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浅い春が来て
きみの肩先から
ふたばが芽吹く

冬の熱量が
熱ければ熱かったほど それは
あどけなく
ふるふる
ほころぶ

目をはなしたすきに
ひとひらの蝶になって
とびたった ....
いつか森のいちぶだったもの
小鳥をすまわせ
そのうたに耳をかたむけていたもの
みどりの葉をめぶかせ
ゆびさきは空へとむかう
よるになれば流れる星のゆくえを占ったもの
むささびの発射台になっ ....
朝 起きたての髪は
しんと冷えている
よるじゅう
冷たい部屋の空気を吸っていたから

櫛でとかされて
ようやく息を吐く

命は死んだように眠り
またかえってくる
朝の儀式

寝 ....
三月に降る小雪をつかまえようと
手のひらを天にむかって
差し出せば
どの子もふわり、
風にひるがえりながら
上手にわたしをよけて
アスファルトへと着地するから
こんにちはも
さようなら ....
 明日

空は雪と一緒に

枝は小さな蕾と一緒に

冬の指は
いつかの冬の指と一緒に

夜明けを待っている

 
 ピアノ

女の子が帰ったあとは必ず
ピアノの蓋が開いて ....
十月になっても初夏みたいな日が続き
小さな畑でおくらの収穫をする

母は
穏やかでなんのわずらいもない日よりだと言う
この小さく可憐で柔らかなおくらの花が
せめて実になるまでそれが続きます ....
白くてぼんやりしている一日
読みかけの本は表紙から冷えていく
犬はどこどこ毛を生え換わらせるから
死んで右往左往している夏の毛を集めて
新しい子犬として
毛糸玉に魂を吹きいれる魔法の息を
 ....
北向きの窓から
ふいに
秋の
風が産んだ子が走り抜けていく
本のすきまから伸びた
栞のしっぽが揺れ
亡くした猫のしっぽも揺れ
過去が
耳なかでちりりんと揺れる

寝転がると
窓い ....
手のひらの小鳥が
命を使い果たしていくとき
呼んだら
返事をした

それは
声にならない声
音を失った声は
振動だけになって
手のひらをかすかに震わせた

あれはやっぱり声だった ....
Giovanniさんのそらの珊瑚さんおすすめリスト(9)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
はなうた- そらの珊 ...自由詩13*25-1-20
すなはまで骨をひろう- そらの珊 ...自由詩15*24-12-27
冬の朝- そらの珊 ...自由詩11*24-12-22
人は何処へいくのだろう、命ひとつ抱えて- そらの珊 ...自由詩14*24-3-2
冬の気圧配置は次第に緩むでしょう- そらの珊 ...自由詩12*22-1-5
おくらの花- そらの珊 ...自由詩15*21-11-6
暮れるのがはやい- そらの珊 ...自由詩14*20-9-30
秋はそこから- そらの珊 ...自由詩14*19-9-16
梅雨空に- そらの珊 ...自由詩23*19-6-8

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