学校の帰りに、駅のホームで電車が来るのを待っていると、女子学生が二人、しゃべりながら階段を下りてきた。ぼくが腰かけてたベンチに、一つ空けて並んで坐った。「こんど、太宰治が立命に講演しに来るねんて」「そ ....
それは神様でも
たぶん知らなかった
── hound dog
何か言ひ残すかのやう春の雪
やがて散る花もたしかな今を咲く
鶯や健やかに ....
昨晩見た夢は
わたしのあたまのなかに
かろうじて残ってはいるが
触れることはできそうもない
かたちないもの
見たといっても
まぶたはとじられていた
不思議なことだ
朝はかたちあるも ....
この星の全域が、
スラムと
清潔な街とに
分断され、
難民と
エリートに別れても
まだ君は
未来を信じるのか
正義が強制され、
否定する者が眠らされても、
まだ君は
未来を信 ....
二年くらい前、ある詩人に、萩原朔太郎は好きですか、と尋ねられた。嫌な質問だった。というのも、この手の質問では、たいていの場合、好きか、嫌いか、といった二者択一的な返答が期待されており、それが、詩人の好 ....
あの頃 樹にもたれて 眠っていたきみを
切り裂いたのものは
きっと 誰かの作り話で
仔猫が、お腹を空かせていたのだろう
という 事になっていて
なぜないているの
と ....
小学校四年生のときに読んだ『フランダースの犬』が、すべてのはじまりだという。実際、彼の作品は、神を主題としたものが多い。二十代までの彼の見解は、サドが『閨房哲学』の中で語ったものと同じものであった。「 ....
■同じ少女■同じ男の子■同じ世界■同じ場所■同じ小路■同じ国■同じ地方■同じもの■同じ言葉■同じ見方■同じ人間■同じ問題■同じ階段■同じ手段■同じ方向■同じドア■同じ形■同じ理由■同じ意味■同じ場所■ ....
近くの公園で
詩集を読んでいると
小さい虫がページのうえに
で
無造作に手ではらったら
簡単につぶれて
ページにしみがついてしまって
で
すぐに部屋に戻って
消しゴ ....
あさ、仕事に行くために駅に向かう途中、
目の隅で、何か動くものがあった。
歩く速さを落として目をやると、
結ばれていたはずの結び目が、
廃棄された専用ゴミ袋の結び目が
ほどけていくところ ....
古い骨の破片を取り出し
命を再生できる世界
もう一度生かされ
3025年に生まれたなら
何を見る
何を選ぶ
同じ過ちは
冒さないか
結局孤独に
彷徨うだけか
バイオの技術も ....
白い牙を覗かせて、
獰猛なうねりが崩れ落ちる
老いた小舟は
海の奈落へ吸い込まれてゆく
ゴオオオーと大波は唸り、
水の壁をふたたび聳え立たせる
曇った空には、
騒ぎ啼く海鳥たちが浮か ....
わたしはサイくんのおしり
おしりにできたぶつぶつのおできです。
でもサイくんは、どんなにかゆくっても
てでかくことはできません。
(だって、てがとってもみじかいんだもーん)
あしでか ....
ああ、神様、
私は煮詰まっています。
午後の週末です。
それは非常に活発な議論です。
あなたのひげに会えて良かったわ。
長い間、会議に来なかったわね。
主人は自分の携帯電話で滑って眠りに落 ....
Who’s in your heart now?
誕生日、おめでとう。ぼくはあなたに言った。
全身がおれのストレッチだ! ははははははは!
陽気な日だ、きのうみたいに、特に憂鬱なことはない。 ....
草臥れたぼくを折りたたんで
シャボン玉みたいに脆い
紙飛行機
ため息に乗せて飛ばしたんだ
きみのところに届いたら
開いてみて
きみの瞳に映る時だけ
ぼくは ぼくでいられるから
....
去年の秋のことだ。
老婆がひとり、道の上を這っていた。
身体の具合が悪くて、倒れでもしたのかと思って
ぼくは、仕事帰りの疲れた足を急がせて駆け寄った。
老婆は、自分の家の前に散らばった落ち葉を ....
ボーナス制度とは搾取ではないか。
封建制度の名残である。
賞与は褒美として渡される。
縛りつけるつもりなのだ。
(ボーナス入るまで、やめないでねって。)
給与だけなら12回の手 ....
高級官僚になれますように
七夕の短冊に、そんな願い事が書かれてあった。
デパートの飾り付け。
ユーモアあるわね。
それともユーモアじゃなかったのかしら?
ひばリンゴ。
ひばりとリンゴを ....
やがて白銀の景色は薄桜に染まり、
雪風は砂風となってアフリカの砂漠へ移り吹く
ぐにゃりとした冷たい肌のやつは、
サハラ西岸の浅海で捕れた後、冷凍されて
TAKO と記された紙箱に詰められ海 ....
青ざめた桜
曇り空に溶けて
骨みたいに冷たく
もう触れられない
君の影が枝の隙間で
揺れてる、
揺れてる、
その下で
骨は石に閉ざされ
重く黙っている
私の胸に
苦しみの波が
....
私たちが暮らしてゆくのに、
米を買うのにも窮するような毎日だったら
きっと憲法第25条は守られていない
ご飯と納豆だけの朝飯を食べ、
お昼は抜いて、
夜はカップ麺を食べて眠る
そん ....
千人の仙人、殴り合う。
それが、最初のヴィジョン。
笑っちゃうだろ。
もちろん、「僧侶」のパロディさ。
有名な詩人たちが殴り合うのも面白い。
だれが、だれを殴るのか、興味があるし、
殴り方 ....
『詩人の素顔』という本を買った。
シルヴィア・プラスのことは
ガスオーヴンに、頭を突っ込んで死んだ詩人
ってことくらいしか、知らなかったけど
読んでみたいと思った。
死に方にも、いろいろある ....
私が何も新しいことは言わなかった、などとは言わないでもらいたい。内容の配置が新しいのである。
(パスカル『パンセ』断章二二、前田陽一訳)
もはや、われわれには引用しかないのです。言語とは、 ....
ベルゼク、ダッハウ、ビルケナウ。
このあいだ、阿部ちゃんの勤めてる旅行会社が
収容所体験ツアーを組んでた。
現地の施設で実体験できるなんて
とってもステキ。
ひとつに砕け ....
あっ
それ、何
引っ越し祝い?
あはっ
ありがとう
でも
よくわかったね
ここが
それに
こんなに朝早く
休講だったの?
そう ....
学校のトイレの窓ガラスは、むかしから割れていた。
洗面台の鏡の端っこに
生乾きの痰汁がへばりついている。
その鏡に、学校と隣り合わせに建っている整形美容外科医院の
きれいに磨き抜かれた ....
静寂を沈めた海が、満月を映している
白い泡を浮かべた幾度目かの波が、
今夜も踊らない砂浜を濡らして、
ひとりの足跡が、塔のある岬までつづいた
打ち寄せる羽ばたく声と、
幼い飛沫が果て ....
最初の出だしはこうよ。
ポプラ並木に寒すずめが四羽、
正しく話してると、
うつくしい獣たちが引き裂くの。
クレープが好きだと言ったわ。
魚座の男が好きだとも言ったわ。
鉄分の多い多汁質 ....
おまるさんのおすすめリスト
(196)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
LAUGHING_CHICKENS_IN_THE_TAXI_ ...
-
田中宏輔
自由詩
15*
25-5-26
嘘つきごっこ
-
森田拓也
俳句
17*
25-5-25
鳩
-
そらの珊 ...
自由詩
21*
25-5-24
That's_smart_
-
atsuchan69
自由詩
17*
25-5-22
MELBA_TOAST_&_TURTLE_SOUP。_カリカ ...
-
田中宏輔
自由詩
15*
25-5-19
to_iU
-
ryinx
自由詩
14*
25-5-17
百葉箱のなかの祈禱書。
-
田中宏輔
自由詩
13*
25-5-12
SAME_OLD_SCENE。
-
田中宏輔
自由詩
10*
25-5-5
100人のダリが曲がっている。__
-
田中宏輔
自由詩
13*
25-5-5
THEN。__
-
田中宏輔
自由詩
15*
25-5-5
3025
-
海
自由詩
11*
25-5-3
安らかな茫々
-
atsuchan69
自由詩
16*
25-5-1
ぶつぶつ。
-
田中宏輔
自由詩
11*
25-4-29
いま一度、いま千度、
-
田中宏輔
自由詩
14*
25-4-27
ぼくは、あなたの大きなおっぱいで終わりました。
-
田中宏輔
自由詩
10*
25-4-23
Paper_airplane
-
海
自由詩
11*
25-4-19
横木さんの本を読んで、やさしい気持ちになった。
-
田中宏輔
自由詩
16*
25-4-17
懲らしめてやりなさい。
-
田中宏輔
自由詩
16*
25-4-10
DESIRE。
-
田中宏輔
自由詩
12*
25-4-3
桜飯
-
atsuchan69
自由詩
17*
25-4-1
Bone
-
海
自由詩
10*
25-3-28
憲法第25条
-
atsuchan69
自由詩
17*
25-3-27
亀の背に乗って帰る。
-
田中宏輔
自由詩
12*
25-3-27
WHOLE_LOTTA_LOVE。
-
田中宏輔
自由詩
15*
25-3-24
Lark's_Tongues_in_Aspic。
-
田中宏輔
自由詩
12+*
25-3-17
千切レタ耳ヲ拾エ。
-
田中宏輔
自由詩
11*
25-3-10
こんなふうに
-
田中宏輔
自由詩
13*
25-3-3
窓。
-
田中宏輔
自由詩
10*
25-3-3
グィネヴィアとエレイン
-
atsuchan69
自由詩
14*
25-3-1
タコにも酔うのよ。
-
田中宏輔
自由詩
15*
25-2-24
1
2
3
4
5
6
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