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思い出の欠片も落ちてはいない
生まれて初めての南の島
君はそこで何を探したのだろう
たなびく細長い雲に薄くスライスされながら
溶岩のような輝きを溢れさせ沈んでいく
座間味の濃い夕陽
崖 ....
わたしの前の席が空いたけど
今しも都市のかなたに沈もうとする大きな夕陽を
見続けていたかったので
座らなかった
燃え滾る線香花火の火球のような
太陽だった
それを反射して真紅に光る壁面 ....
日が陰っているあいだのほうが
花の色は鮮やか
じりじり直射されると
ハレーションを引き起こす
風のない
霧雨の朝
すこしの水分
少しの明かりを
ゆっくりと開き切る手前の時を
深呼 ....
雲に穿たれた節穴から
ちょうどこっちを覗いた太陽と目があった
日没まで15分
氷点下11度
重さのない雪の結晶を
ふわふわ被った針葉樹の列
灯油ストーブの炎を背に
揺り椅子に座り ....
このメールを打ちながら
ほんの少しあなたは微笑んだのだろう
ありふれたジョークのような
たった二行から
一滴零れた微笑みが
ザクザクの雪解け道をよろけながら歩いていた私の
胸の底にぽたりと ....