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本当のかなしみを知るひとは
かなしみのあり様をあれこれと邪推せず
涙で濡れた手のひらにあたたかな眼差しを重ねてくれる



本当のかなしみを知るひとは
ひとの過ちをあれこれと論ったりせず ....
働くってことは
否応無く押し付けられた役柄を演じること

食品会社に勤めれば
賞味期限の記されたシールを貼りかえる日々
罪の意識など三日で消えてしまう

コールセンターに勤めれば
クレ ....
口ぐせになっている
おとなも
こどもでさえも
何かと言えば口にする

死ぬほど頑張ったのか
どれだけ努力したと言うのか

口にすればするだけ
逃げていってしまうものがある

それ ....
声にならなかった
あらん限りの力を込めたはずなのに

例えばそれは
孤島に取り残されたおとこがひとり
遥か水平線に見え隠れする
船影を
蜃気楼だとはなから諦めているかのように

もし ....
心が抜けてしぼんでしまった
わたしの身体に
あなたの息を吹き込んで
ちょっとあたたかな
ちょっと煙草臭いあなたの息を
自分までもが赦せなくなった
あの日から
わたしはわたしじゃ無くなって ....
あなたが大人買いした
その食玩達は
誰もが寝静まる真夜中
遠い国の鳴き砂に耳を澄ます


肺の奥まで吸い込んだ
着色顔料の青色は
どこまでも鮮やかで
いつまでも少女の心と身体を蝕む
 ....
逢いたやあなたと浜千鳥
緋と思しき爪折れは
叶わぬ侭の夢吹雪
いつかなりたや恋女房


待てど暮らせど来ぬ文を
遠い都と香り立ち
揺れる簪 手の鳴る方へ
棗に忍ぶ 恋は霞と


 ....
いつかの君とひたすらに逢いたくて
五線譜に綴ったふたりの情愛の記憶を
休止符に挟んだ花水木の栞で辿れば
蘇る感情の起伏に今も戸惑ってしまう


それは仕組まれたエチュードの調べ
震える指 ....
ふたりは出会う
雛連れの野鴨憩う山郷の水面は茜に染まり
 

  ほら手をつなご
  これから暫くふたりして
  同じ水脈を流れ行くのだから


ふたりのささ舟は
透き通る冬の気象 ....
− 愛は確かに潰えた


  男の心に残っていた僅かな温もりを奪い去る良く晴れた或る冬の日の未明 月光に射貫かれた眠れぬ夜に 愛は国道246号線池尻大橋近くの交差点で潰えた 間断なく走り去るヘッ ....
欲しいものが手に入らないと
やっぱ寂しい


下を向いて歩く冬の街角は
何だか寒々しいな


もうすぐクリスマスだし
賑やかに感じる街角を
ポケットに手を入れて歩く


何も ....
君は寝た振りが得意
わかっていてもウッカリ騙され
今朝もゴミ捨ては僕の役目


君は大人だから
分をわきまえているよね
僕はと言えば歳はくっても
燃える恋と燃えない恋の分別さえ
未だ ....
剥きにくい茹でたまごの殻を
無理やり剥いてやる


ボロボロに崩れた茹でたまごは
僕らの関係と一緒だな
つるんとした君の頬を愛したのは
遠い昔のお伽話
だから
「もう秋だなあ」なんて ....
愛の言葉は砂漠に棲む蛇の肌触り
ガラス片の透き通る
艶やかさを床に滑らせては
汀から細波へ
細波から白ウサギの飛び交う荒波に
感情の姿を次第に変えてゆく。


与えあう愛の軋み。
軋 ....
満月とは中秋の名月
ゆらゆら揺れる水面にて
時と戯れる


満月とは君の面影
苦しい時も笑顔を絶やさず
額の汗をそっと拭う


僕は忘れたりしないよ
君の優しさを


君は ....
男がケンタの二人掛けテーブルに座り
何やら絵を書いている
風体には似つかわしくない童話の挿し絵
雰囲気には似つかわしくない
どこまでも明るく優しい印象の絵


そんな男の斜め後ろで
僕 ....
何だか最近こんな感じだね
ちょっと手を伸ばせば
君の優しさに触れられるのに
何故かためらってしまう


あのゲームと一緒かも
無数の穴凹から僕のあたまは
勢い良く飛び出しては
怯えた ....
夜の喧騒を引き摺るサイレンが
眠りかけの街に時折響き渡り
僕はマイドキュメントをクリックする

そこは船虫どもの巣窟
座礁したテキストの影そこかしこに
船虫どもが蠢いている

僕はそい ....
何故愛は歪むのか

君と僕

互いの人生を粉々に打ち砕き

震える欲望のままに

燃え立つままに

交じり愛

啜り愛

傷つけ愛

彷徨うふたりは愛に震えて

愛 ....
このドロドロした
赤ワインの
澱んだとろみのなかに
君と僕の歪んだ愛のかたち



全ては収縮を繰り返し
この赤ワインの瓶のなかで
絡み合う存在であり続ける事の意味
この刹那
僕 ....
たとえば
君が僕の背後に忍び寄り
両手で目隠ししても
見えちゃうものは見えちゃうよ
君の指先は細くてやわらかいから
ついでにぺろりとしてあげる

隠すから見たくなる
子供には毒って言い ....
今時マニュアルシフトなんて流行らない
二人の行為はオートマチックで
燃えあがる

ハンドルは君の肩
僕がアクセルを踏み込んで
君の肩を軽く揺らせば
甘くさえずる君はカナリアになって

 ....
七面鳥は醜い
青くなったり赤くなったりしながら
肉瘤を伸ばしたり縮めたりする
肉瘤は強さの象徴
弱そうな雄鳥をみつけては
目一杯に伸ばした肉瘤をみせつけてやる

今夜は久しぶりのお食事会 ....
不幸は甘い蜜の味がする。
だから一度でも
不幸を味わうと、その甘美さを忘れられず
毎夜毎夜、
幻覚に捕らわれてしまう。

自分の不幸は蜜の味。

不幸の一滴を口に含んでみる。
初めは ....
真昼の公園で
全身、汗にまみれながら
ジョギングをしている人がいる。
両の手に
ペットボトルを握り締め
汗に濡れ、体に張り付いたランニングシャツから
鍛えぬかれた筋肉の動きが感じられて
 ....
手のひらを包みこむように
五本の指を握り固める
これが拳

ぐっと握りしめ頭上に突き出せば
シュプレヒコール
これは遠い過去の苦い思い出

ぐっと握りしめ目の前に突き出せば
血の雨が ....
よそゆきの言葉を使うのは
僕には似合わない。

それを君は良く知っているくせに
イタズラっぽく僕を転がしては
人差し指で2回ほど僕の額を叩く。

何も出やしない。

僕の尻尾はゆるゆ ....
あれは浮気なんかじゃないよ

可愛い子猫が夜の街角で
人恋しげにニャアニャア泣いていたから
朝までかまってあげただけ

郵便屋さんの行く末なんて関係ないな
解散するなら早くすればいいじゃ ....
13年ぶりの大きな地震があった
あの日の午後
僕は都心にいたから
あわてて君の携帯に電話したよ
でも、何度電話しても繋がらないし
メールを何度送っても返事はこないし
山手線は何時までも止ま ....
まず考えなければならないのは、このフォーラムも官警により管理されている(若しくは、
される危険性がある)という事、そして、その事により管理者である片野さんにご迷惑を
おかけする可能性が多分にあると ....
ノクターンさんの恋月 ぴのさんおすすめリスト(34)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
本当のかなしみを知るひと- 恋月 ぴ ...自由詩42+*10-7-26
働くってことは- 恋月 ぴ ...自由詩28+*07-10-10
- 恋月 ぴ ...自由詩24+*07-9-25
- 恋月 ぴ ...自由詩31*07-9-14
赦すと言うこと- 恋月 ぴ ...自由詩46*06-11-7
五つの星と少女の鳴き砂- 恋月 ぴ ...自由詩16*06-3-4
新宿区「神楽坂」- 恋月 ぴ ...自由詩21*06-3-1
不断(愛のエチュード)- 恋月 ぴ ...自由詩15*06-2-7
冬空の輪舞曲- 恋月 ぴ ...自由詩29*06-1-18
愛が潰えた日に男は自画像を描く- 恋月 ぴ ...自由詩13*05-11-22
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ボイルドエッグ- 恋月 ぴ ...自由詩16*05-9-27
Snake_Eyes- 恋月 ぴ ...自由詩13*05-9-15
フルムーン・フルボディ- 恋月 ぴ ...自由詩13*05-9-10
椰子の実ひとつ- 恋月 ぴ ...自由詩15*05-9-8
もぐら- 恋月 ぴ ...自由詩14*05-8-30
黒い船虫- 恋月 ぴ ...自由詩4*05-8-17
Spiral(螺旋)Act.3- 恋月 ぴ ...自由詩4*05-8-16
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