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精神の潮流にのって
肉体の小舟で漕ぎ出してゆく
陸が見えなくなると
ぼくは裸になって
小舟から身を投げ出す
青い波の荒野の上に
ぼくの小舟と服と
樫の木のオールが残される
....
夜中に喉が渇き
母屋の錠を外す
手探りで明かりを点け
台所の静けさに佇む
グラスの氷水を飲み干し
仮に
今が冬であると想像する
台所の静寂は冬の冷気と相まって極まり
僕の吐息は白い ....
君の肉を啄みたい
それだけを望んでいる夜だ
その粘りの強い白い肌を
悦びに打ち震えながら咀嚼して
聞いたことのない心地よい音楽を
孤独なままに聴いていたい
栄養の足りない夜行性植物が
淫 ....