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もういくつもの
ほどけた季節に熱を預けて
私はすっかり温くなってしまった
風を待つ鳥がベランダで
羽を休めるのを眺め
私は何も待ってなどいないことに気づく
世界を内を流れる温度 ....
産毛のような時間が
どこまでも不完全な
このたましいを撫ぜている
それでもたましいは
長い間私が見向きもしなかった
いくつもの小さな愛たちを
その時々に抱えていたのだと
....
雨の中でカラスは
ボロフスキーの創った
偽物みたいに固まっていた
まるでそこから
世界が固まってしまうんじゃないかと
心配になるくらいに
その横顔は
静かな怒りと ....
やぶれた風が僕に聞く
ここから呼ぶ?帰る?
木の葉がすごい速さで
転がり巻き込まれてく
浮遊の憧憬の走りみち
風の声を小脇に抱えて
笑う木の葉を追いかけ
走るんだよ走るんだよ
三つ ....
冬空の始まりは
少し疲れた
白い横顔
鳥にも雲にも光にも
他人行儀なそぶりで
けれど其処には
秋の最後の雨と
昇ったいくらかの
私も居るのだろう
その頬はふいと
....