一日に何度も何度も
「わたしのこと好き?」
って聞いちゃうのは
あなたがわたしのことを好きだって
信じているから
だから
しつこいって怒らないでね
もしもあなたの気持ちが
変わるような ....
虹の彫刻に
あこがれて 雲を
きざんでいるが
美はいつだって ぼくらを
さげすむ
それは
優しいあいさつだから
きっと、優しい手紙
まっしろな封筒には
ほんわりと香りのこして
優しい君からの言葉
ほかのどこでもない宛先
おげんきですか、
なんて素敵な手紙
....
台風は南西のほうへ
それていった
天気予報はそれで
終わり
みなれた日本地図のかなたに
台風それてよかったですね
まるで
それていった先の
島や
大陸には
人も犬も猫も
....
モノを置かないでください
と張り紙のあるところに
モノを置いた
そんな些細なことがきっかけで
そんな些細なことの積み重ねだったのだろう
「いつもの」
そう修飾された朝は
あっ ....
あの頃、君に告げられなかったことを今
***
ねぇ、君
冷やし中華を誰よりも早く始めたいの、とはりきる君の姿が僕は好きだったんだ
ねぇ、君
扇風機の首フリに合わ ....
3分遅れている時計は、決して正確な時刻を刻むことはないけれど
止まった12時間表示の時計は一日に二度も正しい時刻を告げます
ならば止まった時計のほうがより正確なのでは?
そう勘違いして死んで ....
うまく笑おうとすれば
すっかりゆがんでしまったのは
自分の心だと気づいた
小さい頃
クレヨンで描いた自画像は
まるで似ていなかったけれど
それはきっと
心で描いたからなんだ
....
馬車の全重量が掛かるハブ
ハブから放射状にスポークが伸びて
丸いタイヤに刺さってる
ヒッコリーの木に刺さってる
鋼鉄のタイヤをはめて
今日も車輪が生まれる
車輪を叩いて隣人 ....
地球はキミの為に回っているんじゃないと
言われた夜
ワタシは地球の為に生きているんじゃないと
川にサラダオイルを3本流した
地球を壊しているのは
人の心を壊している人の心だ
遠くに見えた空き缶の色は
ぼくにとって空の色だった
沈んでいく雲の色だった
どぶ川に浮かぶ自転車のサドルに
腰掛けていた
マンションの屋上には
淀んだ雲が腹をのせている
....
鼓動と光が
落ちてきて
あい わず ぼぉおん
おぎゃと 生まれる前に
ほんとうの始まりがあるんだ
それが解ったよ
わたしのお腹は おもわず ぼぉぉん
鼓動と光が
落ちてきて
....
かなしい夏 ?
夏の首すじが
眩しい
何もすることのない午後
空気さえ発光している
しなやかな夏のゆびさきが
飽きもせずあやとりしてる
夏はあの木立のてっぺんあた ....
それはすてきな
なつのそらを
かついでかえったのに
いない
なつくさのみどり
たっぷりと
しみこませたのに
いない
さっきとったトマト
しおかけて
きゅーっとうまいのに
....
眠らない
体躯は
箪笥です
娘が
みそ
満州
宇治金時
ごみ袋
蛇口
満州
てんでばらばらに
単語を言うから
ピリッとして
話しかけるな
がたがたするぞ
脅したら
もう ....
心は空も飛べる
心は羽を持っている
心は泳げる
心は歌える
心は時を越える
心は何にもなれる
心は生きる
心は死ぬ
心は誰かを殺せる
....
少し湿った空気のせいにして
ずっと見つめていられない
まばたきするのと同じ一瞬で
咲いては散る火の花は
たくさんの星を集めたように
火薬の匂いをひいて流れてゆく
ほら
星が夜空に ....
どんないろ
こんないろ
色々な色が載っている
色名事典に無い色が
好き
好きだから
塗りたいの
かわずがけ
プロレス好きな
あの子の好きな
小さくキラキラ光る
☆の色
浜の ....
薄闇に隠し持つ情熱は
菫の花のように 葉の陰に隠れて
誰にも気付かれない
君だけが 静かな影をかきわけて
見つけ出してくれる
甘い熱を放って咲く私を
ひいやりと冷たい君の唇を
堅 ....
指先なんか不器用でいい
鍵盤が求めるものは
迷いを持たない、その
指先の重み
ねぇ、
清らかな雨の注ぎに
いつまでも耳を傾けていたいの、
私
おはよ ....
水に砂糖を入れてくれ、と注文する男、
完全に氷を溶かしきってから、ウィスキーを注文する男。
男はパチン、と指を鳴らす。
バーテンダーは振り向いて、にこやかに笑いかける。
男はニヤッ、と不気味に ....
君がぽかんと口を開けているのは
口の中で風が吹いているからだ
その正体が何であるのか
問う方法も知らないまま
ある日突然に
君は君であることに気づくだろう
そしてそれは
君が君で無いこと ....
幼子の泣いている君を
想像する
さらにそこにもう一人
想像する
赤い頬にはりつく
痛い涙を
拭うのはいつも
その片割れで
まだいらなかった私や
そこにあった言葉
きれい ....
街は、宣伝する車の謳い文句と、気にも止めない通行人を生贄にして
せり上がる暑さよりも、乾いた空虚さを従えていたので
僕等は、長い橋の上からきらめく水面を眺めている。
そこにありもしない目印を探し ....
わたしが放課後こっそりえさをやっていた
あの河川敷の林の猫を
あなたがちいさな段ボールに詰めたとき
ほんとうはおどろいたし
とてもかなしかったのだけれど
それがあなたの愛し方だと知っていたの ....
あの分かれ道
右へ流されてみることが
あの分かれ道
左へ巻かれてみることが
できずに
心のまま
選び進むほど
安息を諦めた者が
またひとり
雑踏に消えてゆ ....
言葉の刃が心に刺さり
それでも立ち上がる君を見ていた
夏の風がこの場所を通り過ぎて
太陽がただ私を照らしていた・・
人の優しさに縋るだけで
心がまるで成長出来ずに
否定ばかりで進ま ....
基本給渡して
それで終わり
基本給の愛情は
変換すると「亜衣嬢」って出る
君にとっては
おもちゃみたいなもの
シックスセンスよりセックスセンスが欲しい
と思ったけど
僕たちいつかは ....
君に出会って
感情は高ぶる為にあるのだと知った
君と話して
初めて
人間の声を聞いた
君と見つめ合って
今まで僕は
何も見えなかったのだと知った
君に触れて
僕は一瞬
....
ムイテモ
ムイテモ
薄皮の内に私が笑う
ステテモ
ステテモ
捨てているのはやはり私だ
美しく
咲くやもしれぬ蕾を千切り
残酷な子供がするように
一枚 一枚
私を剥いて捨てた ....
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