すべてのおすすめ
1
・
閉ざされた
扉の中にふたりきり
彼女もしらない
わたしだけのきみ
2
・
きみの為
何もできないわが身ゆえ
泡となれる
人魚を羨む
....
送電線の下をくぐって
アスファルトの海を
ぼくたちは、
泳いで、
はりめぐらされる
緯度や経度に
足をとられながらも
ひたむきに
日帰りの旅をくりかえす
ねむる前、ときどき
....
ひいた こより
てのなか ふるえてる
だれかの ため
よういされた ことばが
こころのおく ねづく
だれにも したがいたく ない くせに
ひとつのもじ に かんきん されてしま ....
信号機は 信号を発する、真夜中のロボット
イエローの光が 明滅、明滅、明、滅、明、滅
永遠は、作りものかも知れない
あまりにも暑いから
立ち眩みがしそう
知らないアパートの階段は
古くて崩れそう
錆付いた自転車の側には
痩せた猫が一匹
しゃがみ込んで撫でていると
後ろから知らない男の子がやってきて
....
夕暮れのバス停で
バスを何本も見送りながら
いつまでも尽きない話をしていた
木枯らしに吹かれて
君が吐き出す白い息が
ダイヤモンドダストに見えた
教室も ....
光の傷の足跡でした
小さくまぶしい姿でした
川はあふれ
流れはくちびるのかたちをして
水と土とを引き寄せるのでした
流れの音は
光の花の緑をしていて
過ぎてきたどこか ....
あやつられる
わたしの背中に糸が生えている
よく見ると
足からも
腕からも
糸が生えていて
どうにかすると口がパクパクする
声だけが違う場所にあって
伝えることができない
こ ....
冬の空に
オリオンが南中する頃
ベテルギウスは涙を零して
名前が呼ばれるのを待っている
冬の空の、暗い、
まるで何も存在しないかのように ....
+TATOOの悲しみ
水商売をもれなく売女と呼ぶ
その在庫表の端には
くたびれたドラえもんが描かれている
規則正しく働ける
抜け目ない線とスイッチの裏の
せわし ....
ブローチを包んだふたりの手のひら真珠貝
そのまま取って置きたいと思った冷たい毛先のにわか雨
ひとつひとつキズを覆った笑顔真白より少し優しい
決して触れ合うことはない生きている限り
....
毎日が
ずっと、遠浅だったらいいのに
って、言ったのは
あなただったか、わたしだったか、
もう わすれてしまった
うつろいやすいふたりだったから
ただ
手をつないだ
波が
....
湿った夜の空気の中を
飛び回る夏の虫が疎ましい
希望も絶望もないのに
月明かりが仄明るくて疎ましい
波音のひとつもない
此所が海辺だったらいいのに
そしたらきっと泣けるのに
ひと ....
暗くなるまえにはかえってきます
さがさないでください
ひふみ
電話のとなりのちいさな紙片にしるし
やわらかな革のサンダルをはいて
砂利をふんだ
わたしはこれから ....
柱に 「ゆるぎなくなりたい」
とかかれていたので
指でなぞっていると
重信房子みたいな髪の人が 近づいてきた
きっと この人がかいたのだ と思ったけれど 言わない
彼女が 砂の芽を ずっと指 ....
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