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流れ出た血が固まるように
女は動かない
動かない女の前で暫し時を忘れ
見つめれば やがて
そよ吹く風か 面持ちも緩み
――絵の向こう
高次な世界から
時の流れに移ろい漂う
一瞬の現象で ....
耳の奥の海の青さ
朝のまま蝶よ渡れ
俄かに結びまた解ける
気まぐれな踊り手たちの
死の求婚を袖にしながら
ただ風を漕ぎ あの島の
今は盲いた娘の白髪を
露こぼす花となり飾れ
高まる日差 ....
口紅をつけた
自分のか誰のかわからない血の赤
すると足元が浮ついて
堕ちた天使のよう爪先で滑るから
慎ましく知的 胸元に
悶えに悶えた腹を割いて取り出した
真珠ひとつ
それでも世界は殺風 ....
年に二度バラを買う
六月と十月 ほんの数本ずつ
ずっと深紅のバラだったが
ここ何度かピンクだったような気がする
バラほど美しい花はない
見つめているとそう思う
自分のためには決して選ば ....
{ルビ蛇=わたし}は脱皮した
相変わらず{ルビ蛇=わたし}のままだったが
少しだけ清々しい
肌感覚で世界を捉えている
かつて外界と接し敏感に反応した
主観的感覚と一体だったものが
....
青い裂果
光の手中に墜ち
さえずる鳥 ついばむ鳥
文字へと変ずるか 黒く蟻を纏って
大気に溶けだす肉体は祈り
小さな動物の頭蓋のよう
未満の種子 生を宿すこともなく ....
黒崎 水華さんのただのみきやさんおすすめリスト
(6)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
静止性
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ただのみ ...
自由詩
12*
18-5-30
蝶の便り
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ただのみ ...
自由詩
4*
18-4-4
太陽は病んでいる
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ただのみ ...
自由詩
4*
17-12-2
十月の薔薇
-
ただのみ ...
自由詩
10*
17-11-1
脱皮
-
ただのみ ...
自由詩
9*
17-8-23
青い裂果
-
ただのみ ...
自由詩
15*
17-6-24
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