横断歩道のストライプを
白のとこだけ踏みながら
ようじんぶかく歩いて
見上げた歩行者用信号の青が
点滅をはじめて
スクランブル交差点が早送りになって
ひとりだけスローモーション ....
虹を見つけるコツは
こまめに空を見上げること
雨のたび
忘れず雨上がりに期待すること
四つ葉のクローバーを見つけるコツは
誰かのために探すこと
本当は自分で見つけないと意味がないん ....
雨の夢を見た
ひどい降り
傘が足りなくて
私たちは戻ろうとしたけど
硝子の扉はこちら側から開かなかった
夢を見た
クスリを少しばかり多めに飲んで寝てみたの
目が覚めて気付いたわ
あたし、昔から何も変わっていない
幼くて、寂しくて、いつだって指しゃぶり
親指だけがふやけてる
こんなにワガママな ....
振り向くと沖に知らない人ばかりになってこわい
貝の表面についてる回虫みたいな模様がこわい
高波が何でも持っていこうとするからこわい
クラゲが知らないうちに沢山わいてこわい
あが ....
俺はライターを忘れて
マッチをもらった
マッチをみると
きみを思い出す
マッチをするみたいに
簡単に恋におちた
マッチみたいに
燃えかすだけのこして終わった
1本分の短 ....
恋をすると人は変わるってよく君は言ったね。
俺は君が恋をして綺麗になったことに気づいた。
輝いている君を見てしまった。
俺以外の男に微笑むのを知った。
何でもないと、言い聞かせてき ....
“こころ”が電光スパークの
パタンの変化であるならば
線香花火の一瞬が
私の嘆きであるでしょう
“おもい”がイオンの泳動と
伝わる鏡の位相なら
寄せては返すさざ波が
私の愁いであ ....
ベッドの脇
ランプの{ルビ灯=あかり}を落とした机の上
時計のついていないベルトと
髪を{ルビ梳=と}かしたことのない{ルビ櫛=くし}が
寄り添って置かれている
聖なる夜に贈り物をしよう ....
暑中お見舞い申し上げます
今年は母さんの新盆だから
せめて墓参りにくらいは帰ってきなさい
父より
追伸
そういえばクロがおとと ....
恐怖は
人に前向きで信じられないほど大きい力を与えるから
もう駄目で駄目で動けなくなる直前に
私は断崖絶壁へ海を見に行く
碧くて強い波に
私のほとんどのものが飲みこまれ
本当に大事なものだ ....
快せそうね?
でも知ってた?
この瞬間、あなたの全生命が私にかかってることを
知ってるからそんなにも快せそうなんだよね
ああこのままあなたを
噛み切ってしまいたい
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