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神の乳ちぎりを思いついた俺の天才が怖い
さっそく準備のために買出しに向かう
街は色とりどりの銃弾で溢れ、幸せそうだ
もうすぐ、本当にもう、すぐだ。俺も幸せになる
神の乳ちぎりで俺は幸せ ....
おそろしげなる{ルビ杣人=そまびと}の
十人かかりて動かせぬ
切り倒されし杉ありき
杉と契りしむすめごが
赤き襷をきりと締め
えいやと綱を引きやれば
やれかなしやと大杉は
するりするりと ....
何度ささやいたかわからない
あいしている
のうち
一度だけは
「哀している」
と言ったのだ
きみは気づかないが
かなしもまた愛し
あいしもまた哀し
きみが肩に頭をのせているあ ....
三丁目の角を曲がったところでふと
君の匂いを感じたとき
なんてことないと思っていたのに
電子レンジに卵を入れて
しばらく眺めてから取り出し
破裂するかどうかを少しだけ考える
あれと似て ....
お久しぶりと
声をかけると
愛人は
この愛人はとてもよくできた愛人なので
泣いたり駄々をこねたりせずに
お久しぶりと
笑ってくれる
「連絡取れなくてごめんね。元気だった? ....
東大の赤門で
「ほんとに赤いね」
と言った私を
「ほんとにそんなこと言うんだね。ふつうだね」
と言っていたあなたは
鞄にこそぎ見える
赤いギンガムチェックのショーツを
「こんなにかわいい ....
不治の病にかかった
「愛している」と言おうとすると
「うすらトンカチ」と言ってしまうらしい
もう
うすらトンカチと言える君は
そばに居ない
ああ、うすらトンカチが
死語でよか ....
お互いに歳をとったら
春の日の縁側で
あなたの膝枕で
眠るように死にたい
と言ったら
あなたは泣いた
六畳間の安いパイプベッドの上で
まだ社会にでることすら想像できなかった
若かっ ....
やろうとしていたこと
鍵を差し込むべき鍵穴に
母のズロースを差し込もうとしていたこと
そうだ 父に見せなくては、と思い立ち
犬を連れて落雷を待ち焦がれていた ということ
落雷 ....
朝の寝床で聞く ででぽっぽぅ
は 夏の息苦しさ
貝塚の丘のぽっぽどり
何を歌うか
生の証を 風に乗せて
ぽー ぽー ででぽっぽぅ
鉄の扉 内には把手が無い
日曜の午後 鳩が鳴く
....
デート中
予算オーバーなりかけで
ふと見つけたATM
そこですかさず金下ろす俺
蛾を喰った
チョコレートみたいな味がするって
誰かの言葉
試したくなって
ちょっとした
興味本位で
蛾を喰ってみた
ジタバタするあいつ
捕まえると
毒になる粉
いっ ....
「おふとんに入った?」
「はい」
目を閉じて
わたしはあなたを
捏造する
雨があがると
わたしたちはいっせいにとびだした
雨があがったので
傘などはまったくもっていなかったが
雨はあがったのに
みな ながぐつでかけだしていった
ふたり
みほこちゃんとまこちゃん ....
黒いレースカーテンに透ける色ガラス窓が
めずらしい声で鳴きつつ
さっき
ひび割れてくのを
めでもみみでもはなでも
くちでもてでもあし
でもせいきでも
あなるでも
ないき
かん
....
困っている
と言えば助かるのだろう
けれど
それをしない
はずだ
決めつけてはいけない
咳払いでごまかすに過ぎない
言う気と勇気の発音のちがい
うしろめたさを知るためらい
....
あぁ・・・ また あなたですか・・・
何? 熱がまた出た?
何度あるんですか?
三十七度五分?
微熱じゃないですかぁ!
そんなのは 熱のうちに入りませんよ
僕たち医者が言う「熱」っていうの ....
昨日、詩ができました
世界の飢餓を嘆く詩でした
あまりによくできていたので
ごはんをいっぱい食べました
昨日、詩ができました
戦争に反対する詩でした
あまりによくできていたので
朗読 ....
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