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薄群青のみずうみに
なびく帆が、波に溶け込む光のなかへ
すべる様に遠のいていく
老竹色した山並みにいざなわれる
あのヨットの彼方には
岸辺など無くて
爽籟の湖面がどこまで ....
花の時期を過ぎれば
気にも止めないでいた
児童公園の隅にある大きな藤棚
敷かれた石畳に
風雨で煤けたコンクリートの
ベンチが三脚
赤茶けて錆びた鉄の藤棚の下で
ち ....
今宵手にとる梅酒のロック
漬け込んだ梅の実も
取り出してそのまま齧れば
甘酸っぱさの酔いが
心のうらがわまでしみてくる
溟い憩いにグラスを傾ける
私の手は苦い
梅の ....