{引用=*筆者より――ちやうどこの時期、十二年書けずにゐた詩作が復活して三ヵ月が経ち、十二年分のマグマの噴出が落ち着いたこともあり、いま読み返すと力が抜けてゐる感があつてそれが良い方にも悪い方にも出て ....  *

川沿いの萌え木はふるえている
見えない愛を実感したくて
目を閉じて 身をゆだねた

 雨の弦 爪弾く眼差し

貝殻を拾う仕草で
またひとつくぐる風の裳裾
昨日も今日も 
 ....
わからないんだ
青空がなぜあんなに悲しいのか
夕べ見た夢を思い出せない訳も
わからないんだ
故郷においてきた記憶の破片が
なぜ懐かしくないのかも
わからないんだ
テーブルに爽健美茶のボト ....
{引用=ちいさい音ですね

しってますよ、草むらのなかです

(ひとはいつか 虫になる、のでしょう)


わたしは音に、よびかけます

海に行ったこと、ありますか

 ....
まだ、崩れていない膝がふるえている
わずかにたわみ、重みにたえているのか
生きてきた時間といま生きている時間に
ふるえながらも踏みだし、よろめき
それでも倒れない、屈するたびに
なんどまた伸 ....
遠い火をみつめている
どこにいても遥か彼方で
ゆらぐこともなく燃えている

あそこを目指していたはずなのだ
臍の下あたりで、眼球のうしろで
わたしのいつ果てるかわからない
火が求めている ....
風が担う祝祭の神輿

白蝶ひとひら
    またひとひら

もつれ ほどけて
    また結ばれて

あどけない水の声
    まろぶ 光の鈴

うたたねの距離
 雲雀につられ ....
{引用=*筆者より――筆者が本フォーラムでの以前のアカウントで投稿した作品はかなりの数になるが、アカウントの抹消に伴ひそれら作品も消去された。細かく言ふと二〇一五年十二月から二〇一七年二月までの間に書 .... 夏を探して
蝉の声に踊れば
踊れば夏でした

七日の後に声は枯れ
日めくり秋にちかづけば

鳴いているのは蝉でなく
あれは鹿の子の笛の音
いいえ、それも夏でしょう

では秋はどこ ....
澄ました正装のように
白い波は悠々とした

砂浜は遥か彼方まで
カーキに揺れた

私は独り
この海辺に座り
あわれ と ああ

間にある
汚れた虹のような
渋味のある断崖を
 ....
大気の継目
深い呼吸に上昇し
仰げば次元の小径 
真鍮の足跡

蟻となり纏った視野は日輪の槍に射貫かれ
せせらぎは大木に流れを受容される
私は硬直した椅子の背となり空間に浸る
それは賛 ....
夏の夜に眼を閉じて世間を遠ざける
蚊取り線香の燃えていく匂い

いえ、あれは父が煙草を吸い尽くす音
いえ、あれは兄が穴を掘る遠い音
いえ、あれは舟に乗せた人にふる音

どこに行けばいいの ....
あおぞら
シーツが風に舞っている


ひとり
取り残された午後
しろい夢は
触れても何も感じえない


ただ繰り返す呼吸


紋白蝶がふわりと
青に透けて
ひらりひらり舞 ....
【さかくだり】
     
あの懐かしい橋を渡れば
蛙のひしめく道がある
いきものを ころさないように
体が傾むく川下にむかって
足をゆっくりと あるく 

あの懐かしい橋を見下ろせば ....
ある夜
死んでしまつた

畳の上に食べかけの芋がころがつてゐる

その横におれがころがつてゐる

目をとぢることも
ひらくこともできない

お迎へもこない

月の光 ....
  まるい
  光のとかげ
  うしろから頸を締めた
  深い 叫びのつぶて


  むかしのきみの幻に
  許してほしいと上目を遣った
  とっくに許されているくせに
   ....
銛が
心臓を

一度でなく 二度つけば

か細い悲鳴の糸
玉が転がっていく

からからと瞳が空回り
その色は失われて

緑のなかを
流れる赤と
銛の重たさ

森のなか ....
静寂のなか温められた器から
咲いたジャスミンの香りが

夜の輪をまわしていく

ぼくらは天球儀のなかにいて
ジャスミンが咲き誇り、てまねく
月よ、おいで、星よ、おいで
憂いに喉を腫らし ....
リズムをとる歯
おどる舌
口びる震えて
言葉は無くて

リズムのうちに
はさむ休止符
打って休んで
消えゆくうた

眠らぬ夜は
すでに過ぎ
覚醒のまま
深みに落ちてく ....
車のガラス越し
斜めに深く射し込む夕陽で
季節と時を感じる
昨日の記憶と共に

彼女の部屋の窓辺に
君は今も座って
ビル越しに夕陽を見ているのか
言葉なんかいらない瞳で

街灯に灯 ....
あなたの蛇の皮もどきの諦めを
満月の海に見た

あたしの心は
そのとき蒼く静かに燃え盛り
そして今は静かに冷え切っている

透明な風が 冷やしていくのだ

死の匂いのするス ....
忘れられない事を
確かめるためだけに
息継ぎを繰り返すのだろう

(葉桜は永遠に葉桜やったわ)

灰に塗れ肺は汚れて骨肉はさらされ血の流れは遠く故郷のくすんだ川面のような在り方しか出来ない ....
  なつぐも
{引用=―エミリ・ディキンソン " AFTER a hundred years --"に基づく―}

ともだちがだれもいなくなったとき
わたしはその野原にいき ....
全てが終わり
全てを失い
命は保たれ 
風が吹き

この静けさのなか、
この透明のなか、

私は深い井戸の底に居て
寒さと闇に震えながら
一日に一度の来光の
その瞬間を待っている ....
{引用=*筆者より――筆者が本フォーラムでの以前のアカウントで投稿した作品はかなりの数になるが、アカウントの抹消に伴ひそれら作品も消去された。細かく言ふと二〇一五年十二月から二〇一七年二月までの間に書 .... まばゆさに目をとじれば
暗闇となった世界に浮かんだ
円が燃え上がる
そんな遊びを繰り返していた

あれはぶらっくほーる
宇宙への入り口か出口だった

だれもかれもみんなおとなになってし ....
静けさの
充ちて
落ち着き払う
この夜陰、
独り在ることに満ち足りて
私はゆっくり沈んでいく
底抜け宇宙の底の方へ
私はうっとり泳いでいく

其処は貴女の声、発せられるところ
其処 ....
もう
陽がくれる

とつとつと
西へ西へと歩んでいくと
孤影は東へ歩み去り

すれちがうのは

ひとつ、ふたつの足音と
みっつ、よっつの息づかい
いつつ、むっつのさみしさよ

 ....
「家族は唐揚げ」
どこからともなく
湧いて出た
その一句
そのしゆんかんから
なにゆえか
俺の心を とらへて離さぬ

幾百万もの言葉があり
百の何乗だかの組合せがある中で
天使 ....
ぼくの朝は完結しないつめたい夜を引きずってはいない
ぼくの大腸は閉塞して夜をためこんでいたけれどもね

カーテンを引くと天使はねぼけまなこで羽ばたいている
窓からのぞくと景色のはじに満開の桜の ....
新染因循さんのおすすめリスト(166)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
旧作アーカイブ5(二〇一六年四月)- 石村自由詩17*19-5-30
音叉- ただのみ ...自由詩11*19-5-26
わからないんだ- あおいみ ...自由詩9*19-5-24
- 羽衣なつ ...自由詩18*19-5-22
膝の虚(うろ)- 帆場蔵人自由詩619-5-22
遠い火をみつめて- 帆場蔵人自由詩11*19-5-19
陽炎- ただのみ ...自由詩13*19-5-19
旧作アーカイブ4(二〇一六年三月)- 石村自由詩21*19-5-16
季節を探して- 帆場蔵人自由詩419-5-12
海を見た- Giovanni自由詩9*19-5-9
幕間の燐光に- 由木名緒 ...自由詩8*19-5-9
追憶を燃やす匂い- 帆場蔵人自由詩8*19-5-8
青空- あおいみ ...自由詩12+*19-5-8
くだる- るるりら自由詩16*19-5-8
永遠- 石村自由詩21*19-5-6
天国- 草野春心自由詩11*19-5-5
孤独な生命- 帆場蔵人自由詩419-5-1
天球儀- 帆場蔵人自由詩519-4-30
_消えるうた- シホ.N自由詩319-4-25
夕陽_〈彼女の猫とソネット〉- 高林 光自由詩119-4-24
赤く冷え切った、蛇の心を- 秋葉竹自由詩1019-4-23
葉桜の季節に- 帆場蔵人自由詩14*19-4-22
なつぐも_他二篇――エミリ・ディキンソンの詩篇に基づく(再掲 ...- 石村自由詩18*19-4-19
待つ- ひだかた ...自由詩619-4-19
旧作アーカイブ3(二〇一六年二月)- 石村自由詩15*19-4-13
ぶらっくほーる遊び- そらの珊 ...自由詩1919-4-11
沈黙の声- ひだかた ...自由詩919-4-9
日暮れをゆく- 帆場蔵人自由詩11*19-4-8
家族は唐揚げ- 石村自由詩19*19-4-8
夢路- 梅昆布茶自由詩1419-4-5

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