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メガネをはずした
わたしの素顔
おとこのひとにはじめて見せた

胸ボタンの間にネクタイを押し込め
腕まくりした。あなたは
同僚を叱咤激励して
そんな。あなたに恋焦がれていた

それで ....
朝刊から目を離さずに
気の無い空返事
それは。あなたの得意技

わたしが何を考えていようとも
お構いなし

空気のような存在

親しすぎる関係の果てに待ち受けるのは
そんな空虚さだ ....
春になりましたねぇ
と叫んだら
おまえっていつもじゃん
と言われてしまった
それって何なの

グラデュエーション

今の季節
はっきりとした区切りのようなものを感じる

北の国よ ....
あなたが通り抜けた改札で
何故か
わたしは置いてけぼり

あなたが買えた切符
何故か
わたしには買えなかった

人生には幾つもの
改札があって

選ばれたひとと
そうでは無いひ ....
嫌になるときだってあるよ
そう言うと
友だちは笑顔でうなづく

さほど広く無い部屋に
ふたつ机を並べ
四十六時中
お互いの気配に触れ合って過ごす

それでも机と机を隔てる
背の低い ....
背後から抱きしめられる気配が
して
「だぁれだ?」
そんなのあなたに決まっているのに
他のだれかを想像してみる

雪の降らなかった今年の冬を
ひとりで歩いてみた
行き先なんか
決めた ....
ああ。やっぱしね
唐組のエンディングって
こうじゃなくっちゃ
唐組第38回公演「透明人間」千秋楽
ぽっかりと開いた夜の闇に
石灯籠の怪しい灯火
唐さんのおはこだよね
花園神社でも鬼子母神 ....
確かにこの街にいた
お口を使って生きていた
わたしのねえちゃん

お口を使うお仕事

テレアポ
アナウンサー

明日の天気をお知らせします
晴れのち曇り
北風強く
ひゅうひゅう ....
 たぶん、ここの現役さんのなかで投稿された作品を一番読んでいるのは、ぴ@じゃないのかなと思っています。お名前を勝手に出して申し訳無いのですが、ここでの古参のおひとり、たもつさんが4187ポイント出して .... 素に戻ると
大勢の人の前に立たされた
わたしが
いる
深々と頭を下げて
何を謝っているのだろう

  トナカイのそりに乗り
  飽きることなく
  眺めた
  白夜の物語

あ ....
持っているの?
あなたに尋ねられて
思わず
持っているよ。そんなものと
答えてしまった
だけどね
ほんとはね
バッグのなかを
さんざ探しても見つからなかった
どこかで買えるのかな
 ....
ねえ覚えている?
初めてあなたと出会ったのは
裏通りにあった小さなヘアサロン
あなたはまだぎこちなくて
遠慮がちな手つきに
硬く閉ざしたこころの奥で
何かが弾ける音がした
(誰かを好きに ....
優しさにぶらさがる
重なる星の巡り合わせに
ふたりだけの夜
ドブ板通りの古びたカウンターで
わたしをみつめる
瞳と
Never mind
歯並びの良い口元が闇に浮ぶ
迷路のような船底で ....
いつだって君はそうなんだ
本当は塩ラーメンが食べたいくせに
なんでもいいよと答えてみせる
そのくせ
味噌ラーメンを食べたあと
必ずこう言うんだ
塩ラーメンが食べたかったのに


アイ ....
君がいるから僕は存在する
誰もが羨望する
誰もが欲しがる君の姿
ショーウインドの特等席で
いつも輝いている
値札なんて不要だよね
君の価値はお金にはかえられないから
要はハートだってこと ....
静かな湖面に
あなたとわたし
ふたりきり
いつもは感じ得なかった
あなたの男らしさを
ちょっと見直してみたりして
(フレアミニなら喜んでくれたかな
季節はずれの湖面に
あなたとわたし
 ....
欲しかったものを手に入れたとたんに
他のものが欲しくなる
判ってはいても止められない
「欲しい」には夢と希望が満ち溢れ
手に入れた後には虚しさが残るだけ
(捕らえた獲物には…なんて言い訳がま ....
何を探していたのだろう
散り積もった日々の
瓦礫の中より
それはひとときの温もり
顧みることさえ叶わずに
北風にさらわれてしまった
あなたとの思い出
ことばなんてくだらない一葉に
思い ....
あなたにこころをまかせられる
それって好きとか嫌いとかじゃなく
ずっと以前から知っていたような
どこかで一緒だったことのあるような
懐かしくて不思議な気持ち
見つめられて
見つめかえして
 ....
雪ん子舞い散る故郷から
童子たちのまぶしい笑顔が消えた
あの頃の笑い声は
顧みることを忘れた古いアルバムのなか


北風ぴゅうぴゅう寒かろう


すっかり刈り取られた稲田を望む
古 ....
陽だまりのベンチで
あなたの姿を見つけたよ
何気ない仕草のひとつひとつから
幸せのあり方を掬いだしては
これで良いのだと
ひとり頷くあなたの姿
大きな卵でも抱きかかえるように
胸の前で孤 ....
季節はもう冬支度なのに
たんぽぽの綿毛になるんだと
あなたは言った
過ぎ去った日々を惜しむかのように
ひとびとは
大きな樅の木の下に集いだす
そんな季節に
たんぽぽの綿毛になるんだと
 ....
心が抜けてしぼんでしまった
わたしの身体に
あなたの息を吹き込んで
ちょっとあたたかな
ちょっと煙草臭いあなたの息を
自分までもが赦せなくなった
あの日から
わたしはわたしじゃ無くなって ....
失恋は感傷に浸るためにある
そんな捨て台詞
あなたは残し
ひとり、わたしは取り残されて
遠く過ぎ行く機帆船の陰に
絶望の甘い涙を流す
(白い砂浜で貝殻ひとつ拾った
身体の隅々にまで刻まれ ....
どんなに難しい本を読んでいたとしても
喜怒哀楽
たった4文字に人のこころは捕われて
(それってほんとだよ
いつになったら大人になれるのかな
つまらないことに腹を立て
投げつけたことばの痛み ....
あなたとおそろの夫婦箸
いまはもう使う気にもなれない
あの頃は愛の姿を信じていた
同じ季節の同じ日々
それでも、素肌に感じる感触は
あの頃とは確かに違っていて
ひとり台所に立てば
化学の ....
わたしが遅めの初潮を迎えたとき
母がお祝いにとお赤飯を炊いてくれた
(今の子もそんなお祝いしてもらうのかな
膨らみ始めた胸の先が痛かったりして
ちょっとだけ…おとなになった気がした
それから ....
額の汗を無造作に拭うあいつより
きれいに畳んだハンカチで汗を拭う
そんな男のひとに憧れてしまう
えっと…そんなひとなら
細い指先に挟んだボールペンを
くるくる器用に回したりして
わたしのこ ....
きれいに消し去って欲しい
あなたの腕で
わたし自身では消せなかった
こころのなかに棲みついたもの
胸騒ぎのようなもの
きっと消せる あなたなら
その腕でわたしを抱き上げて
森の奥深く連れ ....
繰返してはいけないと思っていても
繰返してしまう
それはちょうど悪戯っ子が
すぐにばれてしまう悪戯を繰返すのに
似ているのかも知れない
かまって欲しいわけでもないし
誰かに判って欲しいわけ ....
逢坂桜さんの恋月 ぴのさんおすすめリスト(124)
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