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自らを
奮い立たせる
{ルビ焔=ほむら}を胸に
我が道を往く 
テレビの中で
人々の行き交う雑踏の渦に
少年は独り立ち尽くして
涙をこぼしている

「なんで僕はここにいるの?」

私はテレビの外から
少年に音の無い声で語りかける

「この世界 ....
天につばを吐いたら
金の滴が、落ちてきた 
あの頃「敷かれたレール」から{ルビ逸=そ}れて
長らく僕は、台本のない道を歩いてきた
最近ふと立ち止まり
ふり返った背後の道に
無数の数字が記されていた

3.14159265359……… ....
赤い風船が 
雑居ビルの屋上を越えて
空へ吸いこまれてゆく

路地裏を
うろつく黒猫が足をとめて
二階の私と、目が合う 

――幸いは
  掴むものじゃないらしい
朝、起きる前の布団の足下に 
ダウン症児の息子が入ってきて
妻がぱちりと、写真をとる 

頭上の壁には
ミレーの「晩鐘」
(一日の労働を終えた夫婦の祈り)

窓から朝日をそそがれて
 ....
スマホの小さな画面を
指で開く 
今日もSNSの文字は、告げる
「〇〇さんの誕生日です」

まぶたを閉じる
――今・世界の何処かで
東京都内の病院からは、赤子の産声が聴こえ
カルカッタ ....
青みがかった思春期の
あの日の僕に
夢を届けてくれたのは
夭逝の歌手・Oだった

時は流れ
同じくOが好きな友達に
十数年ぶりで
遠い街まで会いにいった

連絡をくれた{ルビ理由= ....
マークアーモンドさんの服部 剛さんおすすめリスト(8)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
焔の道- 服部 剛自由詩323-2-20
約束- 服部 剛自由詩122-7-5
ばかもの- 服部 剛自由詩222-5-31
円周率の旅- 服部 剛自由詩322-5-23
風船と猫- 服部 剛自由詩322-5-22
冬の朝- 服部 剛自由詩822-2-22
祝辞- 服部 剛自由詩422-2-19
或る友情_―Oに捧ぐ―- 服部 剛自由詩222-2-8

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