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裏切りが
怒りが
失望が
ふっと静まる
この白い部屋で、
思いは萎えて郷愁が
弱った心に押し寄せる

遠い山のシルエット、
駆ける友の背を包み

それぞれの場所で
背負わされた ....
均衡は崩れている
もうとっくに

)大地の空の裂け目から
)鮮血に染まった手を伸ばす人、人、人
)同情でも訓戒でもなく
)ただ助けを求めて

  〇

独り冷え切った身体を震わせ
 ....
ふっと森の脇道に
消える女の
コートの裾が引き摺られ

土煙上がり
瞬間の
狂騒に黒い幹がそそり立つ

森はやがて雨に濡れ
ひっそり静まり返っている
夜の入口にて
誰かと誰かが話している 

太陽が無限に没した後
地球という宝石箱はぶちまけられ

夜の入口にて
誰かと誰かが話している

蠢く闇に包まれて
密やかに、密やかに

 ....
木々は枯れて葉は落ちて
遠く鳥の群れが過るとき
裸木の梢に半月が
白銀の色を散らしながら
真冬の空を愛撫して
ぽっかりうっとり浮かんでいる

)あゝやっぱり今日もまた
)永劫宇宙の営み ....
愛娘が毎朝八時に起こしに来る
歪み捩れた時空の層を超えるのは
なかなか大変だそうだ

)合鍵を作ってやろうか?ちゃんと電車に乗って来いよ

おはようのキスをしながら僕は言う

)そんな ....
ヨラさんは小児麻痺だった
ヨラさんはよく笑った
ヨラさんはそのたび涎を机に垂らした
ヨラさんは頭が良くてクラスでいつも1番だった

僕はヨラさんを笑わせるのが好きだった
僕はヨラさんの涎を ....
どてらカボチャが降って来る
滝のように降って来る
頭をぶるんぶるん振り回しても
俺の脳は考えない、感じない

どてらカボチャはオンオン鳴く
夜陰を軋ませ鳴き続ける
俺は独り、立ち尽くす
 ....
雲のどよめき艶めき、うふふ 
夕暮れ間近に囁くもの 

出口は入口と延々と

展がる地平に眩む我

水の色開け灰色散らし
流れる流れる、宇宙の果てまで
北風が吹いている
冷ややかな晴天に包まれて
真冬の気配が漂っている

僕は相変わらず臥せっていて
君の姿は遠くある
遠く響く君の声
僕は抱きしめ此処に居る

)君、ぼくたちはどこから ....
仰ぐ
高曇りの冬空を
透き通っていきながら
仰ぐ
人差し指を立て
天から降り立つ冷気をかき混ぜ

)わたしの肉身から
)欲望溢れ零れ落ち
)ふるふる震えて
)大地に帰る

仰ぐ ....
無私の愛が
人の魂の病を癒し
肉の病すら和らげる

冷える夜陰の静謐に
天使たちは降りて来るのだろうか
自愛に充ち病んで倒れる己の許に

あの遠い日の海の夜明け
靄と波の戯れに 無音 ....
口笛の奏で、目覚めてこの夜
澄んで響く何処から

明るい旋律音色のループ
微妙に低く高く震え魅惑の相

聴き入るうちに潮騒磯の香
漂いザワメキ布団が波打つ

扉開いて弓形の白浜
広 ....
剥き出されている

神経は逆立ち
風雨に鳥肌立つ
紅の樹木は激しく波打ち
瞳をくりくりと輝かせた
木登り少女は姿を消した

何にもない、何もない
意味は全て剥奪され
記号だけがひょ ....
何処か遠く彼方から
子供たちの声響く夕暮れに
缶カラからから転がっていく

風もない 人もいない のに
からからからから転がって
グシャリひしゃげる 銀の色
すると無数の記憶の断片が
 ....
土塊を捏ねる
指先に気を集め
煮え立つ熱を流し込み
ゆっくりしっかり力入れ
未定形の粘る分厚い土塊を
思い思いのまま捏ねくり回す

捏ねくるうちに不思議なこと
土塊と指先は拮抗しながら ....
この白いワンルームに横たわりながら
夕べの巨大な富士の威容、像を結び
深まる夜陰に、暫し暫し
わたしは帰っていく

雪降る宇宙の孤独へ
安らぐ貴女の子宮へ
心の奥処のフルサトへ

寄 ....
木漏れ日がゆらゆらと揺れて
子供達の飛び跳ねる声が木霊して
聖歌隊が通り過ぎる

微睡みの午後三時、

萎び俯く花々は
遥か地平から流れ来る
真っ白な鰯雲の群れたちに
ゆっくりと包み ....
通り過ぎてゆく人々
通り過ぎていった人達
何なのだろう、何だったのだろう?
あれらこれらの出来事が
今は嘘みたいに消え去って
僕は嘘みたいに落ち着いて
ただ目を閉じる、ただ目を瞑る
あれ ....
重ね重ねも雨に濡れ
あらゆる色彩、
交わり合い
響く響く樹幹に響く

)回転し続ける万華鏡

未定形な熱の力の流出から
記憶の底を割り空無に至り
鏡となって貴女を映し出す

透明 ....
この凛とした 、夜の大気に
夕暮れ斜光の余韻 未だ響き
寂寥空洞のその彼方 、遠い畏怖が蘇る

君の豊かな白い乳房に
西陽のなか幾筋も浮いていた、
蒼い血管の生々しさを
向かいの家の屋根瓦が
黄金色に照り輝き
高い高い秋晴れに
遊ぶ子供達の声も軽やかだ

一方私は布団のなか
鉛の憂鬱を抱えながら
それでもこの美しい秋日、
天高くから降って来る
青い青 ....
網戸の外は青い空
網戸の内は灰の心

青はあくまで深さ増し
鬱はどうにもどん底で

世界と私は無関係
私が無くとも世界は続く

ああ、全くそれなのに
涼風が肌を不意に撫でる
その ....
右足の親指が
反り返ったまま
さっきから奇妙な音
何処からともなく響いて来る

薄暗い部屋の白壁の隅が
僅かに滲み明るんで
柔らかく括れ揺れ動き、
懐かしい影
ひとつ、浮き上がる
 ....
ぽかんと ひとり
  立っている
秋の青い空の下
ぽかんと ひとり
  立っている

誰が来ても来なくても良い
もうくたびれてしまったよ
ただ一つだけいえるのは
この病んだ己のその奥 ....
瓦が白く光っている

烏が一羽とまっている

広がる朝の光の中を

烏と瓦が交わっている

互いの輪郭守りながら

光の海を泳いでいる


)秋の蒼穹は何処まても高く
)光 ....
また夜がやって来た

すべてが静寂に落ち着き
蠢く闇に呑まれる手前、
私は孤独な一時を
寛ぎ懐かしく愛おしむ

)部屋の白い壁やら天井が
)くっきりと存在感を際立たせ
)存ることの歓 ....
樹間から
覗く秋晴れの青、
ふるふる震え
金木犀の香が舞う夕べ、
時はすっかり透き通り
遠い記憶を辿りいく

)何があったか
)細かいことは忘れちまったが
)ただ喜びと懐かしさだけ
 ....
木立の緑が揺れている
私は冷たい虚を飼って
鉛の監獄から眺めている
気だるく憂鬱な昼下がり
空は一面の灰色模様、
風はもう絶えず吹き
荒れ果てた街並みが
ぱたんぱたんと倒れていく

 ....
雨の一滴が右手の甲に 落ちた
ズシリと 重たかった
ミシリと 胸の空洞が鳴った

私は慌てて滴を振るい落とした
軋む胸が一瞬、
張り裂けそうになって
あおいみつるさんのひだかたけしさんおすすめリスト(161)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
おもい- ひだかた ...自由詩220-1-5
墓石- ひだかた ...自由詩320-1-5
- ひだかた ...自由詩519-12-30
ある日- ひだかた ...自由詩319-12-27
裸木- ひだかた ...自由詩419-12-25
このところ- ひだかた ...自由詩419-12-20
ヨラさん(改訂)- ひだかた ...自由詩4*19-12-16
ノォノォ脳ガクシャ- ひだかた ...自由詩319-12-14
夕雲- ひだかた ...自由詩219-12-13
木霊(改訂)- ひだかた ...自由詩419-12-12
仰ぐ(改訂)- ひだかた ...自由詩619-12-11
天使たちは(改訂)- ひだかた ...自由詩719-12-10
夢夜- ひだかた ...自由詩9*19-12-5
荒野(改訂)- ひだかた ...自由詩819-11-26
缶カラ、からから(改訂)- ひだかた ...自由詩419-11-23
刻印- ひだかた ...自由詩519-11-23
フルサト(改訂)- ひだかた ...自由詩219-11-21
夢幻- ひだかた ...自由詩519-11-20
枯れ井戸- ひだかた ...自由詩219-11-13
凝視ノ森- ひだかた ...自由詩319-11-9
残響- ひだかた ...自由詩519-11-6
この秋日に- ひだかた ...自由詩1019-11-5
鬱と青(改訂)- ひだかた ...自由詩819-10-28
女影- ひだかた ...自由詩319-10-28
待望くん(改訂)- ひだかた ...自由詩619-10-28
朝の光景(改訂)- ひだかた ...自由詩619-10-27
夜の未知(改訂)- ひだかた ...自由詩419-10-24
残響- ひだかた ...自由詩12*19-10-23
只ぼうと(改訂)- ひだかた ...自由詩10*19-10-21
哀しみ一滴(改訂)- ひだかた ...自由詩1019-10-11

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