の墓標は
あの子の水晶体の
最期の反射によく似ている

2
朝日がなぞった煉瓦の質感は
どこか罪悪にも似た
紫陽花の萼の如き裏切りの反芻で ....
梅雨入りの雨に打たれながら
掠れた音しか生まない喉で
ひとつ、
溜息を落としてみた
折畳み傘の骨が
海月みたく歪んで、溶けて
僅かばかりの猫背に
充分な質量を含んだまま
重く冷 ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
遠吠え- 士狼(銀)自由詩12*07-2-9
たまには炬燵で寝たいんです- 士狼(銀)短歌21*07-2-6
白黒写真(シマウマ)- 士狼(銀)自由詩10*07-2-3
春紫苑- 士狼(銀)自由詩10*07-1-29
傷口から羽根- 士狼(銀)自由詩23*07-1-24
しっぽを掴む- 士狼(銀)自由詩10*07-1-17
夜鷹- 士狼(銀)自由詩7*07-1-13
- 士狼(銀)自由詩9*07-1-9
永訣の朝に思いを馳せる- 士狼(銀)自由詩12*07-1-1
お揃いの首輪で繋がってたいよ- 士狼(銀)携帯写真+ ...606-12-22
曲線と直線/ゆくりゆくりと、ふたり- 士狼(銀)自由詩9*06-12-13
アリクイは何処だ- 士狼(銀)自由詩6*06-12-6
狩人- 士狼(銀)自由詩7*06-11-27
戦後の遺骸- 士狼(銀)自由詩13*06-11-20
メンデルちゃん- 士狼(銀)未詩・独白1106-11-20
海月の密度- 士狼(銀)自由詩5*06-11-17
睡眠バンク- 士狼(銀)自由詩9*06-11-13
愛しき日々に−手紙−- 士狼(銀)携帯写真+ ...906-11-10
終着点は、未だ遠く- 士狼(銀)自由詩7*06-11-3
深呼吸の時間- 士狼(銀)携帯写真+ ...8*06-10-24
赤い首輪が外れなくって- 士狼(銀)自由詩9*06-10-9
銀鶴- 士狼(銀)携帯写真+ ...9*06-10-1
真夜中の光合成- 士狼(銀)自由詩8*06-8-11
後るれば、月で逢ふ約を違はず、- 士狼(銀)自由詩12*06-7-27
僕らは_まだ幼かったので- 士狼(銀)携帯写真+ ...11*06-7-9
孤独の必然性- 士狼(銀)自由詩7*06-6-30
林檎と無神論者- 士狼(銀)自由詩7*06-6-24
剥製の眼- 士狼(銀)自由詩11*06-6-18
煉瓦を積んだのは朝日に知らせるためではなく- 士狼(銀)自由詩8*06-6-9
雨錆- 士狼(銀)自由詩9*06-6-8

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