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私の青い記憶は、押入れの中で眠っていた。
何年もの間、私自身がそれを忘れてしまっている間も。
ひとつふたつ手に取って、
撫でてみたり、裏返してみたりするのだけれど、
どうも、まぶされた埃に鼻腔 ....
子どもの頃、夏はいつも眩しかった。
川の源と深い緑、僕の生まれ育った町は山あいにあって、
寒さの厳しい分夏は涼しく、
台風も滅多に訪れない、そんな所だった。
山の一呼吸とともに、夏はやって ....
恐いんだな。僕は。
3年前、知り合いが死んでしまったんだけど、
それは何の前触れもなく。
僕は彼の顔も覚えていて、
いい人だったことも覚えているから、
ただ、なんで、と思った。
僕の体 ....
あった方がよかったのか
なかった方がよかったのか
考えはじめると夜を越えてしまって
ますますひどい顔になる
手と足があって
布団の中でいつまでも冷えている
眠気を待ちながらすりあわせて ....
今日はたくさんある荷物の
買い物袋くらいのが下りました。
少しだけ生き返りました。
たぶん熱を出しました。
気付いたら夜だ。
久しぶりに
何だかずいぶんとうまくない夕食でした。
頭が痛く ....
声に出して言えば
欲しいとか 欲しいとか
そんなんばっかりになってしまうから
どうしたって
君の事 深く
切ってみたくなるだろうから
嘘ばっかりでいい
音楽とか
洋服とか
そうい ....
泣いているのはあの人である
公園の日陰にあるベンチに腰掛けて
遠い目をしていた いつか
ずっと昔心を寄せた人の事を思い出していたのか
それとも。
その乾いた細い指の触れてきた道程を
僕が知 ....
旅先の朝はいつも
どことなく空々しくて
慣れた町のそれより音が少なくて
まるで耳鳴りのように迫ってくるもんだ
僕は重たい体をゆっくりと起こす
さすがに他人の蒲団じゃそんなに眠れないな
....
閉じる
今日が終わったら
とりあえず雨音の中で
夢を見よう
出来るなら昨日の続きがいいな
懐かしい人が居た
閉じる
今日が終わったら
とりあえずいつものように
明日が来るまでは
....
朝、ベッドの脇置きっぱなし飲みかけのコーラは
君が捨ててしまったみたいで
だけど君は相変わらず何も言わないから
あれは静かにただ流れていっただけなんだな
淋しく吸い込まれて
どこへ行けるでも ....