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のうぜんかずら の咲く港
軍艦の沈んでいる波止場に
電線の鳴る夜
暗い地下の酒場で音が はね飛んだ
けばけばしいライトさえ
薄暗い いやらしささえ
初めて訪れたの ....
真夜中の草深い町はづれを
莫進する列車に
ふと吸いこまれる 優しい魂
詩友よ
貴方のやさしい魂が はがゆくなって
流るるにまかせよとは思えども
私の愛情が足りず
疲れ ....
特別に悲しいという訳でもない日
行きつけのショッピングビルの喫茶店で
夜のムードなソフトジャズが
無機質に聞こえる 寂しさ
スプーンで掬って 舐める
ウインナーコーヒーの ....
ショルダーバッグの鈴が鳴ります
シュリリン
控えめな 優しい音色
金と銀がありました
三井寺で 手に取ったのは銀の水琴鈴
事なかれ主義の八方美人は嫌われる
か ....
会社の敷地内に植わる樹々の緑
仰ぎ見る 折り重なったイチョウの葉っぱから
顔のぞかせている黄色味がかった実
「今年、実が大きいですよ!」
詰所の更衣室で先輩へ報告する朝
「そ ....
平成二十七年三月エディオンアリーナ大阪
椅子席S八千八百円のシートに
午前十時前から座っていた
切落とし牛肉と玉子焼き、コールスローサラダで作った
焼き肉弁当を黙々と食べなが ....
一雨ごと秋が
次第に充ちて来る
野道行く行く
さらけ出す
心一つは鋭きものと今更に知る
(西山は しぐれするらし一陣の風渡りたり
道端、草葉にやすむ糸蜻蛉)
....
波が かすかに鳴りながら
ふともらした悔いのことばを
嘲笑う
そう 確かに
人を愛したことを悔いるなんて
つまらないことだった
憶い出させてください
....
讃えられるべきものが青春であるならば
それは軌道をめぐって来る
氷と塵の微小天体の様なものかもしれない
海が のどかに凪いでしまわない内に
美しい夢も
ほっぺたゆ ....
昼間は 陽射しにためらって
雑木林の奥に潜んでいる
秋が
しのび足で
次第に満ちて来る夜
軒ばの低い 村の細道
懐中電灯をてらして歩くと
いやに星がきれい
....
ふしあわせ というものが
とくに こころ美しく
あたまのするどい ひとに
みいる のでしょうか
はんぶん いろづいた林檎の
つめたい甘酸っぱさを
あなたは こころ ....
京都三条大橋から
どう歩いたのか 黄昏時
そこは照明も暗めな地下の酒場
会社で 見かけたことのある
顔が目につく
チケットが一枚余ったんだ、と言う
上司から強引に誘 ....
熱砂 と
真空
ごう音と
死の静寂
閃光 と
奈落
重々しい
数十万の足音が
はてもなく続いて行く
銃をかつぎ
一すじの乱 ....
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