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忘れものを取りに教室に戻ると、
男がいた。
知らない男だ。
若い、
ひどく痩せた男。
クラスの誰かの彼氏だろうか?。
男はあたしに気が付くと、
声を掛けて ....
あたたかいに誘われて、
陽射しの中へ。
ぽかぽかと微睡み微笑み、
ひだまりの中をひとまわりすると、
そこはひまわりさんの中なのでした。
こんにちは。
あ ....
ひとつのポケットにふたつの手を入れあたたまったふたり雨の日。
雨の日にはくりくりになる。
きみの髪くりくりするのが好きだった。
怒られるの ....
「太陽を見たことがない。」
きみはそう言って、
ぼくは太陽の話をした。
きみはそれだけじゃ満足しなくって、
だからぼくは旅をして、
色んな太陽を見て回ってる。 ....
火を付けて、
風で煽って燃えだして、
手に負えなくなりましたか。
静かに見守り心を痛め涙を流しているのですか。
涙で火は消えますか。
ほら。
....
床に線を引いて、
彼女は国境を決める。
彼女はとても怒っているので、
とっても横暴に決める。
彼女は地図を作ったので、
ぼくらの部屋は地図になった。
彼 ....
くもり硝子に指を滑らせる。
流れ落ちる水滴が、
鏡に映るきみの涙と、
重なって見えた。
さよなら。
....
この向こうに、
きみへの窓があると、
そう信じていた夏。
返ってくるはずのない、
手紙を書き続けていた。
....
怨みなさい。
怨んで、
お仕舞いなさい。
構いません。
そうして、
すべて。
お終いになさい。
君の為に書こう。
君に向けて書こう。
そう決めて、
昨日一日、
ずっと考えたけれど、
何も書けなかった。
だから、
平凡だけど、
こう書くよ。
お ....
陽は斜めに、
影は長く伸びる。
あの足跡まで、
もう少し。
ようやく影が、
足跡を捕まえた時。
旅人は、
部屋を出た後だった。
カーテン。
ふ ....
知らないホテルの片隅で、
丸くくるまって君の寝顔を見てる。
ひとりでは眠れないというから、
毎晩、君が寝付くまで色んな事を話す。
あの鮮やかな初夏の想い出を、君 ....
そいつがとっても残酷っぽい。