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すれ違うままに、時折り消えていく存在。
かすかに足の裏が傷む。その感覚が拡張され、次第に、体全体へとその痛み蔓延する。血流の呪いか、はたまた肌に溶け込んだ電子の波の影響か。
大量に流れ出る汗は ....
階段を下りる。
アスファルトに足がつく。硬い振動が頭の先まで震える。
暑すぎる夜の熱は、ビルの内側から吐き出されたため息に違いない。
スウェードの香がする。
呼吸を繰り返す街。ライトアップされ ....
冷たく刺ささる外気に、空調の完備された部屋から出てきた僕は一瞬たじろいでしまう。エレベーターのドアを、もう一度閉めてしまおうと考えたところで、ふとわれに帰る。
「そうだ、終電だ」
早足で歩 ....
それにしても私は憎む、
対外意識にだけ生きる人々を
―パラドクサルな人生よ
中原中也 修羅街輓歌より
最近、本屋さんでアルバイト ....
最近まで、電話回線をとめられていた。つくづくお金がないとやっていけないと思った。かといって、手段を選ばず金が欲しいってわけじゃない。つくづく俺はわがままなんだと思った。
ようやく、給料が入って電 ....
高校を卒業するころ、大学受験に本命がはずれ、田舎の友人たちと離れることが決まったとき。僕らは、いつもマージャンをして、100キロ以上離れた海に車で向かい、かえってきては酒を飲み、駅へ行って、キャンプフ ....