すべてのおすすめ
あれは中学生のころだったか
母に連れられ下着屋に行き
子どもには不釣り合いなほど立派な刺繍の入った下着を
母は子に買い与えた
そんなものより
質素なスポーツブラがよかったのだが

わたし ....
Yとは友達だった

しばしば話し込み
時に酒を飲み
気の置けない関係だった

熟練した監察医とはいえ
友人の亡骸を切り刻むのは
ごめんこうむりたかったが
公僕の悲しさ
選択の余地は ....
ぬけられます
 と、
白い戒律の剥がれた板に
赤錆びた日本語が
合法を装ってしがみついている
 
飢えと寒さのために、
大勢の煌めくことばが死んだ
ただ夢を叶えるために、
「嘘だ」
 ....
私が髪を切るとき

羊羹を包丁で
切るみたいであってほしい

髪型を変えても
大抵、夫は気づかない
それでいい
なぜか
それがいい

髪を切るのは
飽き性の私の
ささやか ....
食べても食べても減りません
いつかは無くなるのは
わかっていますけれど


みかんの季節です
待ち焦がれた季節がやってきました

大きなバケツに山盛り
有田みかん 四百円 
「 ....
新聞という情報ツールに
改めて、心底感心させられる

新聞配達をしていた十代の頃
それは重くて辛い紙束
それはただの新聞紙

日曜日の午後、夫の髪を染める
風呂場へ行く夫を見送り
足 ....
道を間違えて迷い込んだ学生街
近隣でもっともお安かったから入ったのだ
その店の名は「クマリマー」
大きな窓辺にガネーシャが並ぶ
とてもすいているカレー屋さんだ
最近の学生は裕福なのだろうか( ....
私は
美貌に恵まれず
おんなとしては不出来だ
男に負けたくないと
一生懸命
牙を研いだ

いつの間に
おんなになってしまったのだろう
なぜ、
男ばかりを好きになるのだろう
魂に性 ....
今年の夏は暑すぎて
服も皮も肉も脱いじゃって
骨だけになって過ごしたよ

ようやく秋だね
涼しくなってきたし
そろそろ肉と皮を着ようか
まだ服はいいかな
お外は涼しい風が吹いて
とっ ....
今年に入って
私は私を疑うようになった
特に仕事においては常に疑っている

会計では、患者様二人ごとに金庫の中を総計算
取引先に出す伝票は、四度、五度、確かめる
それでも、まだ足りない気が ....
山菜採りに出かけた人が
自称詩人に襲われるという事件が
多発している
自称詩人に襲われた人は
みんな両手両足を縛られた状態で
一昼夜自作の自称詩を
耳元で聴かせ続けられるため
精神がおか ....
任侠とロマンは、
彼らの得意分野だった
つまり人買い、
産地偽装、
海と陸の物流、
そして廃棄物の処理など

コンテナの積み上がる港から、
数多の流通店舗まで
関わる人と物流、
リ ....
     BLACKBLACKBLACKBLACKBLACKBLACKBLACK
     BLACKBLACKBLACKBLACKBLACKBLACKBL ....
 築年数四十年を過ぎた中古マンションで
 今夏暫くの間、我が家でも玄関ドアの脇に
 宅配弁当業社の貸出しボックスが
 配置されるようになった

 すると挨拶を交わすご近所さんから
 「 ....
信号機の青 と、
群青色の空が重なって
眩暈に吊られてしまいそうになる

一日の仕事が終われば
世界の一日が始まる あさぎりの夏

また朝刊二軒分ほど残ってしまった
むろんわたしの ....
運転中 

不意に現れ 目の端で捉える

蔦の絡まる建物

 もう、その時期か

あの夏から

幾度 高校野球が開催されたか

懲りずに毎年 

十七歳の夏に引き戻され ....
よく体育会系の男子が
バイトでホモビデオに出て
それが後々バレて
騒ぎになるということを聞くが
別にホモでもないのに
金の為に出演することも少なくないらしい

それを聞いて
鎌倉御成町 ....
訃報を伝えるニュース
その少しあと、
自販機で缶コーヒーを買っていたら、
会社の若手から訊かれた。

「で、大谷とどっちがすごいんですか?」

缶を落としそうになった。
それは、たとえ ....
心当たりがないことを
指摘されて戸惑う
それは本当だろうかと
疑ってみるけれど
自分が思う自分と
他人から見た自分は
イコールにはならないようだ

意識のないところでも
自分を発信し ....
僧侶の方が

学者から聞いたという話を聴いた

生命の尊さの話

胎児がいる羊水は

何十億前の太古の海と同じ成分だと

何十億年かけて人間に進化したことを

母親は十月十日で ....
僕らは 海から生まれたのに
どうして 鱗がないんだろう

ああ そうか 寂しかったのだ
こころを 抱きしめたいのだ
願わくば どうか
あなたにも 抱きしめて欲しいのだ

じっとりとぬる ....
ひさしぶりにかえってきた娘が
玄関を開けて
いえのにおいがする、といった
ずっとこの家にいるわたしには
そのにおいがわからない
いいにおいかどうか
よくないにおいかどうかも
わたしが息を ....
この国の為に
死んでいった
英霊たちに問う
あなた方が命を賭してまで
守ろうとした国は
こんな国でしたか?
私たちは
誰の為でもない
ただ自分の為だけに
生きています
我欲だけを満 ....
やがて白銀の景色は薄桜に染まり、
雪風は砂風となってアフリカの砂漠へ移り吹く

ぐにゃりとした冷たい肌のやつは、
サハラ西岸の浅海で捕れた後、冷凍されて
TAKO と記された紙箱に詰められ海 ....
おれたち闇を見てる
おれたち夜を見てる
おれたち風を見てる
おれたち今を見てる
おれたち虹を見てる
おれたち春を見てる
おれたち海を見てる
おれたち光を見てる
 ....
近頃は三途の渡し場も
やたら混んでいて
三途の川も
一年に一度しか
渡ることができなくなった

高度経済成長の団塊世代の人達が
大勢でやってくるように
なったからだ

中学生時代の ....
チョコレートにリキュールで
モーツァルトらしい

モーツァルトを聴かせて作られた
蔵粋らしい

酒にモーツァルトを聴かせたものらしい
くらしっくと読ませるらしい

生きてる間に聴くも ....
あなたが穿いていた
赤色のパンティ
今日久しぶりに
ベランダで見ました
いつか手に入れようと
思っていたのに
いざとなると勇気が出ずに
ただ眺めるしかなかった
あの赤色のレースのパンテ ....
本を読むとき
書き手と読み手の間に
秘密同盟が成立する
これが好きだ
紙の本ならでは

スマホでは
秘密同盟は
保証されない
感じる
ダダ洩れているのを

でも本読まない
三 ....
帰り道のスーパーの駐輪場

彼だったかもしれないそれを

彼女であったかもしれないそれを

無遠慮に踏みつける

サクッサクッザクッ

白く盛り上がったふわふわが

黒く固くぺ ....
イオンさんの自由詩おすすめリスト(211)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ちち- 凍湖自由詩1625-12-11
Yの解剖- やまうち ...自由詩525-12-4
ぬけられます- atsuchan69自由詩15*25-12-1
羊羹のまま- 花野誉自由詩15*25-11-30
みかん地獄- 花野誉自由詩15*25-11-9
足元の新聞- 花野誉自由詩12*25-10-27
学生街のカレー屋さん- 松岡宮自由詩1225-10-26
告白- りつ自由詩4*25-10-18
骨と全裸- にのまえ ...自由詩425-10-17
日々、私を疑う- 花野誉自由詩20*25-10-11
自称詩人駆除- 花形新次自由詩525-10-10
レシートの亡霊- atsuchan69自由詩15*25-10-1
抽象画詩:Composition_1:BLACK_SQUAR ...- 月乃 猫自由詩6*25-9-21
おひとり様- リリー自由詩15*25-8-17
認知症ぶれいく- 洗貝新自由詩16*25-7-29
ひと夏の甲子園- 花野誉自由詩13*25-7-28
ホモビデオに出る- 花形新次自由詩325-6-20
長嶋茂雄- 無名猫自由詩325-6-19
いびき- 自由詩11*25-6-19
太古の海- 花野誉自由詩13*25-6-15
海の体温- みぎめ  ...自由詩425-5-18
いえのにおいがする- そらの珊 ...自由詩17*25-5-7
天皇陛下万歳- 花形新次自由詩125-4-25
桜飯- atsuchan69自由詩17*25-4-1
ジュピターには何時に着くの?- TAT自由詩8*25-3-22
物故者リストの旅- ばんざわ ...自由詩9*25-3-3
チョコレートゴースト- wc自由詩12*25-2-22
まぼろしパンティ- 花形新次自由詩225-2-22
秘密同盟- りゅうさ ...自由詩11*25-2-7
消雪- 詩乃自由詩625-2-6

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