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1.春霞
まだ見ぬ窓は
美しいだけで意味を含まない
詩集のようでした
干からびた紅茶のつじつまが合うころ
存在はただ
うすぼんやりとした夕暮れをむかえ
ときに遠ざけたいほど臭かっ ....
1.荻窪
一方通行にさせる
二等辺三角形の
三叉路にて嘔吐する
よもやまの家
編み目を落とした母が
ぬたうつ廊下が
ワックスで光っている
正しいばかりで
少しも美しくはな ....
明け方から空はおもく
だれも重力からはのがれられない横顔で
つたい落ちる街の額を
始発がつーっとひらいていった
開拓者たちのネイビー
捕食者のパープル
シスターたちのピンク
嘔吐する ....