なんとさびしいのだろう
       どこまでも青く透き通る
       夏の空を見上げ
       忘却の罪を知ったのは
       いつ ....
城の広場の片隅で
なすすべもなくヴァイオリンを弾いている
餌をくれるんじゃないかと
鳩だけが集まってくる


老人は長年勤めた役所から自由になった
巨大な甲虫は目立たぬよう息を潜めて
 ....
 水の夢を観た
 水を呑む夢でなく、
 水にまつわる夢でなく
 水、そのものの夢
 個体が液体になったのか
 自我が消失したものか
 ぼくにはわからない
 その夢のなかでは
 光 ....
きれいだね、
ほんと
きれいだね

ひさしぶりの
ふるさとの浜辺で
花火を
とおく
みつめながら
やわらかな笑みをうかべていたきみを

うちわと、浴衣と、えくぼと
海のにおいと ....
背骨をなする
指の腹
おうちに帰る
無事でいて
空の青にはいつの間に
雨雲いっぱい埋め尽くし
不安と恐怖
込み上げて
思わず
言葉にすがりつく

ずぶ濡れのまま横になり
ずぶ濡 ....
すべて、滅びるために
すべて、花開くために
人は永遠の登攀を試みる

高みへと

 森の眩暈するような蝉時雨のなか
 陽が落ち地球という宝石箱が
 辺り構わずぶちまけられるまで
 走り出せども涙止まらず

 外見で損していると気づく夜

 悟られて敗北感

 諭されて敗北感

 彩る花も不要な月光
ステイホームの重い雲を見上げながら
仕事のついでに郡山に出向いた
賛否両論で割れる早春の空
聖火リレーの案内がくくりつけられていた大通りを
ひとり 歩き続けると
スタジアムのある大きな公園に ....
  それはまるで
  昨日の太陽のさんさんと
  眩しいばかりの煌めきで在り
  今日の雨のしとしとと
  深く深く浸み込むさまで在り
  いつかの風がそよそよと
  凪い ....
炊き出した言葉を
のどに詰まらせて消費してしまう
地面にボトッと
ああ 何もするんじゃなかった
お寺に電話する。月命日、断りの。
運よく住職がつかまった。
土曜のあさ、雇われ僧侶が来た…
(matamoya boukyaku shiyagatta)
お人よしの内のが断りもせず、家 ....
水の声を聴くがいい
水面のゆらめきに影をとられ
なお掴みがたきひとよ
あなたもまた歴史の谷を
流れる水の影なのだ
水は石理を濡らし
戦禍をまたぎ
あなたの口を潤した
だがこの水 ....
小さな君が笑うと
その笑顔にみんなは恋をする
君が笑うときその笑顔は
すべての古いものとは異なり全く新しく
君はそのたびに再び誕生する
小さな君はまだ何も知らないから
かえってすべてを知り ....
病院の午睡時は
誰も居なくなる
ただ人の気配だけ
影絵のように残り
自分が此処に居ることが
怖いくらいはっきりと浮き立つ

病院の午睡時は
誰も居なくなる
ただ人の気配だけ
影絵の ....
君が振った手は
大人になったのに
星を掴むには
小さ過ぎるから
僕が見ている光は
動かずに
さよならを言葉にしない
秘密基地みたいだ
人がいなくなった庭は
草がぐんぐん伸びて
かつてその地に眠った心臓のありかを隠した
もう探し出せないし
探そうとする人もいない
よく見ればブルーベリーが細々と実り
小鳥が集う楽園になった
 ....
帰らなきゃ
ずいぶん長い間歩き続けて
いくつもの分かれ道を
悩みながら選んで来たけど


ここには何もない
帰らなきゃ…どこへ?


分かれ道で選んだのは
安直なリスク回避をした ....
例えば
広瀬すずの耳たぶを
軽く噛んでみたいと思う
タイソンみたいに
噛み千切りたい訳ではない
軽く甘噛みしたいのだ
だから
広瀬すずが
私を表敬訪問したら
金メダルを持っていようが ....
焼きついてしまった夜よ、
アオカケスが鳴きだしてしまうまえに
壊れかけのストロボからにげ
海の跡をたどる二人のすがたを
巨人のごときかいなで隠してはくれまいか。
琥珀色のひとみたちが ....
 ・《善罪》- うまい - 満腹刑



 ・《接着罪》- くっつきすぎ - 熱湯刑



 ・《木罪》- 便利 - 伐採刑



 ・《錠罪》- こだわりすぎ - 溶 ....
寝返り

温もり
匂い

独り
前期の授業最期だった。
無事過ぎたことが何より嬉しい

友達は一人もいないけど。
とにかく次の目標は、再試験を受けずに済むことだ。
がんばれ私
あの人も頑張ってる
昨年のこと
とある詩のコンクールの審査を依頼されて
はい、はい。と気軽に引き受けた
どうせボランティアなんだから
身構えるほどの責任もないだろうし
兎にも角にも
年金詩人は暇だったのだ
 ....
夏は、アスファルトの匂いがする
横断歩道が、浮雲の橋だったりする
昨日は夕陽が夢のように綺麗な絵画をみた
眠れてなどいない、ただ透きとおっている

血まみれのイノシシが
ビルの間を ....
縁側に座り西瓜を食べながら
その黒い種を口から飛ばす
黒々として立派な弾丸は遠くまでよく飛んだ
白くて未成熟な種は気がつかずに食べてしまったかもしれない

夜、蚊に刺されたあとをかきながら
 ....
      わたしは考える
      寂寥について
      独り寝について
      細胞のひとつひとつに
      寂しさや孤独、不安が
      住み着いているのだ
  ....
夏は静かな川遊び
彼岸に逝く人
此岸に来る人

水の流れは絶えずして
海の潮を落としては

彼岸から此岸まで
川から河童もやって来る
夜の河を渡り、
艶やかな曙光の漏れる
真っ暗い雲の拡がりをただ眺める
漸く拳大の握り飯を噛り、
竹筒の水を飲む。

水は、化粧の匂いがした
ふと剣鉈を抜いてみたくなった
微かに残った夜 ....
本当に美味しい物 味わいたかったら
めいいっぱい腹を空かせるか
先に不味い物食べておいた方がいい
かも知れません

私は卑しい男でございます
女性と美味しい夜をたのしみたかったら
その前 ....
ロンドンの街は薄曇り
ブーツの踵が取れちゃった
令和9年さんのおすすめリスト(57)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
忘却の永遠- 石田とわ自由詩3*21-8-14
プラハ- 藤原絵理 ...自由詩4*21-8-13
- 中田満帆自由詩521-8-13
遠花火- 草野大悟 ...自由詩421-8-12
横臥- ひだかた ...自由詩521-8-11
登攀- ひだかた ...自由詩6*21-8-10
自由律俳句「食べられる退屈」(74)- 遊羽俳句2*21-8-10
郡山ヨーク開成山公園- 松岡宮自由詩721-8-9
雨上がりの日に- 石田とわ自由詩7*21-8-9
吃り- 遼旅自由詩121-8-8
しょうむない勘- ナンモナ ...自由詩3*21-8-8
水の声(改)- 新染因循自由詩6*21-8-8
新しい誕生- 葉leaf自由詩121-8-8
病院の午睡時- ひだかた ...自由詩621-8-8
- ミナト ...自由詩521-8-6
青空オルガン- そらの珊 ...自由詩9*21-8-6
帰りたい- 藤原絵理 ...自由詩221-8-5
私にも噛りたいものがある- 花形新次自由詩221-8-5
ストロボの夜- 新染因循自由詩5*21-8-4
しけい- 津煙保存自由詩6*21-8-4
寝所- ヨロシク自由詩121-8-4
看護学校日めくりカレンダー8月3日- 杏っ子自由詩521-8-3
一次審査のひと- たま自由詩13*21-8-3
海底の街- 秋葉竹自由詩521-8-2
西瓜な季節- そらの珊 ...自由詩9*21-8-2
揺るぎなきもの- 石田とわ自由詩9*21-8-1
夏休み- ひだかた ...自由詩921-8-1
苔の滝- atsuchan69自由詩8*21-8-1
美味しい物食べたかったら- こたきひ ...自由詩321-8-1
百舌- セガール ...自由詩121-7-30

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