祭りのない秋
冬の訪れ
静かな景色と
空模様

途切れる意識の
はざまに浮かぶ
現実のあらわれ
夢の幕
夢でこその現実模様は
頭の奥に遠ざかる

天井の
咲かない花の ....
タバコに火をつけて
ふと思う
傍らに君がいれば
どんなにいいだろうと
イザベラは日本には来ない
仕事が素晴らしいそうだ
そのことを
精神の片一方で喜びながら
精神の片一方でどこか寂しい ....
田舎に行かなければ
干し柿を見かけない
最近は田舎でもあまり見かけない

味が濃くてすぐ飽きそうだけど
そんなことはなく美味しい

最近は食べていない
近所で作る人がいなくなった
急 ....
Mrs.アリスの物干し竿には
百年前から着古したシャツやらが
のんきにぶらさがっている

逃げたカナリアの幸せを祈り
野良猫は低く鳩を狙う
公園はひっそりと
今日も来ない子どもを待ってい ....
「瑠璃色の原理」


庭は秋の猖獗
秋桜のはなびらを数えたら8枚だった
8は傾ければ∞そういえば

秋桜のはなびらには
ところどころ
微細な穴があいていて
その穴の淵にさらに微小の ....
初めて「結婚したい」と
思ったのは16歳の時だった

別の町に住む
別の学校に通う
一学年上の女性だった

狸小路の階上喫茶で
話し合ったり
季節外れの浜辺を
散歩したり

「 ....
瓦が白く光っている

烏が一羽とまっている

広がる秋の光の中を

烏と瓦が交わっている

互いの輪郭守りながら

光の海を泳いでいる


)この蒼穹は何処まても高く
)光 ....
時給900円
一日八時間
週五日
一日当たり150円のガソリン代
その他に何もなし
あるのは

半年ごとの契約更新

以上から年金健康保険等など引かれる

私の年収は幾ら何だろう ....
互いにスパークする宇宙で起きた出来事があり
誰も入り込めない花園の君がいていつか僕は叙情になる

面倒くさい真実ばかりがまかり通って
優しい嘘はにぎりつぶされて疑問ばかりが生き残る

レノ ....
この棺桶はきゅうくつで
けれども
そらは紺碧透明
  
 (小鳥のに、さんを棄てている)

こんじきの比喩や
空明のかぜの詩
それを〔私〕はみたけれど
 
(もちろんそれはそれでと ....
風のようにたくさんの場所を通ってきたから
ぼくらの言葉に、風景が滲むことがある

暗くなっていく夕方や遠い電車の音に、あなたを思い出すのは
あなたの声が、その景色を映していたからなんだろう
 ....
ぼやけた眼鏡のひとが
わたしを連れていく
とんかつのお店
ご飯は小盛りで
と言うのでわたしも小盛りにする
遺伝子の特集をとりあげた雑誌をながめる
ばらばらになったいくつかの ....
ひょっ
ひょっと
くいっくいっ
ひょっ
ひょっと
くいっくいっ

縁を歩いている
縁と言っても樽の縁であり
樽と言ってもただの樽ではない
縁の幅は一尺ほどもあろうか
それ ....
怒りより大きな声で否定され
なすすべもなく下を向く

地面に穴がひらくのを
夢みるように待っている

罪が同じだと歓びも同じなのかな

酔っ払ってもひとり月見上げ
翼の折れたカラ ....
遠くで鐘が鳴っている
ひんやり切ない秋の日に
何処までも高い青空に
追いかけても追いかけても
決して追いつけないあの場所で

(金木犀の花が軌道を舞い
秋の大気が生まれるところ)

 ....
テレビの中の壇蜜さんが言った
「コロナウイルスの影響で
 私たちは人生ゲームの{ルビ双六=すごろく}の
プラスチックの車に乗せられた
エノキみたいに顔の無い人形になった」

元来、僕等はエ ....
募金は本来
善意から行う行為で
強制されてするものじゃないと
常々、思っているのだけれど
自治会からは集金がきて
金額まで指定されて
毟り取られているような気分になる
置いていった赤い羽 ....
きみの影で星がしずかに暮らしてる ときどきそっと光ってみせる



ないということには無という名があって あるものみたいに名前を呼べた



「覚えてる? 降水確率0%の日に0粒の雨が ....
樹間から
覗く秋晴れの青、
ふるふる震え
金木犀の香が舞う夕べ、
時はすっかり透き通り
遠い記憶を辿りいく

)何があったか
)細かいことは忘れちまったが
)ただ喜びと懐かしさだけ
 ....
{引用=無邪気な錯覚}
窓硝子の向こう木は踊る
風は見えない聞こえない
部屋に流れる音楽に
時折シンクロしたかのよう

時折シンクロしたかのよう
異なる声に欹てて
異なる何かに身を委ね ....
あかいろのひかりの前で青を待つ

台風のような目をした日の光

夜が明けただけでこんなに明るい黄

夏の青空のゆめみたいに白い
本当はね
詩なんてどうでもよかったんだ

だけどね
私は私なりに
どうしても自己表現出来る方法が欲しかったんだ

でもね
私にはこれと言って何も持っていなかった

絵は上手に描けな ....
詩がとなりに座っているとき、
目的地なんていらないと思う。
浮かんだ言葉がとても綺麗で、
うれしい気持ちで書き始めていた。
適当に引っ張り出したTシャツから
今は使っていない柔軟剤の匂いがする

どうせ乾いていく通り雨の先

住宅街の暗闇でこっそりと線香花火に火をつけて
笑い合っているうちにぽとりと落ちた
光の ....
髪と髪が触れ
影になる
風のなかの粉
砕けて光る


ざわめきを登りつめたところに
廃線の花 水に浮く葉
ひとつひとつの滴に残る
まばたきの水紋


打 ....
どこからやってきたのか私は

何度洗ったか分からない
すっかり芯のなくなった衣服を着て
暑さにふやけていたのではない
でもたしかに眠気の中にいた

あれからどこへ行ったのか私は

逃 ....
 花はみずからを

 最もか弱い葉であると思って散り

 多くの葉は我が身こそ
 
 逞しい花であると思いつつ繁る

 樹はそれを黙って哀しみながら

 春が花を愛で 秋が葉を罰す ....
銀河の高さの
白い霧
夜に架かり
動かない


左の肉の寒さが目覚め
右より細く震える時
月は余計に そして速く
見るものの方へと割れはじめる


光に光をこぼ ....
雪の下から現れた枯れ葉が
鉱に
戻れぬ場所への標にかがやき
夢の行方をささやいている


雪が止み
誰もいなくなり
灯は黙り 径は白く
径は 明るく


川 ....
木片の内には像も形もない
{ルビ自=おの}ずと示す雛型も
なぞるべく引かれた線も
一つの像が彫り出された後で
木片はその内部に
一つの像となりうる可能性を秘めていたと
言えるだろうか
限 ....
につきさんのおすすめリスト(33)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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