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お薬を飲んでいる時と
お薬を飲んでいない時
どちらが本当のアタシで
どちらが本当の世界なのかな
そう思うたびにアタシは悲しくなって
紅のラインを手首に引いてみるんだ(何本も)
いつか再び
....
魔法はいつか醒めるもの
それも残酷なタイミングで
少女時代の楽しいお茶会
永遠に続くはずだったのに
甘いお菓子たちの余韻が
不意に舌先から消え失せて
一緒に王子様の噂をしていた
乙女 ....
雨が近づくと
植物の匂いが強くなる
それはまるで
隠す気のない事後のようで
私は好きになれない
(きっと
罪悪感の裏返しね)
彼の車に乗って
高速を使い海へ向かう
やがて雨が降り ....
闇の中で白い背中を
反り返らせていた君は
この夜が明ける前に
大人の女になってしまい
すっかり明るくなる頃には
どこか遠い林の中で
樹液を啜っているだろう
君と初めて出会ったのは
....
曇りの日に海へ行った
空も海も灰色なのに
仲介者の努力も虚しく
いまだに和解は成立しない
その国境線は水平で
欠けた世界の端から端までを
頑なに切り分けようとしている
曖昧だが根深いライ ....