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きょうは
どうしても
モーツァルトのト短調が
聴きたい
ピアノカルテット にしようか
ストリング・クインテットにしようか
シンフォニーにしようか
....
どこまで漕いで行こうか
こんなにも暗い夜だ
幽かに揺れている水平を
描いているのはいつの波紋か
この舵だけが覚えていることだ
銀の月が爛々と眩い
溶けているのだな、おまえ
うつくしく ....
あかるい蝶々のみちにひかれてまだ見ぬ息子がゆれていた
いとけない息子の息をわたしはきいていた
突堤のテトラポッドで男は根魚を釣っていた
その側で片耳の三毛猫がひなたを掘っていた
夏 ....
たぶんね、
死ぬってことは
とても簡単なことなんだ
私は
3歳で父を亡くし
出産と同時に母を亡くし
兄も早くに亡くした
日常的に
熱意や努力や恋愛が
終わりの雨を待 ....
どれだけ走ってみても
虹の先へ届くわけなかった廃ビルの街。
どんなにやさしい夕日がみえても
ひとつの行先もみつけられない。
虹が空から消えるまえに
懐かしい海と空の物語を ....
ほんの小さな夢を心に描きながら森の小道を往く。
爽やかな透明な風に彩られた五月の朝だ。
たまにすれ違う人々に軽く会釈し、心で感謝する。
心にともしびが宿る、そんな瞬間を心待ちにして生 ....
思うんだけどさ
月に
祈っている声は
すき透る悲しみをかすかに帯びて
でもあの物語の舞台の入り口にもなるよね
それでね
木々をゆらす風の暖かさが
行方を見失った時
....
三日月の夜にだけ零れ落ちる
月の雫を浴びた花のことを
この地では月花と呼ぶ
その花を煎じて作られた秘薬は
古くから健康長寿の源として
月夜の民に親しまれてきた
真面目に働き旅人にも ....
女に生まれた私は誰よりも自分自身の価値を理解していたわ
それは長続きしないものだと最初から分かっていたわ
気ままに生きてきたようで本当は焦っていたのかもしれない
私が一番欲しかったものを結局は手 ....
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