午後からは雨なので、
傘を持っては出掛けなかった。
昼食の蕎麦屋から出ると、
案の定、
雨が降り出した。
色取り取りの傘が、
街に花開く。
わたしは蔓 ....
(ミルクティを飲まなきゃいけないの
(ミルクティ、ある?
(歯を磨いたんだから、もう寝なさい
最近、きみは早く寝てしまうから
赤いランドセルの留金をひらいて
見てしまったんだ
....
名付けたいひかりの先に
やさしいリビング・ルームがない
一握りのたましいが
あかるみに美しく滅んでいる
並んで有機物が芽吹く
動とも植とも
青とも赤ともつかないまま
....
いまさら詩人になりたいなどと
言われたって遅い
きみのして来た事がきみの今だ
時間が過ぎれば何だって腐る
ロープだって約束だって
あの顔をまた見るようになった
自分でも忘れていた悪 ....
おんなのこは
とてもいじわるなので
けたけたとわらいます
たたみのうえ
すっぱだかで
けたけたとわらいます
でんきにぶつかるむしが
そんなにおもしろいのときくと
わたしはじ ....
toku toku と振動音
なにを感じるの
その小さな心で
やがて想いは想いでへと
日々の木漏れ日のような
優しさに埋葬される
朝起きたら
しっぽがはえていた
慌ててひっぱって
ひっこ抜こうとしたけれど
しっぽはするりとまるまるだけ
かつて人がサルだった頃
当たり前にあったのだろうしっぽは
い ....
何食わぬ顔でオナニーするあなたに
私は この人殺し! って叫んで
一緒に I can fly .
叫んで 一億の生命を救うの
ああ、それは
みずのように
おとをたべてそだつ
ちをゆさぶって
そらをかすめる
いきをするたびに、せかいがひろがる
ああ、わたしは
はりをおとし
うたをたべていきる
....
さようならー
さようならー
大声で
両腕を大きく回して
さようならー
さようならー
と
死んでいきたい
感謝も惜別もいらないから
ただただ
さようならー
という言葉し ....
夕焼けが 淀んだ雲と 腐れ合う
風にゆられてザーザーザー
刈られていくぜバッサバサ
釜ん中に入れられて グルグルぐると回わされる
サッパリしたぜ おいらたち
今から 祭りだ お祭りだ!
ワクワクしながら水ん中
ポ ....
昔はぁ よかった
これは じいちゃんの
クチグセ
昔はぁ よかった
これは ばあちゃんの
クチグセ
昔はぁ よかった
これは ボクの
憶測
100円だまを ....
『命の重みは同じ?ならあんたを殺すのも蚊を潰すのも一緒よ。』
まどろみ まどろみ なーんもしたくない
そういうときには HIP-HOPでも ご賞味 ご賞味
{引用=
へい よー どどーんど へい よー どどーんど
ボクらが でぃーじぇー どお ....
なんだかとっても寒いので
財布の中をのぞいたら
やっぱり寒い
ころりと100円玉
音をたてることもなく居て
街角の自動販売機
120円という表示が淋しい
一昔前なら缶コーヒー ....
おまえは じまんの おとうとだった 。 いつも うえをみあげては いっしょにさんぽをしたね お前が しんだとき 不思議なことが あった おんがくが 自然になったのだ 。 おまえは すこし クスクス わ ....
ひとりでいるのは寂しいねと {ルビM=モラル}な男
夫と別れて寂しいのと {ルビS=シングル}な女
どんと ふぉーげっと どんと ふぉーげっと
この世は対でできている
なにかのきっ ....
歪な 薬売り
奇形の 頭で
油を 売る
見えたものは
あ
だった
薬売りの 誰からも
相手に されない
その 百姓と
黒人奴隷の 狭間よ
油は 物乞いの
水と なり
あ ....
ねぇジョージ ねぇジョージ
そこのプレッツェルを取ってくれないかしら
そうそこのうんと大きいやつ
プレッツェルは紅茶によくあいますわ
ターバンを巻いたちょっと高価そうな壺をもって貴方は言っ ....
私は首が伸びすぎて
身動きすらとれやしない
電車の壁から穴をあけて首を出している。
風を受けるための帽子を被り。
猫はいつから電車に乗れるようになったのだ。
不遜な態度で時計を眺めて ....
潮風にのって白髪が
飛散するのを
じっと
唇をかみ締めて
耐えていた、
(藤壺を舐める舌の痺れ)
....
高層マンションの最上階
は怖いから二階くらいで
見下ろした街の姿は微妙
見上げた空は狭苦しくて
賃貸マンションの低層階
が寂しいから屋上へ昇る
見下ろした街に漂う哀愁
見上げた空に何 ....
僕は君に聞きたいのだ
僕がいないのに、どうして花が咲くのだろうか
僕がいないのにどうして夢を与えるのか
僕がいないのに、僕を呼ぶのか
僕がいないのにど ....
お兄ちゃん、と
呼ぶのが
照れくさくて
そのまま
僕たちは年をとった。
あなたは家を出て
後を追うように
私も出て
あなたは戻り
あるいは他所の国へ
私は
死ぬまであなたの弟 ....
君は脱ぐ
同時に着る
どんなに脱いでも
君は君の核心から遠ざかっていく
まばゆい光の中
生まれたての姿になり
男たちの暗い瞳でできたプールを泳ぐ
淵に腰掛けていた男たちは
....
ぷっつりと、切れて
そこでなくなってしまうのかしら。
目の前から消えてしまって
跡形もなくて
想いだけが残ってしまったら
それは、とてもつらいんじゃないかしら。
あなた ....
出会いがしらに、
さようならっていい言葉やね
とあなたは云った
空は低く銀杏の木だけが一本高く見える
出会いがしらにいってくれて助けられた気がして
知り合いへの手紙を破った、日
詩人は
小心者で繊細な癖して
意外とだらしない
ちらかった原稿用紙の上
飲みかけの缶ビール
吸殻だらけの灰皿
空の100円ライター
そして一冊の詩集
ボードレールの悪の華
詩人は ....
君恋し改札口に佇めば嘘つきの空闇に広がり
この街のいつわり愛は面はゆく胸元揺れてなほ移ろえば
みおを引き声のまにまに小舟ゆき行き交う人の波打ち際に
漂いて水面に朽ちた古木 ....
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