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その日の激しい夕立で
空の埃も洗われて
静まり返る夜の水面に
ゆらゆらと揺れる月

僕らはそのずっと下
仄暗い水底の上
その薄明かりの中
沈んだままで抱き合って
水の中の密室で
唇 ....
ふたりで
ずいぶん夏を歩いてきたね

波打ち際を振り返ってみると
たくさんの足跡が打ち上げられていて
見えないところまで続いている
きっと想い出になる時がきたら
一斉に海に帰ってゆくんだ ....
青信号の点滅
ギリギリで間に合わない
そんなことは
わかっていた

でも、
君と一緒なら構わない
そう思った

絶望的な結末
それでも今は構わない
君と一緒なら、たとえ
赤信号 ....
疲れ果てて
色褪せた
繁華街の朝を通り抜け

ガラガラの電車の
ドアのすぐ側の席に座り
手すりに頭を預けたまま
揺られる

 満員電車とすれ違うたび
 何かが足りないような
 そ ....
      絶望的な希望の唄を この世の果てで口ずさむ


崩れかかった廃墟に囲まれ 頭の中で鳴るメロディー
今にも消えてしまいそう

虚ろな偽の灰色の瞳は 透明さを無くしたガラス
自分 ....
ひこうき雲が落ちた先の地平線の向こうではきっと
沈みかけの太陽に墜落した機体が静かに焼かれていて
壁の端のほうに逆さまに貼付けにされたヒグラシは
僕らを横目にそんな空を見下げながら一日を嘆いてい ....
夏空の青色は完璧な色をしているが
綿菓子になり損なったみたいな
散らばりかけた残念な雲が広がって

夏の始まりからその陰に隠れていた
終わりがそっと顔を覗かせている

木蔭には脱皮に失敗 ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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