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わたしのおとがする
ぱきん、と乾いた音を
体の内部で何度も繰り返している
それは再生で、
あるいは破壊で
それはひたすら鳴り続け
透過したわたしの身体を
繰り返し
....
吹き上げられた蜻蛉の、
羽に浮かぶ無数の生命線をなぞる
うつくしい、夜の前の空は脈々と
埃のように舞わせ 焦がしてゆく
背中に彫った 哀しみの中に
心臓をひとつ、 ....
琥珀色のぬらりとした
リボンのようなハエトリ紙を
白い壁の間借りした部屋に垂らす
夕焼けに光るそれはまるで
蜜をたらふく蓄えた大樹のようにみえて、
懐かしい実家の情景を誘って ....
白いカーテンの揺れる部屋は
少し黴臭く、湿っぽい
レンタルベットの軋む音の中に
心臓だけになった母親は 小さく呼吸を繰り返していた
はじめて母親の大きな身体が剥がれたのは 小五の夏休みだっ ....
この道の
最果ての夜明けで
または、
赤い月の落ちる砂漠の中心で、
裁断用のハサミで
制服のスカートを切りあおう
か細い指で、ずっしりとしたハサミを持って
瑞々しい太腿を切ら ....
・
発泡酒のプルタブを引くと、パシュッ、っと小気味良い音がする。
慌てるように口に含むとそれは、命の流れのように食堂を通り、胃へと収納される。
濡れた髪をガス屋に貰った安く薄いタオルで拭く。
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