子どものころの私にはロールモデルがなかった。こうなりたい、という目標がぜんぜんなかった。高校生になってからは国語教師(女)に憧れたり、パティ・スミスになりたいなーと思ったりしたこともあったけれど、現実 .... 覚えていること
今日覚えていること

財布の整理をしたこと
アロエの葉っぱの伸びように驚いたこと
死ななかったこと
皿を割らなかったこと
急ぐことはないということ
いずれいろんなものが ....
揚子江の上流に見慣れない生き物がいて
現地の人は成人の儀式にそれを食べる
雨の降る夜はいつも
腹の中で卵が孵って
鼻の穴から糸が
するすると
巻き付いて
柔らかな
殻になる

 ....
レッグウィップレッグウィップ。足元にじゃ
れつくウィップ。遠ざかる遠吠えにウィップ。
深夜のアスファルトに水滴。薄い雨粒。オゾ
ンの微膜が地表にはびこり地球を覆いつくす。
オゾンウィップオ ....
ハジメ
空から
電波

によると
によると
よると
よるとに
よるとにい
よるとにいち
よるとにいちゃ

夜とにいちゃんがたたかって
たたかっているにいちゃん負けながら
負 ....
 13階建てのマンション
 焦茶色の非常階段
 オレンジ色のバスケットボールが
 弾んで落ちる



 送電塔の電線が
 切れて
 絡まり
 踊り場の縄跳びの少 ....
やわなきの、皮膚に張りついて。
あざやくを、知らないように。

ぼくらいは、見ない。感じる。
ことを、知らない、視線。

ぬまくるを、知らない。
(他は流れる)
ように流れるよ ....
 




 男の部屋なんて
 臭くてオナニー三昧だ
 自分ではわからない臭い
 自分の臭いしか返ってこない毛布
 畳にころがった週刊プレイボーイ
 ビデオを借りに行くほど熱心じゃ ....
出口がない
そう感じたら
潜れ
潜れ

水死体みたいに
朝の空を流れる

昨日の夜
大阪環状線で
車両事故

ムナシイ
家と反対に
生まれた方へ
帰る

夜をとおりゃ ....
 
トンネルに入ると僕と弟は息をとめた。
車窓越しに流れていくオレンジ色のランプをながめていた。
出口はまだ見えない。

出口が遠くに見えはじめた。僕と弟は苦しくなりはじめ、
父はアクセル ....
男には三種類のタイプがあって
ひとりはイブに惚れる
もうひとりはマリアに惚れる
残るひとりはリリスに惚れる

というのを私は15歳のとき何かで読んだのだが
そのときすでにじゃあ私はダメだと ....
のび太の意識は、深い昏眠の中を、ほつれていく、かなり遠くから力強い声が、赤色のガラス瓶の中を、散らばっていく。

僕は、命令者だと叫んでいるオトコがバルコニーに立っている。

彼は消えてしまい ....
こまったことばかり
おこる

自分の身の丈がわからなくなってしまった

それで窓を空けて
手帳ももたずに
スキ間があき加減の
スケジュールやりくりする


東の空に火の手があがる ....
ストーブが話す、「赤はすべて夕焼けなんだ」と。世界がドーナツのようでぼくは嘘をついた。「きみは笑っているようにみえるよ」。ストーブの彼、嬉しそうだ。雨の音、の、記憶。たとえば階段をのぼればきみがいない .... 結婚したてのころ
奥さんがバスンバスン布団を叩く音を聞いて
親のかたきじゃないんだから何もそんなにまで
なんて思ったけど
十年目に
「布団は親のかたきなの」
衝撃の告白
親のかたきに ....
     今日が終らないうちに
     明日が終ってしまうと言うので
     なにか記念に残るものを、と

     昨日の時間をタッパーにつめて
     最近買った冷蔵庫の真 ....
母方の祖母の雪江さんは
70歳くらいでガンで死んで
お通夜の次の日に突然生き返った

その時なぜか僕1人しかいなくて
雪江さんは自分の死化粧を見て
「えらい別嬪さんやなぁ」となぜか ....
どうにもやるせない自転車です。雨水の玉つぶてなサドルの革を「そうでもなく茶色だ」と言って、拭き取ればままよ、と走りました。光、スロウ、アウェイ。そして溶解するするりとした残像を肴に、ウィスキーに言い訳 .... あなたの好物を作ろうと
夕暮れ
サンダルを引っ掛けて買い物にでる

昨夜の 些細ないさかいの 償いに
海老の殻を
無心でむけば
いとおしさに変わるような気がして
という
無邪気な ....
     どこから。


     
     ひやりとしている土の上で生きている梢の揺れる(揺れる)末端に刺さる光、が








        わたしの温い肌に染む ....
君と僕は天気予報をしよう。小さな声で。今日のことで明日のことを考えるので、植物がのびるようにそのまま続いていくから、おぼろげな勘でいい。


ウェザー・リポート、ウェザー・リポート。スープはトマ ....
大丈夫、シナチクは食べられるから大丈夫。

大丈夫、海を渡らなくても大丈夫、
溺れるなら、歩いてゆけるから

優しいのは同じで、寂しいのは八分目。
だからいつも同じ髪型でも平気

いつ ....
なぜだか忘れてしまったりするので
書いておく
そこにも あそこにも

ピリリと鳴ったり 震えたりすると
ポケットの上から触れずにはいられない
現代人なのですか といわれればそれはそうですが ....
素敵なうた
1、2、3、4、
マンホールから地鳴ればいいのに

工事中のサイン
伊勢丹のてっぺんから果てしなく闇夜
ぼんやりとすりきれた空
咲く花

泣くだけ泣いて水分ゼロで干からび ....
喉の奥を製本したような風邪をひいて
いっそのこと美しく装幀されて図書館でカビ臭くなりたいと夢見て
布団に入るといつのまにか17時間半経っていた晴れた午後4時に
炊いたお香でひとつ咳をして

 ....
やろうとしていたこと

鍵を差し込むべき鍵穴に
母のズロースを差し込もうとしていたこと
そうだ 父に見せなくては、と思い立ち
犬を連れて落雷を待ち焦がれていた ということ


落雷 ....
山道、電柱。絡まる蔦の先端、真上から海辺の
真っ白につきさしてクラクラ立ち上がれず
静岡でTOKYO−FMでいつもの高いテンションで
飛び降りてつきぬけてバラバラたちのぼる雲

通り過ぎる疾 ....
英水さんのおすすめリスト(61)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
詩人ですもの- 佐々宝砂散文(批評 ...13*05-7-7
祈り- 石川和広自由詩10*05-7-6
柔らかい殻- いとう未詩・独白1205-7-5
ライト、ライト、レフト(ウィップ)、ヴァース- いとう未詩・独白9*05-6-22
によると- 石川和広自由詩8*05-4-11
着地点- カンチェ ...自由詩705-4-6
おうあいの、やはぐときに。- いとう未詩・独白11*05-1-5
コブラツイストガール- カンチェ ...自由詩1104-12-26
環状遊泳- 石川和広自由詩6*04-12-13
息をとめて- 渡邉建志自由詩10*04-12-2
履歴書- 佐々宝砂自由詩804-11-16
因果日乗ドラえもん3- 石川和広未詩・独白2*04-11-16
日々日々- 石川和広自由詩4*04-11-2
アンプリファー/ジャンプアップ- nm6自由詩804-11-2
スイッチ- たもつ自由詩6004-8-17
明日が終ってしまうと言うので- たにがわ ...自由詩404-7-12
雪江さん- いとう未詩・独白3804-7-2
光、スロウ、アウェイ- nm6自由詩5204-6-10
てんぷら- 月音自由詩4004-5-23
輪郭だけが残っている- 嘉村奈緒自由詩1004-1-18
ウェザー・リポート- nm6自由詩603-12-1
ガールガールガール- k o u j i * ...自由詩14*03-11-16
巻き戻しの早送りで- nm6自由詩803-11-14
街角- nm6自由詩203-10-22
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