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ハイビスカスの
葉に寝転んで
蜘蛛の巣に架かる
弓張月を見上げる
消えていく彗星のように
蒼い星の粉が風に揺れて
妖精に降ってくる
懐かしい匂いがした
失恋の匂いに ....
母の花鋏を持って庭に下りる
背の高いグラジオラスが
白い雲を背にして並び
赤い花が足元から空まで咲き
さあどうぞと言っている
一緒に埋めた球根が花になり
私の手を握ろうとす ....
毎晩僕は羽根を少しだけ広げて
階段を走って
踊り場の窓から飛び降りて
庭に並んだ蕾を踏んで
妖精たちに怒られて
月あかりの草むらで星を見て
猫の鳴き声が近づいても
僕は場所を渡さずに
....
おはよう あなたも頑張るわね
ミツバチに声をかける
遠くの山に朝もやが残るなかで
カモミールを摘む
今年最初のハーブ摘み
庭いちめんに咲く白い花
金色のリンゴを陽に捧げ
....
雨上がりの夜
心が揺れるシルクの糸
言葉が立ち止まり
雫が真珠のように流れて落ちる
アジサイとフェンネルに架かる
クモの巣の糸電話
妖精の告白に今夜蕾たちは
こっそり聞き耳を ....
去年の秋
星を探しに
小高い公園で二人
私が指差す方向を
まるで鉄砲を打つように
腕を掴んできた
どこ?
僕の星座はここだよ
この指の先
あのカシオペア座の下
君が ....
私は太陽の鏡
雨の日も曇の日も
忙しく道を通り過ぎるあなたに
私は光をさす
振り返らなくてもいいの
私は知ってる
夏の間あなたが早起きして私に水をくれたことを
昨日あくびをし ....
遠いところへ行ってしまった人へ
忘れていった財布が
今もここにあります
空っぽだよと言ったけど
あの日のレシートが
一枚だけ入ってました
最後に行った
二人お気に入りのお店
....
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