すべてのおすすめ
卒寿を 過ぎると
想いが 拡散されるのか
暮しの 翳が いつの間にか
ぼやけてくる
エヤコンの温 ....
冬には 春を想い
夏になると 秋の到来を
呟いて みる
その日 その日の天候に
むなしい注文を 繰り返して
....
新舞子の
あやなす 岸辺に
佇んで
消し果て 終えた 青白い
かげを まさぐり
ため息を 吐く
名古屋港に
出入りする 貨物船を
眺めながら
バルコニーの 天井が
五月雨で 滝音をたてている
幼き 三次元を
想起させるように と
そぅだ 日照りのため
生れ故郷も すなおになって
雨を ....
両指先で
卒寿を過ぎた ひたいを 撫で
深くなった 皺を 揉む
なんのことはない
臨死の岸部が
さざ波を 打っているのだ
....
暮しのネタを持ち得ずに
時空はひとみを失神させて
ただ 黙々と
うたかたの みなおをつくる
卒寿を越した おひとりさまが
無聊のキッチンで
....