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ゆるゆるとながれている
今もながれつづけている時間を
ふいにとめた とある春の庭がふたつ
となりあっている
ひとつは住人によってよく手入れされていて
赤いチューリップが笑い
黄色のパンジー ....
テーブルの上で
蜜柑が燃えている
そのふところにたたえた水を少しずつ手放しながら
冷たく燃えている
つやつやとした
ともしび

坊やが食べこぼした
アルファベットびすけっとのかけらたち ....
ライトブルーの空
すこうし白をのせた色
あの色を知っている
埠頭に咲いた可憐な花もまた
無邪気にすみわたって
人の秘密をあらわにさせる
そんな色をしていた
或いは
指を彩る鉱石もまた同 ....
オレンジカクテルの空が
家々のむこうに沈んでいく
どこからともなく飛来した
小さな黒い鳥の群れは影絵
ゆったりと宙に張られた電線に
互いに平和な距離を開けて
つぎつぎにとまれば
みんな
 ....
亡くなった犬が鏡の中から
わたしを見ている
わたしの手のひらに隠している
おいしいものを知っているのだろうか

名前を呼ぶと返事のように尻尾を揺らす
黒い鼻はしっとりと濡れ
いかにも健康 ....
寒さと賑やかさが混然とした師走だった
子どもたちは家の手伝いを請け負う
障子に貼られた紙をビリビリに破ることほど
心躍るものはなかった
 平素子どもたちは無自覚に平凡で暇だったから
洗われて ....
そう悪くないは案外いいことそう思ったら夕暮れている

冬の日にふくらんでいる子雀の友だちらしい人間の子
 
ペチュニアの開花最長記録なり師走はやっとそれらしき風

幼子は空を指を差す飛行機 ....
もうあとは寝るだけ、という段になって
三日月を見つけた
三日月もわたしを見つけた
他者のさみしさに触れると
自分もさみしいということに気づき
それはことばにしてみたら
手にありあまるくらい ....
冬を編む音が聴こえてくると
祈りが近い
夕暮れが愛おしい
(行かないで)
熊ノ森のはずれにあった
馴染みの毛糸屋は
廃業してしまったらしい
けれど
絶望するにはまだ早い

めぐりめ ....
夜に
優しく撃たれて
ひとり、またひとり
人は
優しく死んでいく
夜に
まだちゃんと慣れてないから
きみは泣く
これからはじまる長い旅路の
最初に出会った
得体の知れないその不安は ....
 グミ

どうぞ、と差し出された袋のなかには
色とりどりのグミ
お祭りみたいにひしめき合ってる

青いのをひとつ
取り出して
口に入れる前に電球にかざす

ママが言った
海の色を ....
いつもだったら
爪切りで刈り取ってしまうのだけど
うっかりしているうち
それが
ニョロニョロになってしまったので
育てている

明日を思いわずらうなと
私の人差し指の先に生えた
ニョ ....
こしごえさんのそらの珊瑚さんおすすめリスト(42)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
にわくらべ- そらの珊 ...自由詩15*24-4-29
夜のテーブル- そらの珊 ...自由詩7*24-4-13
春はうたう- そらの珊 ...自由詩10*24-3-27
夕刻の五線譜- そらの珊 ...自由詩9*24-3-10
鏡よ、鏡- そらの珊 ...自由詩12*24-1-2
師走雑感- そらの珊 ...自由詩9*23-12-16
夕暮れが早くなる頃- そらの珊 ...短歌5*23-12-3
さみしい夜のぷちぷち- そらの珊 ...自由詩10*23-11-19
もこもこ- そらの珊 ...自由詩10*23-11-17
こんな夜は子守唄を- そらの珊 ...自由詩15*23-9-22
群青- そらの珊 ...自由詩11*23-6-9
ささくれ- そらの珊 ...自由詩11*22-3-26

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