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わたしの眼は旅をする
わたしの心は部屋にとどまる
都市から原野までのあいだで
眼はあらゆるものを見て記憶し
それだけで帰ってくる
心は記憶を平面に読み
何ひとつ解釈しない
過去から未来ま ....
夜明けまえ、
廃止された鉄道分岐点で
ぼくは枯れ枝を燃やした。
低空によどむ雲、その裂け目に
うすい煙の筋が消えていった。
正午まえから雨。
うす暗い昼のあいまにぼくはウィスキーを ....
八月、
太陽が終わりのない明るさで街を照らす八月、
影のない者は日陰をたどって歩く
わずかなあいだなら
太陽を見据えることもできるが
かれには影がない
影のない者は太陽の下を歩くことはでき ....
僕等は話した――
いつでもない時のことを
音声が行き交った、焦点は結ばれなかった。
それは戯れだった、
語の群れの、
午後の戯れ。
僕は既に複数形だった、いくつもの相反する ....