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思う、
考える、
短くため息、
ポテトチップスをかじる、
続ける、
恋をしている、
わたしはシマリスより忙しい
離れていく、指先から徐々に
枝分かれして漂う
時間の波はいつ ....
生きていくための強度が足りない
ということは
状況の好転にすら
たえられないという
ことで
まず
善意に
たえるだけの
力がない
容易に悪意にうつる
ものを
うけとったときに ....
埼玉から都内の西に越して
一部屋減った
3LDKの都民住宅
なにも家具が入ってない
下見のときは
とても とても
広く見えた
が!!!
おとな5人と成猫2匹には
狭い ....
箱庭の中に
ふりそそぐ春の雨は
ぎんいろの ひかり
松の木の葉の先の
あの ほそいほそいところまで
全部 ゆるす みたいに
丁寧に 丁寧に降る雨
小鳥が
木の下で雨やみを ....
ざぶざぶと流れてく
川は 孤独を知らない
ゆらゆらの橋を渡る
透明な人たちを
見送る僕は
少しだけ こどく
遠く遠くの
さざなみの
空と雲と ....
{ルビ微睡=まどろ}んで、乗り過ごすうちに
春まで来てしまった
0番線から広がる風景は
いつかの記憶と曖昧につながっていて
舞いあがる風のぬくもりが
薄紅の小路や
石造りの橋や
覗き ....
濁った沼のある寂れた町に
マリーという女が住んでいた
マリーの本名は誰も知らない
彼女は
夏の真夜中のような眼をした
中々の美人であったが
友達はいなかった
若者はみな都会 ....
身分証明書を
と言われて財布を探ったが
パン屋のレシートがぱらりと落ちただけ
カード入れにはブックオフのカードだけ
午後の図書館だった
カウンターのミセスは
住所と名前が記されている ....
淡いグレイの海を静かに泳ぐ
誰かの寝息をかき混ぜないように
息継ぎには特に、気を使って
暖かい雨の日に、虹の継ぎ目を待ち侘びている
もう一度の再開、名残惜しい名前を
呼ぶ声を迎えにいける ....
かあさん ぼくのスニーカーは?
今さっき飛んでったわよ
靴 サンダル ハイヒール
空にうようよ浮かんで
絶好のはだし日和
こんな日はミーミームウに会えるかも
あわてて家を出 ....
僕の部屋からは
プラットホームが見下ろせる
知らない人ばかり詰め込んだ準急を
この窓からいつも見送る
ここは始発駅だ
短い旅程の百度参りを
飽きることなく繰り返す
乗車率427% ....
眠れない夜なら
突然に消えてしまうことにしましょう
ぼくらは明日には
トラックに轢かれてしまうのです
それは
きっとどこにあるか分からなくなった記憶より先に
肌からにじみ あふれ出 ....
少し湿った空気のせいにして
ずっと見つめていられない
まばたきするのと同じ一瞬で
咲いては散る火の花は
たくさんの星を集めたように
火薬の匂いをひいて流れてゆく
ほら
星が夜空に ....
あたらしい神様が来るまでは
原価計算や伝票処理をするふりして
午前中の時間をつぶして
昼休みに会社の近所のコンビニに行ったら
あたらしい神様が
少年ジャンプを立ち読みしてた
午後になっ ....
台風が近づいてくるという
天気予報通りに降りだした雨に
慌てて部屋の窓を閉めました
(淋しさというものは
そんなささいなところに隠れていて)
窓の外から聞こえてくる雨音を
半歩遠 ....
いくら温めても孵らない夕暮れに
灯りはじめた明りが視線にぶら下がっている
帰り道を間違えた私は
街角を覆う木の下で傾くようにして
蝉は鳴かない
明日への蓄えを手のひらに溜めるようにして
燃 ....
{引用=
水は低いほうへ流れてゆくのだよ
}
空がようやく白みはじめた
霧の山小屋
去りゆく人の走り書き
{引用=
めざとくえらんで流れ込み
いつかは、とまる
....
悔し紛れの薄闇は
投げつけた卵の黄身のなかにかくれた
まだ夜は知らない
夕焼けばかり見ている
今日はもう帰らない
ビビッドは細胞を壊すの
今日はもう帰らない
太陽 ....
ソーダ水の泡を見てたら
空を食べてみたくなった
どうしたらいいものかと
蟻さんに聞いたら
僕のうちにおいでってさ
蟻さんに連れられて家にいったはいいが
....
寒がりの猫の丸い背中
繋がった手と手の行方とポケットの中
氷面を渡る
ような
流れの中で目を閉じる
おーるうぇいず・こーるど、の
僕の足跡の
爪先が少しくぼんでいること
君は気 ....
今日は庭に積もった雪に、
カルピスをかけて食べました。
雪のかき氷は、冬の妖精さんの味がしました。
ママは白い着物の袖を振り回して、
「越冬つばめ」をアカペラで熱唱しています。 ....
ちべたい ちべたい 水の底から
お空をつかもうとする
でも、おいらは手足が短いから、うんと伸ばしても届かない。
でも、いつか、絶対につかむんだ。
必死につかもうとして、ど ....
自分が
突然きれいに感じるときは
かかとを持ち上げ
太ももを感じながら
クシャクシャと
髪などほぐすと
女の
酔った
匂いがします
たまらず
白い肩に
くちびる這わせば
愛 ....
誰もいない空は
誰もいないままにせよ
シビレエイに
さわったことはない
海のふくらむ昨日
しらないことは
ありすぎる
とおりすぎても
とおりすぎても
新しい
舞い散る雪はどれも均等に白く
ぼくの体温を盗むほど 冷たい
吐く息は白くて、
ぼくを付けてくる足跡すら白い
....
あなたは遠くを見てるから
わたしは何を見てるのか
あなたの横で当ててみる
「空」
「・・・(無言。恐らく、ブッブーの意味)」
「鳥」
「・・・(無言。恐らく、ブッブーの意味)」
....
いちょうの葉
透明な光の中を
スイ スイ スイ
空の海泳いで
スイ スイ スイ
でも それきり
地面にふれて
動かなくなった
谷川を渦巻きながら
流れ落ちてゆくもみじ
渋谷ハチ公前では
渦巻きながら人を待つ
海猫類のランプたち
ボクのこころに
君をしのばせ
月夜の草原を
駈けていこうか
カンガルー・ポシェット
君が
さむいよ、
なんて言わないように
幾重にも
大事に抱きしめて
君がさむくなかったら ....
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