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道すがら、響く朝、沈む怠惰に焚いた一握のアヴェマリア
音もなく、事なく翳す虹を見たまま果てた畦道の光景
想定、それは不可能だった、って羽化の先に流れ込む証言に
答弁を待つ音霊、乱れ飛ぶ光と影 ....
或る時に
コップにコーヒーを注いで
赤茶けた土の上に
冷静に横たわる猫を見ながら
遠い冬の日を眺めた
菜の花の
暖かく黄色いさまが白黒の人たちを
この世界へ浮きだたせる
土の上 ....
紙が束ねられる、糸によって
太陽によって、色褪せない先駆に
色褪せた紙は糸によって束ねられ
紙は束ねられ、匿名によって
木綿によって、埋葬されない化石に
紙は一人がいる閉ざされた一室で
....