地平線さえ見えないほどに
一面に広がる小麦畑の
只中に突き立った一本の潅木の下には人が揺れているのだそうだ

金色の穂が乱反射する
歪な真夏の陽光の中で
限りなく乾きながらしかし決して ....
 人生に無駄はない。どんな出来事にも意味があると言ふ人
がゐる。私はこの手の言ひ回しがどうも苦手で、害虫駆除で
はあるまいし、無駄をそんなに毛嫌ひすることもないのでは
ないかと思つてしまふ。
 ....
女にふられたので、
稚内へ行って死んできた。
稚内へは、羽田から直行便が出ている。
うすぐもりの空がまるでばけものの飛ぶ空のように広い。
ツアー客のでっかいトランクのなか、
浪人生みたいに手 ....
現代詩はT.E.ヒューム(1883-1917)から始まった、とよく言われます。
ヒュームは二十世紀最初の詩の前衛運動である「イマジズム」の理論面での中心でした。

彼は詩におけるイメージの大切さ ....
ちいさいお魚 池の中にいて
緑の葉の下 見え隠れする

山茶花が咲いて 悲しい日だから
私 うずくまっているの

寒いお魚は 貝で出来てる
寒い山茶花は じくじくこぼれる
寒い私 傘を ....
ねこや青空や荒野を
ねこや青空や荒野と
なづけたひとにあなたのなまえを
なづけなおしてもらいにゆくのなら
てぶらで部屋を出て
ふいにバスをとちゅうで降りる
もう二度と帰らない旅行へ出かける ....
ずるやすみの木で
かみさまを見かけた
なにをしているんですかとたずねたら
ずるやすみをしているのさとこたえた

ぼくも人のことは言えないから
ああそうですかと
おおきな幹にせなかをよりか ....
この間、ネットで古本情報を検索していたら、私の昔の詩集が百円で売りに出されていた。
百円かあ。妙に納得したりして(笑)

さて、だいぶサボってしまったので、あんまりやる気が起こらない。でも大晦日 ....
『寝ながら学べる構造主義』というおもしろい本を書いた内田樹さんのサイトをのぞいたところ「内田樹の研究室: オリジナリティについての孔子の教え」(http://blog.tatsuru.com/arch .... 死期が近づくと
彼等は自ら首を吊って死ぬ
夜に 孤独な木を探してその枝に
縄を垂らして果てる
南の大地は熱い
吊られた身体は素早く腐る

自分ひとりで首を吊れない者は笑われる
ましてや ....
折りたたみ自転車が
折りたたまれていたのは
空いたばかりのトランクのなかで

トランクをバタムとしめると
あなたは取り乱しもせず
じぶんじしんを折りたたみ
わたしのバッグのなかにもぐりこ ....
uminekoさん 「sky」に寄せて。
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=48600




読者の心を揺り動かすだけなら、
技巧はいら ....
ある麗らかな朝、一行の詩が書物から立ち上がってはるかな水平線をめざして言葉の海を泳ぎだしたまま行方不明になった。さっそく捜索隊が組織され船出することになった--------。


どうも気がすす ....
プラットホームに着いた 銀色列車のドアがひらいて 夏の海が溢れだしました


ピストルが鳴って 貌のないメッセンジャーが フリースタイルで泳いできます 燃えあがるピアノの上の老いた漁師は差し ....
藤根の
公民館の屋根の下
雨宿り

雨やみますか
恐らくは

白濁窓ガラス
その向こう側のアナログ時計
(さて そろそろかな)
毎日変わらず六時半

雨やみますか
もう すぐ ....
錆こする
     蝉 が赤土の
踊り場を囲い 哉
 哉哉哉哉 といにしえの

唱をまねび叫ぶ
     哉 哉哉哉 哉
橡の木の下で錆び
       た旋盤機が
抱 ....
くだらないやつが寝て居る
小便くさい空に寝て居る

 サラリーマンが行き過ぎる
 労働の汗がワイシャツの下に張り付いている

終の棲家を持たぬ半端者
住むべきところに住めず
食べるべき ....
きれいなあきびんを
ひろったので
ひとり
となづけた
ごしごしあらって
ちいさながらすだまをいれると
そこをころがって
からからおとをたてた
まどべにおくと
ひとりは
かぜやあ ....
ここが
せかいのはしっこだ
もんばんが
ゆびさした
しょっていたものを
ぜんぶすてると
からだがかるくなった
せのびやくっしんをするあいだ
もんばんはうでぐみをして
かぎのたばを ....
びんのなかの
うごきは
とてもかんまんだった
ときどき
うろこのようなものが
ひかったように
みえるけれど
すぐに
どろみずにかくされてしまった
ぬるぬるしてて
なんだかきもち ....
じいさんが
あの世へいってからずっと
8ミリを回すと
青鬼が映る
8ミリを映写し
妻や子供との暗い部屋で
(僕だけが斜め下におり)
青鬼を見る
木や鳥居の影などに
七五三だというのに ....
本を開いて 通り抜ける言葉 眺めている


あんまり白い雲だから さみしい


水捨てて 私のようだと コップ見ている


ここには無いことだけが わかる日だ


もういらない ....
益野大成さん「飛ぶ」に寄せて
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=42285



空を飛ぶ夢を見たことがあると思う。
「飛ぶ」という身体感覚を ....
いつも

大きなはさみが

ぶらさがっていて

ちょきんと切ると

世界は まっぷたつ

燃えて落ちる空

明日も また

ちょきんと まっぷたつ
     てふてふが
     海を渡つてゐるのを
     飢ゑた勇魚が、
     ぢつと、見た
     食べてはいけないのだよと
     言ひ聞かせながら
 
 
    ....
いるぐらっつ はるもらーぐ あれしゅろっぷ

のんぎりーあんちゅる すぅいーじゃば じゃば

たらられっぷ とれれろっぷ ちりりるっぷ

なっぷ はっぷ じぇっぷ きゅっぷ やっぷ

 ....
 あなたは、荒れ狂った、広大な砂地に足を埋めて、飛ばされないように、大時化で、ドロドロとした朝の、ドロドロとした波に打たれて、気絶する、泥土の景色のようだと、あなたは言うから、ねえ、あなたは帰 .... ドーナツの真ん中の穴から友人のAさんが訪ねてきた
「どうもどうも」
いやなに ちょっと暇だったもんだから
Aさんはドーナツの真ん中の穴から
ずかずか部屋に上がってきた

時々こうやって突然 ....
かなしみが

すこしずつ こりかたまって

そうやって できた石は

どんな色してるでしょうか

にごった 灰色だったりすると

いやだな

すきとおった 青い色なら

い ....
センパイ綺麗ですよねなんで結婚しないんですか
などとほざく後輩の頭をこつんとこづき
それじゃ明日ねとあっさり告げて
農協の裏手の墓地を抜け
コンクリ舗装のきつい坂を登り

唐突にある扉をあ ....
「ま」の字さんのおすすめリスト(136)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
Espagne- Utakata自由詩506-11-6
無駄の思想- 白紙散文(批評 ...4*06-10-24
稚内で死んできた- しゃしゃ ...自由詩1906-10-22
ヒューム「ベルグソンの芸術論」(1)- 藤原 実散文(批評 ...806-9-16
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ずるやすみの木- ZUZU自由詩1406-1-17
三匹が斬る〆_現代詩フォーラムランダム道中千人斬りの巻__其 ...- 肉球マニ ...散文(批評 ...605-12-31
オリジナリティの範囲---片岡直子さんをダシにして- 藤原 実散文(批評 ...1305-12-28
首吊り族の死に方とその歌- 岡部淳太 ...自由詩12*05-12-4
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指標を越えて- いとう散文(批評 ...14+*05-9-28
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ラッシュアワー- 藤原 実自由詩1*05-9-22
雨宿りの時間- 加藤泰清自由詩505-9-22
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ひとり- アンテ自由詩12*05-8-16
はしっこ- アンテ自由詩17*05-8-15
ぬるぬるしてきもちわるい- アンテ自由詩6*05-8-12
青鬼- コモ谷自由詩905-7-31
俳句かな?- こむ俳句4*05-7-27
空を飛ぶために捨てなければならないもの- いとう散文(批評 ...7*05-7-27
はさみ- こむ自由詩4*05-7-22
_てふてふと勇魚- 紫乃自由詩12*05-7-21
すんせ_ぐんきいめ_ぷっとす- 大覚アキ ...自由詩2*05-7-20
しろい_いきつぎ- 嘉村奈緒自由詩1605-7-20
私の友人- スプート ...散文(批評 ...3*05-7-19
どんな_いろ- こむ自由詩8*05-7-17
扉をあければ- 佐々宝砂自由詩6*05-6-29

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