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夜、

暗緑色の

霧に覆われた

小さな凍った湖に、

静かに霧を割って

一羽の

羽の弱った小鳥が

落ちてきました。

すると湖は音もなく割れ

やさしく
 ....
あるとき彼は巨人になりました
大きくて温厚な男でした
巨人になった彼は街のビルディングに鎖で縛られました
ビルディングの下を通る人たちは
彼を見上げながらも早足で駆け抜けました
ビルディング ....
眼の底で、美しい欠片が散って
誰もここには入ってこない
夕やけに焦がれるのも、今日でおしまい
昨日、すべての朝は終わった

とろとろと私の皮膚を空にくべて
誰もいない土地に巡り来た
―― ....
あやされて育った。雲の切れ間から赤い赤い血が滴る。
ヒロイックな風儀に巻かれないでください。
遊泳する中でも、これ、この指は本物です。
操るのでなく、触る、目を瞑る、と
この指先が、世界の中心 ....
私は誰も幸せには出来ないと知った
空は暗くて私はひもじい

昼間は薬を飲まなくなった
薬に慰められるのが嫌になったから

今私は万年筆でかさかさ書いていて
万年筆の先だけが私の友達だ
 ....
この薄い感覚を泳いでいくのには
もう飽きた。
条件反射的に僕を、
ありきたりな人間にあてはめていく虚しさ。
未来が見えちゃうって悲しい。
劇的な変化なんて計算に入れずに
ずっともやもやして ....
こんにちは愛の調子はどうですか感情的に生きていますか?


この冬をただ生きていて夕焼けをただ浴びていて何か足りない


人生は虹のようだと思います良くも悪くも生きてこられて


錯 ....
愛された過去は 風になったんだ

見つけることのできない 遠い風に

僕は思い出を 空に埋めよう


僕にはもう 何もない

確かにあったものが もう僕には……


宇宙にはい ....
草原の中で
石ころに小さくなって
大きな青草と緑の空を
交互に眺めているんだ

きっと僕は
ぬるい砂の風になって
音のしない秋の中を
飛んでいく
冷たい雨

青い雨

ノイローゼのように震える雨垂れ

記憶を宿した暗い雨

金色の雨の音

昆虫たちの巣に流れ込んでいく雨

秋のやらずの雨

湿った車の音

国境に ....
寒い、銀河があるだろう?
私はそれに話しかけているんだよ
言葉は空から降ってくる
みんながそれを浴びるといい
私の顔がゆっくりと拡がっていく
薄い、銀河に

みんなが言葉を浴びるといい
 ....
私の裸は裸になって
受け答えするだけの自動人形だった私は
子供の頃からの生の肉になる

心の中でとくんとなる日常
その時が流れ続けるといい
夏 静かに冷えた 水道の蛇口のように

自分 ....
宇宙の果てに、ひとりでいれば、
虫の音が、眼の奥底に浸みてくる。

  空には人の気配は無くて、
  星も何にも語りはしない。

虫たちは、頭の中の波打ち際で、
幻みたいに、光ってる。
 ....
道草次郎さんの由比良 倖さんおすすめリスト(13)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ある凍てつく湖の話- 由比良 ...自由詩5*21-2-7
ある巨人の話- 由比良 ...自由詩4*21-1-30
私の朝- 由比良 ...自由詩321-1-15
ギター- 由比良 ...自由詩221-1-9
別離- 由比良 ...自由詩121-1-7
これから- 由比良 ...自由詩221-1-6
風の箱庭- 由比良 ...短歌420-12-28
愛された過去は- 由比良 ...自由詩1*20-12-25
草原- 由比良 ...自由詩5*20-12-23
- 由比良 ...自由詩720-11-8
言葉の雨- 由比良 ...自由詩5*20-11-6
私はただの詩のように- 由比良 ...自由詩220-10-6
夏の夜中- 由比良 ...自由詩520-8-30

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