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もろもろの ゆめの
尾をひいて ひろがる
きずぐちを
つぶさに なめながら
たち去って ゆく
ただよって ふかく
抱かれて ひろがり
水となって しかし
すべてを忘れ 風の
かなたで あふれる
手をつながない
なかよくしない
月のうらがわを
のぞいても
とびこんだりしない
おんなが なぎさで
砂を かぞえている
いくとせも いくとせも
なみだと 朝焼け色の
大漁旗を まちながら
たがいに ガラスの顎を
つきだして うちあった
なかまたち 言葉はいつでも
致命傷になるから タフネス!
生きていたら また会おう
妖精に ひっこぬかれたとき
となりに咲いていた きみを
ひっこぬいた ひとりでは
こわかったんだ ごめんね
おもいっきり ひっぱたいていいよ
いま すれちがったひとの
顔のうろこが すこし
はがれていたよね なまぐさく
だれしも さむいものを
海に はこぶ途中なんだ
銀杏の枝に 月が
ひっかかって ゆれているから
それとなくわかる 風の道を
じぶんのいない 未来のことまで
しのんで あるいてきた
花瓶のなか
ぎっしり 眠る
胎児の へその
緒のさきに
咲いている