精神の青空に輝きわたる太陽。



あらゆる宗教や哲学を包含せしその太陽は、



マヤのマチュピチュで、崇拝されたあの原初のシンボルである。



9年前、あの丘を十字架を背 ....
風は立ち止まると消えてしまった
草木が{ルビ堪=こら}えている囁きを零すまいと
螢を宿した子宮のよう緑は極まり
森は風の帰りに欹てる

蝶の影が肩を掠めた
あるはずのない感触は誰かの笑いの ....
  あの時のきみがずっと
  ぼくの傍でねむっている
  少しだけ、雨の匂いをさせて

  笑いながら喋りつづけた
  言葉はむなしい闇にのまれた
  若く優しいだけでいられた
 ....
あじさいは
梅雨の
花房

時の静謐に
心の寂寥
抱え込み

うっとり
薮に
踏み込めば

赤々と滴る
薔薇の花、
また薔薇の花

此処にも
季節の快楽
眩めき
 ....
水面を幾重にも抱きながら藻が囁く
流れは何をも見送るもの
躓くものも うつむくものも
嘲笑うものも 祈りのひたいも

魚が撥ねる
いま その尾が視とめた光の破片が
太陽の剥がれた抜殻とし ....
どうでもいいぢやないか

それは君のくちぐせであり
ぐうぜんにも 君からきいた
さいごのことばでもあつた

ひと月まへ 一緒に飲んで
別れ際にきいた いつものせりふだ
その前に何を ....
あるくとおく、流れ流れて
流されてきた弱さを恨むのか
水にとけた光に問いかけた
転倒した月日の果てしなさ

ただ勘違いしていただけだ

月日は数えるだけしかなく
切り売りして歩くお前な ....
{引用=
こわれた家で待っています

むかし きいたことのある
こんな声、です

「死んだ子たちはけだかいので
 星になったりしません
 晴れ空に光がみちるだけです」

(おし ....
私の心は鬱々と
外は晴れて燦々と
闇と光が交錯する

)眩しい戸外の緑の群れ
)俺は眼からそれをむしゃむしゃ喰う
)光で闇を圧倒せんと
)眼からそれをむしゃむしゃ喰う

私の心は鬱々 ....
前庭に鯨が打ち上げられて
砂が、チョウ砂が舞い上がれば
世界は揺れて空と大地は
ぐわぁんぐわぁんと回転しながら
遠ざかったり近づいたり

もしチョウ砂が黄砂のように
気流に乗るなら、あの ....
{引用=
かなしすぎてわたし
みちばたのたんぽぽのように首をたれて
ないています

さいごにもらした
ころしてやる
の、声が
しろい綿毛になって
神さまだっただれかのところに
とど ....
そろりそろりと剥ごう
皮をつつつ、と剥ごう
夜を剥いで朝を剥いで

私というものが
どこでもない場所で剥き出しで
死んでいる、或いは

台所で皮を剥がれた
剥き出しの野菜や肉に混じっ ....
あかるい蝶々のみちにひかれてまだ見ぬ息子がゆれていた
いとけない息子の息をわたしはきいていた

突堤のテトラポッドで男は根魚を釣っていた
その側で片耳の三毛猫がひなたを掘っていた

夏 ....
朝日を小瓶に捕まえて
蓋をしめて逃さない
泣き出した夜に雨が降る
綺麗すぎて汚くて正しすぎて間違いで
かけがえのないものを掛け違えるまいにちに
夕陽を虫籠に入れる
幼い記憶を餌にして
孤 ....
自分が動けば影が動くことを
不思議に思ってしまった少年は
影の、また、影の連なりに戯れ続け

いつのまにか大人と呼ばれるようになり
ふと、空を仰ぐ、影が空に送られていく
少年は空にあり空は ....
ゆらゆらと
揺れ動く葉よ、草花よ
おまえはひねもす風を受け
静かに黙って花開かせ
静かに黙って枯れてゆく

ゆらゆらと
揺れ動く葉よ、草木よ
おまえはひねもす風を受け
遠いふるさとに ....
日が陰っているあいだのほうが
花の色は鮮やか
じりじり直射されると
ハレーションを引き起こす

風のない
霧雨の朝
すこしの水分
少しの明かりを
ゆっくりと開き切る手前の時を
深呼 ....
あわ粒に記号をふったり、
オルゴールのはじく金属の突起をおいかける
午後、まだ日のたかい街をうろうろして
存在という妄想を
あじわっている

からだの外がわで
世界と 物事が
 ....
雷が遠くで鳴っているという事実を
私の手元に彫り込む
なんて事のない世界を見つめている
幻の七色の心地よさも受容し
足の裏の磁石でバランス良く歩く

さらさらした砂の表面を擦る風の ....
{引用=
人形が落ちていきました

夏の、空に。

アイスクリームがとけるまで待てなかったのです。


お猿の絵をかいていた女の子が

「待って」

と ちいさくさけん ....
みのりがことり
と音をたて
みちた風をゆらしもする
衣擦れの
すきまを縫うひかりの
糸をまぶたで
つむいではながれる
影の
あわさに怯えたり

する

くもり、
軟 ....
季節はいつの間にか
窓の景色として生まれて来る

わたしは、
季節を食べることもできる

触れることもできるし
ときには、憎むことさえできるのに

馬車のように疾走る季節を 
掴ま ....
あれはいつだったか
陽炎にゆれながら倒れゆく馬をみた
北の牧場をさまよったときか
競馬場のターフであったかもしれない
或いは夢か、過労死の報を聞いた
快晴の街角であったかもしれない

或 ....
花をみんな枯らした薔薇を見た気がする。野の薔薇か花壇の薔薇か。或いはそんな悲しい物はまだ見たことがないかもしれない。

幼い子供らは走りちりぢりに消え笑い声が耳の奥をくすぐる

手品師が飲んで ....
{引用=ふるいふるい くさばな

わたしをみながら

なにを はなしているのか

わたしに きこえない

おそろしい こえで


(いのることができないのです

 す ....
もういいよ
帰ろうよ

私たちは
あまりにも それぞれが
理由を愛しすぎて
変わらないものを
予定調和の規則を
もうもたれないのだ

もういいよ
帰ろうよ

私が あまりに速 ....
濃灰色に、重く雲があって
息苦しいような午前中に
雨がふりだした
傘が咲くだろう ひとはそのひとの人生のために 雨の底を歩いてゆく
歩んだ歩数のおおさ すくなさ おもさ かろさ
かろやかにた ....
雨の雫に濡れた畑の瑞々しさ
自然を開き破壊して得た日々の糧
だからこれほど輝いているのか

ぬかるんだ畑に足あとがみえる
だれの足あとかは知らないが
きっとだれかの足あとで

あなたも ....
目が覚めて一番に 口にした言葉は
くちなし
薫り ゆたかな色彩の白
しずくを 湛えた光沢の葉

無垢を 口にするときの ふるえる くちびる
くちなし
きょういちにち なにを はなすことだ ....
すべての川は流れている
すべての故郷の川は流れている
耳を傾けるならその川の流れを
聴くことができるだろう

乾ききった風と砂しか入らない
窓からせせらぎが流れてくる
台所の床をひたして ....
新染因循さんのおすすめリスト(166)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
五月の至高の輝きに満ちた太陽- viraj自由詩119-7-21
反射光- ただのみ ...自由詩7*19-7-21
海からの光- 草野春心自由詩719-7-21
季節の快楽- ひだかた ...自由詩919-7-20
虫のなみだ- 由木名緒 ...自由詩15*19-7-20
或る友へ- 石村自由詩31*19-7-8
痛み- 帆場蔵人自由詩11*19-7-7
六月の朝- 羽衣なつ ...自由詩1619-7-1
この午後の刻- ひだかた ...自由詩8*19-6-26
眩暈- 帆場蔵人自由詩7*19-6-25
わたげ- 羽衣なつ ...自由詩19+*19-6-25
剥き出し- 帆場蔵人自由詩8*19-6-22
夏の夢- DFW 自由詩20*19-6-22
夕陽の虫籠- かんな自由詩1019-6-21
かげおくり- 帆場蔵人自由詩11*19-6-20
眼差し- ひだかた ...自由詩1019-6-20
マチルダ____(その2)- Lucy自由詩10*19-6-19
緊張- はるな自由詩1219-6-18
受容- 朝焼彩茜 ...自由詩1119-6-18
かげ- 羽衣なつ ...自由詩17*19-6-14
rain/fruit- むぎのよ ...自由詩719-6-12
季節ノ詩- ハァモニ ...自由詩13*19-6-11
倒れゆく馬をみた- 帆場蔵人自由詩7*19-6-11
薔薇- 渚鳥自由詩12*19-6-10
あこがれ- 羽衣なつ ...自由詩18*19-6-8
むなしさ- Giovanni自由詩11*19-6-8
あじさい- 田中修子自由詩17+*19-6-8
雨後に- 帆場蔵人自由詩1019-6-8
きっと_はなせる- るるりら自由詩28*19-6-3
それぞれに川は流れている- 帆場蔵人自由詩15*19-5-30

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