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去年の十二月から
見守る越冬サナギ

今日も
葉っぱで巻かれたように
微動だにしない

もしかして
羽化を忘れて
もう何年も越冬している

のかもしれない

もしや誰かが ....
古文書のようなカルテを
棚に そっとしまう

このときが
いちばん気を遣う

開院当初からの
患者様が多い

カルテは自然と分厚くなり
傷みがひどい
修復しても追いつかない
 ....
小学生が喜びそうな話だな
と、思いつつ

夫は
かなりの頻度で
放屁する

生きてきて、此の方
こんなにする人に
出会ったことがない

恥ずかしかったのは
道を一緒に歩いていた ....
朝の通勤 
今日から上着は春用

とことこ歩き
いつもの畑にさしかかる

すぐ横で
おじさんが葱を抜く

とたん
土の匂いに包まれて

胸いっぱい
深呼吸したら
からだ ....
娘の卒展へ行くため
阪急電車に乗る
神戸方面へ

降りたのは
懐かしい駅

娘が幼い頃
二人で訪れた動物園

記憶にあるのは
平日で空いていたのと
曇った空
彼女のつむじ ....
私の住む家は賃貸

先日
リビング横の柱に
鉛筆で書かれた
数字と線を見つけた

よく見れば
身長を測った印

一三九センチから
始まっている

──中一で一四八センチか ....
節分の豆まき用の
落花生

結局
「鬼は外 福は内」は
やらずに寝た

今夜
ウィスキーのアテに
落花生

パキッと割ると
左右に分かれて
一個ずつ

なんだか
悪 ....
ランチタイムを
だいぶ過ぎたお店

無性に
食べたくなった パスタ

語り合う
二人の女性のほか
誰もいない

海老と 
ブロッコリー入りの
トマトクリームパスタ

だ ....
先日、都会の真ん中で、空から落ちた星をいただきました。

今年最後のライブに行くため、妹と大阪へ出かけました。
休日が重なり、朝から出かけて、夜のライブまで、大阪をぶらぶらすることにしました。
 ....
朝に聞いた曲
心の目が柔らかく開く

見落としていたもの
忘れていたこと

目玉焼きのカタチに
母が

洗濯したハンカチの色に
父が

リキッドの眉墨には


私の ....
娘と話した夜
相談にのっているうち
白熱し過ぎた

彼女の心を
置き去りにしたことを
謝罪する

彼女は私ではない
私の轍を踏むと
見当違いも甚だしい

それがきっかけ──
 ....
散歩の帰り道

ガス会社のフェンスに
ひとさし指先ほどの
緑のサナギ
アゲハの類か

細い指先で畳まれた
葉っぱのようで、
その美しさを観察する

雨風を凌げるものなど
周りに ....
私が髪を切るとき

羊羹を包丁で
切るみたいであってほしい

髪型を変えても
大抵、夫は気づかない
それでいい
なぜか
それがいい

髪を切るのは
飽き性の私の
ささやか ....
すこし悲しみのある朝

昨夜に知ったこと

少し期待していたこと

そんな想いはもう無いと思っていたけれど

朝目覚めて

胸にじわじわと広がる

少し滞る朝ごはんの支度
 ....
冬は 
つま先からやってくる

朝の換気のあと
畳を踏みしめると

つま先に
じわっと
寒さが滲む

つっかけを履いて
ゴミ出しに出れば

つま先に
冬を感じる

お布 ....
昨年の冬 
ついにグランドフィナーレを迎えた

一年半訪れず
そして再びの来訪に驚き
慌てふためき病院にまで行く

「そういうこともありますよ」

お医者様の言葉に安堵した
確 ....
今夜も その笑顔に癒されている
カウンターで
コースターを弄りながら話す

目の前のグラスは
緑の照明にぼやけて滲んでいる

近すぎる席に感じるのは
貴方が大柄だからでしょうか
 ....
夢は記憶の足跡とも聞く

舟に揺られ、震えて叫んでいた

夕暮れよ 
あなたは気まぐれで
私を弄んだまま、夜ヘ送った

夜よ 
あなたは私をその底に沈め
耳を塞ぎ、目を覆わせた ....
今日は結婚記念日

親友の誕生日と一日違い
いつも、どっちか分からなくなる

親友の誕生日を思い出してから
結婚記念日を思い出す

おそらく 夫の方は完全に忘れている

試しに ....
新聞という情報ツールに
改めて、心底感心させられる

新聞配達をしていた十代の頃
それは重くて辛い紙束
それはただの新聞紙

日曜日の午後、夫の髪を染める
風呂場へ行く夫を見送り
足 ....
白くて水をたっぷり含んだような手

節の見えない長めの指

綺麗な淡色のマニキュア

カウンターに置かれたそれは
何か美しい生き物のように魅惑的で

コツコツ ....
最近 目方が増えた気がする

八月の検診以来
体重計には乗っていない

でも 増えているのは確か
このデニムを履くとわかる

おそらく 新米のせい
二杯食べてしまう 新米のせい
 ....
今朝 
植物たちに水遣り中 
衝撃が走る

私のサボテンが
土の上に倒れていた

唖然としていたら

「サボテンがコテン」

チラと見た夫が言う

西宮から一緒に越してき ....
遠くで

洗濯機が動く音を聞きながら

二度寝を楽しむ

夜明け前

目のよくない夫は

迎えにきてくれた友達と釣りへ

ほんのすこし 

ホッとする

この気持ち ....
小学生の頃、土曜日、たまたまついていたテレビから、心を鷲掴みにされる歌が流れてきた。

それはエンディング曲で、その時は何の番組かは分からなかった。
放送局はNHKだった。

翌週の同じ時間 ....
道路工事で

職場前の道は渋滞

ブラインド越し見える作業員の人たち

若い人が一人もいない

砂塵と高湿度の靄の中

上下するヘルメット

ドア一枚隔てたこちら側は

 ....
妹の娘は
私に似ている

彼女が産んだ赤ん坊
男前ではないけれど
愛嬌のある顔
知り合いの可愛いおっちゃんに
似ている

彼は私を一生懸命見つめてくる
私が何者か分析している

 ....
なんだろうなぁ
この感情は

分析すると

遠慮
気後れ
申し訳ない
いたたまれない
もっと役に立ちたい
もっと会いたい

帰り道はいつも

なぜか

幸せな気持ちと共 ....
妹とふたり
霧雨のシンフォニーホール

舞台の上はふたり
セピア色の照明に浮かび上がる

息を吸うたび
音が全身に満たされる

長く透き通る高音の波が
眉間を通過し
思わず目 ....
新米を炊いた
土鍋で炊いた

二人暮らしなので
小さな二合炊き

二十分蒸らして
蓋を開ければ
しあわせの香り溢るる

神棚に供えて
日々の糧に感謝

「こんな美味しい米 ....
リリーさんの花野誉さんおすすめリスト(48)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
黙するサナギ- 花野誉自由詩15*26-3-6
紙のカルテ- 花野誉自由詩18*26-3-4
筋金入り- 花野誉自由詩8*26-2-27
春のごちそう- 花野誉自由詩18*26-2-27
ひかりをもらう日- 花野誉自由詩20*26-2-17
賃貸- 花野誉自由詩14*26-2-12
落花生を割る- 花野誉自由詩21*26-2-4
トマトクリームパスタ- 花野誉自由詩13*26-1-31
空から落ちた星をもらった日- 花野誉散文(批評 ...7*25-12-20
そこかしこ- 花野誉自由詩19*25-12-16
シミ- 花野誉自由詩10*25-12-8
越冬サナギ- 花野誉自由詩13*25-12-7
羊羹のまま- 花野誉自由詩16*25-11-30
すこしの悲しみ- 花野誉自由詩14*25-11-26
つま先の冬- 花野誉自由詩15*25-11-20
グランドフィナーレのあと- 花野誉自由詩8*25-11-19
ひととき- 花野誉自由詩6*25-11-17
夢の足跡- 花野誉自由詩19*25-11-15
気づかない記念日- 花野誉自由詩13*25-11-13
足元の新聞- 花野誉自由詩13*25-10-27
あわいの手- 花野誉自由詩13*25-10-24
心太- 花野誉自由詩9*25-10-23
サボテンがコテン- 花野誉自由詩17*25-10-5
安心を預けて- 花野誉自由詩16*25-9-28
再び出逢う人形劇三国志─土曜の午後の記憶- 花野誉散文(批評 ...7*25-9-21
砂塵のむこう- 花野誉自由詩12*25-9-15
気が合いそうな予感- 花野誉自由詩15*25-9-13
子心- 花野誉自由詩15*25-9-11
響き- 花野誉自由詩14*25-9-6
光るごはん- 花野誉自由詩18*25-9-1

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