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雪が降っている感覚に、薄目を開けた
凍りつく湿度と、ほのかな光を感じる

雪の一片一片には
冬の陽がほんのわずか宿っているのだという
だから真白く淡く輝いているのだと
幼い頃、母が聞かせて ....
薔薇の下から
少女の唄声が聴こえる


庭の片隅に植えられている
その深紅の薔薇の下から聴こえる少女の唄声は
私にしか届かない
それが惜しいほどに、華麗に、時に遣る瀬なく
 ....
地上で最後に咲いた花には
目がありました

かつて生存したあらゆるものが死滅し
文明の残骸さえ塵になった地上で
とうとう最後のいのちになった花は
青黒い雨に打たれながら
薄汚れた白い花弁 ....
雑木林の奥の崖まで行く癖がある
そんな時に偶然見つけたのがこの教会だった
天井近くには鳥の巣まであるほど廃れていて
キリストは取り外されたのか
薄汚れた大きな十字架があるだけだった

軋む ....
空丸さんの桐ヶ谷忍さんおすすめリスト(4)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「春を待つ」- 桐ヶ谷忍自由詩518-10-16
「薔薇の下」- 桐ヶ谷忍自由詩618-10-4
「最後の花」- 桐ヶ谷忍自由詩718-8-24
「祈りの残骸」- 桐ヶ谷忍自由詩718-8-19

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