アロンアルファでくっつく程度の恋なのねと
小石の落ちるような調子であなたがわらうので
わたしはその 薄い唇からのぞく
欠けのある八重歯のよさを
教えたくなって やっぱり やめておく
鐘を失くした鐘楼の
倒れ伏した影が黄昏に届くころ
わたしは来てそっと影を重ねる
深まりも薄れもせずに影は
その姿を変えなかった
わたしは鐘
貝のように固く閉じ
自らの響きに戦慄いている
 ....
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      ┃       ....
あかるいバスにのって
あかるいまちをゆく
肌にひっかかるような四月をぬけて

風がつよいので
往来の恋はみんな片付いてしまった

ゆるい靴紐
空があんまり白いとおもったら
端 ....
春が流れていく

みなもに降り立った
無数のひとひらたちは
いたづらに未来を占ったりしない
何にも誰にも逆らわずに
やがて
その先でひとつになる

裏もなく表もなく
命は等しく終わ ....
闇の中で白い背中を
反り返らせていた君は
この夜が明ける前に
大人の女になってしまい
すっかり明るくなる頃には
どこか遠い林の中で
樹液を啜っているだろう

君と初めて出会ったのは
 ....
 文が泣いておりました。
 誰にも読まれず、誰にも気づかれず、誰にも拾ってもらえなかった文は、詩に生まれ変わることもなく、暗がりで泣いて、泣いて、ずぶ濡れになって溶けていくのです。
 悲しみのただ ....
夜空が訳もなく光っている
雨雲の無い稲妻が
わたしの罪を暗示している

人は許されることを愛だと思うだろう
優しさを寛容と取り違えるだろう
幸せを作用点にすれば
全ての不運は過程であると ....
曇りの日に海へ行った
空も海も灰色なのに
仲介者の努力も虚しく
いまだに和解は成立しない
その国境線は水平で
欠けた世界の端から端までを
頑なに切り分けようとしている
曖昧だが根深いライ ....
アタシは夏が嫌いだった
生まれた朝を思い出すから
アタシは冬が嫌いだった
自死する夜が思い浮かぶから

長い闇から解放されて
自由を謳歌している声が
アタシの脳を撹拌するから
彼らを不 ....
僕は、シンプルになりたかった。ひらがなになりたかった。
ひらがなになれたら、悩むことはないだろう。苦しむこともないだろう。
悩みはなやみに、苦しみはくるしみになって、隣の文字たちと混ざり合って ....
はじめに くらやみがあって
(ここまでくるのにながい夜をくぐってきた
一枚いちまい重ねられていく
生まれるまえは
まったくの やみだったと
うすぼんやりとした 
陽だまりの まえにすわって ....
冬の寒気が細く伸びて
岬の先のほうへ
鋭く尖っていった
遠くで生まれた赤土の丘が
最後に海へこぼれ落ちていく場所で
わたしの そしてあのひとの
フレアスカートのはためく裾から
なめらかに ....
満水の夜に
感覚をとぎすませながら
無数の魚が泳いでいる
距離と、位置と、
上昇する体温と、
そういうものを
止めてしまわないように


蛇口に口をつけて
あふれ出すカルキを吸うと ....
たこさんのおすすめリスト(44)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
アロンアルファ- 笹子ゆら自由詩418-4-8
鐘楼- ただのみ ...自由詩13+*18-4-7
テステス- OMEGA自由詩1*18-4-7
カステラ- はるな自由詩1118-4-7
a_piece_of_spring- そらの珊 ...自由詩15*18-4-3
くちなわ- もとこ自由詩1718-4-1
泣いた文- OMEGA自由詩6*18-3-31
罪と夜- ヤスヒロ ...自由詩1018-3-25
Lean_On- もとこ自由詩1618-3-1
彷徨- もとこ自由詩8*18-2-4
平仮名- 水宮うみ自由詩10*17-9-1
夜の子- 光冨郁埜自由詩23*15-12-20
フレアスカート- 片野晃司自由詩42*07-1-3
夜明けの水位- 望月 ゆ ...自由詩57*05-12-10

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