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耳から咲いたうつくしい花の声たち
眠っているときだけ、咲く花がある
あなたはそれを観る事はないだろう

生きた証し、誰かの
言葉に耳を傾けた証し
母さんの声は咲いているか
愛しいあの娘の ....
陽が次第に落ちてゆるゆると薄暗くなった町を歩いている。信号機の赤で立ち止まる。まだ青が潜むうすぐらく滲んだ空に爪のような三日月が覗いていた。じっ、と真上を見上げればそんな空しかないのだ。雲はどこか、星 .... 雨の雫に濡れた畑の瑞々しさ
自然を開き破壊して得た日々の糧
だからこれほど輝いているのか

ぬかるんだ畑に足あとがみえる
だれの足あとかは知らないが
きっとだれかの足あとで

あなたも ....
窓から
射しこむ
ひかりに揺れる
小さな寝顔のうえで
未来がうず巻いている

シエスタ
君は宝島を見つけたのか
シルバー船長や
オウムのフリント
うず巻く海原を越えて
高らかに ....
枇杷の実、たわわ、たわわ、と
ふくれた腹をかかえて転がりそうな
夕陽に照らされ景色をゆすって風を
くすぐり、たわわ、たわわ、と

悲しげな
その実に
歯を立て

しごきとる、なぜにこ ....
遠い火をみつめている
どこにいても遥か彼方で
ゆらぐこともなく燃えている

あそこを目指していたはずなのだ
臍の下あたりで、眼球のうしろで
わたしのいつ果てるかわからない
火が求めている ....
静寂のなか温められた器から
咲いたジャスミンの香りが

夜の輪をまわしていく

ぼくらは天球儀のなかにいて
ジャスミンが咲き誇り、てまねく
月よ、おいで、星よ、おいで
憂いに喉を腫らし ....
忘れられない事を
確かめるためだけに
息継ぎを繰り返すのだろう

(葉桜は永遠に葉桜やったわ)

灰に塗れ肺は汚れて骨肉はさらされ血の流れは遠く故郷のくすんだ川面のような在り方しか出来ない ....
忘れ去られ、蔦が這い
色褪せくすみ、ねむったまま
死んでいく、そんな佇まい
そんな救いのような光景を
横目に朝夕を、行き帰る
遠くのタバコ屋の廃屋まえ
どんどんとカメラが引いて行き
エン ....
もう
陽がくれる

とつとつと
西へ西へと歩んでいくと
孤影は東へ歩み去り

すれちがうのは

ひとつ、ふたつの足音と
みっつ、よっつの息づかい
いつつ、むっつのさみしさよ

 ....
誰かが正しいという循環から外れても
心臓は打ち、もの思わぬことはない
放たれない言葉の流れが澱み

わたしはわたしから溢れ
低きに流れて見上げるのも
疲れるから地底湖になっている

と ....
誰もがそれとわかるように
名前をつけてみましょうか

花と名前をつけます
蜂と名前をつけます
光と名前をつけます

だけれど君がそれを指さすとき
花と戯れる蜂や蜂と戯れる花を
輝かせ ....
ほら、樽のなかでお眠りなさい
煩わしいすべてをわすれて

檸檬かしら、いえ、林檎でもいいわ
樽のなかを香気で満たしてあげます

息を潜めて、あ、とも、うん、とも
言わないで猟犬を連れた ....
あの水平線の彼方から
流れつくのは
小指
真白い骨の小指

薬指
橈骨
尺骨
手根骨

拾い上げるたびに白い断片は形を成していく
それは右腕
どこか懐かしい真白い骨
これは私 ....
そらが幾層も山に降り積もって
ぼう、と滲んだ白さが上にゆくに
つれて青へと近づいていく

山に登る彼は雲海や山頂からの
景色の素晴らしさを語るのだけれど
彼にはこの山に降り積もるそらは
 ....
眠るひとのいない
ベッド、手摺りには水漏れが、と
書かれていて、シーツには髪の毛が
いっぽん、半ばしろい枝毛のかなしみ

もう増えないであろう
壁や箪笥の上の笑顔や
家族の群れ
灯り ....
西陽が腹にあたって
あたたかだ
ぬくもりだ
猫たちも
丸くなり円くなり
手をのばして
その陽射しをひとつ
棘の無い冬をひとつ
あのひとの笑みをひとつ
すべてひとつずつだけだ
取りす ....
遊び疲れたのか
母親に持たれてねむる
少年を挟んで
父親と母親が
それぞれ、編み針を手に
小さな毛糸の靴下を編んでいる
どちらが欠けても使えない
暖かい色の靴下に見えないものを
編み込 ....
古物が集積された
墓場のようなビルの前
フェンスにもたれて
剥げた手足を
褪せた顔を
晒しながら
途方に
暮れて
きみは空を斜めに
見つめている

いつか駅にいたきみ
もうなに ....
"まぼろしのように"
粘性の夢はつやつやとして
汗の匂いがする、果実の匂いがする
いつか異国から届いた葉書の匂い
紙の海を泳ぐとき紙の月が空にある
異邦の歌声は艶やかに過 ....
季節外れの薔薇をみた
薔薇を吸えば棘にひりつき
裂けた咽喉に根を張り、歌う

あぁ、私は美しさ故に人を傷つけても
こうして許されています

(なんて傲慢……)

咳は止まず、薔薇を吸 ....
わたしは悲しみを拾います
だれの悲しみだろう
なぜ悲しいのだろう
取り留めなくおもいます

掌で包んでみたり
耳をあててみたり
抱いて寝てみたり
机の上に置いてみたり
床に転がしてみ ....
枯れ葉がからから
秋の子どもたちの
足音、からからと

町ゆくひとの足を
いたずらに撫でて
風のような笑い声

枯れ葉を燃やせば
秋の子どもたちは
舞い上がりおどり

それを見 ....
空丸さんの帆場蔵人さんおすすめリスト(23)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
たまゆら- 帆場蔵人自由詩12*21-3-6
ハロウィンの夜、木星は見えているか- 帆場蔵人散文(批評 ...519-11-2
雨後に- 帆場蔵人自由詩1019-6-8
午睡の刻- 帆場蔵人自由詩519-5-28
枇杷の実ゆれて- 帆場蔵人自由詩1019-5-22
遠い火をみつめて- 帆場蔵人自由詩11*19-5-19
天球儀- 帆場蔵人自由詩519-4-30
葉桜の季節に- 帆場蔵人自由詩14*19-4-22
唯一の友だち- 帆場蔵人自由詩10*19-4-9
日暮れをゆく- 帆場蔵人自由詩11*19-4-8
循環- 帆場蔵人自由詩5*19-3-23
沈黙のなかで- 帆場蔵人自由詩18*19-2-14
樽のなかの夢- 帆場蔵人自由詩7*19-2-4
時の夢- 帆場蔵人自由詩219-2-4
そらの積層- 帆場蔵人自由詩519-1-24
無題- 帆場蔵人自由詩519-1-21
ひとつひとつ- 帆場蔵人自由詩4*19-1-13
駅の待合室- 帆場蔵人自由詩419-1-7
いつかの伝言板- 帆場蔵人自由詩8*18-12-26
まぼろしのように- 帆場蔵人自由詩518-12-25
わたしに咲く薔薇- 帆場蔵人自由詩6*18-12-19
いつものこと- 帆場蔵人自由詩7*18-11-21
小春日和- 帆場蔵人自由詩718-11-8

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